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言われたことを、やればいい。

タイトルはもちろん田中泰延さんの名著『読みたいことを、書けばいい。』のオマージュです。全てのライター必読の書。自分が「読みたいこと」を調べて、書く。これから僕が書くことは、そもそも「読みたいこと」がない人はどうすればいいの?というお話です。泰延さんの本と同様に、答えは既にタイトルにある通り。

ワタナベアニさん風に言えば「もう結論は言いましたから、忙しい人はここから先を読まなくて大丈夫です。水戸黄門で言えば印籠を出したことになるので、残りは見なくてもいいです」ということになります。


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例えば、「何をしたらいいのかわからない」という人がいます。行動を起こしたいけれど、何から手をつければよいのかわからない。そのような時にすべきことは「言われたことをやる」です。ここで重要になるのは、その言葉の主は誰なのかということです。

あなたには憧れがいますか?

あなたの尊敬する人の言葉に耳を傾けてください。それは家族や上司の言葉でも、親しい友人の言葉でも、社会的な地位のある人の言葉でもありません。年齢も性別も国籍も関係ありません。あなたが心から尊敬する人です。その人の言葉だけに耳を傾けてください。

僕たちは「憧れ」に直接会いに行かずとも、日常的に彼らの言葉と出会うことができます。それは本の中で、ラジオの電波で、SNSでのコミュニケーションで。「憧れ」が語る言葉はたいてい大事な内容が詰まっています。時に、自分の理解を超えていることもあるでしょう。人生における経験値も思考の深度も高い彼らは当然、自分の理解を超えた考えを持っています。その言葉に耳を傾け、言われたことを、やればいい


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「憧れ」は、世の中に欠如しているものに対して敏感です。常に不満を抱え、苛立っています。同じ世界に生きていても、僕たちとは見えているものが違います。僕たちの目に「見えていないもの(足りないもの)」が彼らには見えている。その不満を解消するために彼らはクリエイティブを発揮します。

自分は理解できていなくてもいい。「憧れ」には見えているのだから、彼らの言う通りの言葉を、何も考えずに行動に起こせばいいのです。自分ができることの枠の中で動いてばかりでは、進化はありません。とにかく、言われたことを、やればいい


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僕には、憧れの人がいます。アートディレクターの千原徹也さんです。僕はこれまでに100万字を超える彼についての文章を書いてきました。先日、書き終えた出版処女作は千原さんを題材にしています。それほどまで憧れ、出会えたことに心から感謝しています。

千原さんがナビゲーターを務めるラジオを聴いていた時、こんな言葉が聴こえてきました。それはデザイン業界についてのお話で。

「これからは自分でコンテストをつくっていく時代なんですよね。つくっていかなきゃいけないよ」

次の日、僕は『教養のエチュード賞開催』の記事を書きました。その時はまだ、「コンテストをつくること」にどのような価値があるのかよくわかっていませんでした。結果的にその個人的なコンテストは、僕に多くの出会いと学びを与えてくれました。そう、言われたことを、やればいいんです


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本当のスタート地点は、失敗したところから

言われたことをやってみてください。高い確率であなたは失敗します。ただ、よく聞いて下さい。大事なことはここからです。言われたことをやった者にだけ、次なるヒントが贈られます。「行動する人」と「感心だけして何もしない人」では手に入る情報が全く違います。行動した者にだけ渡される言葉。本質的な価値はここにあります。

言われたことをやった後、まずあなたはがすべきことは、その失敗(あるいは成功)を「憧れ」に伝えてください。すると、あなたの「憧れ」はあなたの言葉に耳を傾けてくれます。「この人は行動する人だ」と認識してくれた。そう、会話をする価値のある人間だと思ってくれたのです。それは信頼です。いいですか、それは信頼です。大事なことなので二度書きました。

「憧れ」はそんなあなたに大切な言葉を送ってくれます。行動した者にだけしか贈られないアドバイス。それこそが今のあなたにとって本当の意味で価値のある言葉です。つまり、失敗したところがスタート地点なのです。


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言われたことを、やればいい。

誰を尊敬するかということは、その人の美意識です。「憧れ」の言葉に耳を傾けてください。その人が言った通りに行動してみてください。その時は、意味がわからなくてもいい。その人に憧れた「あなた」自身を尊重してください。「憧れ」を信じてください。「憧れ」を好きになった自分を信じてください。答えは後からやってきます。その時、ようやくあなたははじまりの場所に立つことができます。




「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。