ダイアログ・デザイナーは「水」。
ウィスキーは数滴の水を加えるだけで、香りが立ち上がってきます。いわゆる「香りがひらく」という現象です。基本的に蒸留酒はアルコール度数が高く、香り成分が閉じ込められた状態にあります。たとえ少量でも、加水することによって、ウィスキー内の香り成分が水面に上がってくる。香りはもちろん、風味も豊かになります。
話し手が「ウィスキー」だとすると、ダイアログ・デザイナーは「水」です。少量の水がウィスキーのポテンシャルを引き出すように、ダイアログ・デザイナーは話し手の潜在的な魅力を引き出します。割合はいくら大きくてもトゥワイスアップ(一対一)。それ以上になると、素材の風味を損ねてしまいます。
水(ダイアログ・デザイナー)はそれだけで主張することはなく、あくまでウィスキー(話し手)の良さを最大限に生かすことに徹する役割です。
もっと言うと、それがワインであっても、日本酒であっても、コーヒーであっても。醸成(あるいは抽出)する時に原料の良さを引き出すのは、いずれも「水」です。その飲み物の質は、扱う水質に比例します。水を疎かにすると、上質の風味を引き出すことはできません。
良き「対話の場」をコーディネートし、対話をデザインして、相手の魅力を引き出す。そんな上質の「水」であるよう、常に洗練してゆきたいと思います。対話という方法で、それらをギフトにできるよう。
良き水を考え、あるべき姿のために努めること。
それが、わたしの在り方です。
「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。