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書くことを仕事にしたい人へ

noteの中で「書くことを仕事にしたい」という人をたくさん目にします。そういう人は「noteで有名になれば仕事がもらえる」とか「有料記事で稼ぐ」など、いろいろ考えているようです。個人的な意見ですが、僕はnoteを「お金を稼ぐ場所」だと考えたことはありません。理由は簡単です。難易度が高いからです。

さて、伝えたいことは書きました。ここから先は「(まだできていないけれど)書くことを仕事にしたい」と思っている人だけ読み進めてください。それ以外の「プロの書き手」や「趣味の書き手」は、ここでバイバイしましょう。


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ようこそ、門をくぐった「あなた」。では、続けます。

noteに集まる人の多くは「書きたいことがある」人たちなんです。書き手が集まる場所で「書く仕事」を得ることは大変です。その人たちのほとんど全員が自分以外の誰かに対して「お金を払ってでも書いてほしいことがある」という欲求を持ち合わせていません。需要のない場所で「仕事がほしい」と言っても、仕事に繋がらないということです。

もちろん可能性は0ではありません。実際にこのサービスからプロフェッショナルになった人はいます。書籍が出たり、連載をもったり。でも、その可能性だけに賭けて一喜一憂するのはもったいない。

書くことを仕事にしたいのであれば、他の方法を考えた方がいいと思っています。以前、このようなnoteを書きました。


日常的に文章と距離が近い僕たちは忘れがちですが、世の中には「文章を書くこと」について、びっくりぎょうてんするくらいこだわりのない人がいます。それも、思っている以上にたくさん。

そういう人たちは、僕たちのちょっとした工夫や頑固の欠片に、敬意の眼差しを向けてくれます。


僕たちが本来選ぶべき仕事相手はこういう人たちです。つまり、「普段から文章を書かないし、読まない人」。この人たちはnoteというサービスさえ知らなかったりします。そして、周りを見渡せば、そういう人がたくさんいることに気付きます。その人たちの抱えている問題や欲望をイメージしてください。それを「あなた」が文章で解決してあげるのです。

ここからは、あなたはプレゼンをしなければいけません。例えば「あなたの人生を小説にします」とか「あなたのお店のインタビュー記事書きます」とか「あなたの代わりに魅力的な手紙を書きます」とか「おじいちゃんおばあちゃんの馴れ初めをシナリオつくってお芝居にしませんか?」とか。本当に何でもいいです。最初は1000円とかでもいい(だって「あなた」はnoteで、誰に頼まれたわけでもなく文章を書いているのでしょう?)。それがたった1000円でも、自分の手で稼ぐことができたらそれが自信になります。その上、きっと相手は喜んでくれます。本当に「書くことを仕事にしたい」と思っているのであれば、必ずできます。

その実績をnoteやTwitterで拡散するんです。そうするとアーカイブにもなる上に、告知としても機能します。誰かを喜ばせれば喜ばせるほど、あなたへの対価は大きくなっていきます。


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つまり、「仕事を待っていてはいけないですよ」ということ。需要はあなたが考えてつくっていけばいい。「こうやったらこの人喜ぶんじゃないかな?」ということをプレゼンして「仕事をつくる」ということをまず覚える。そうやっているうちに必ず、どこからか依頼が来ます。人を喜ばせていれば必ず「あなた」は求められる人間になります。

それが「noteで有名になること」よりもずっとずっと簡単なことに気付きます。考えてみてください。noteだけを仕事にしている人ってどれくらいいますか?有名なnoterさんの多くは別の職種のプロフェッショナルで、趣味としてこのサービスを利用しています。使い方は主にアーカイブと告知。「稼ぐぞ」というよりコミュニケーションツールという役割が大きい印象です。

「noteを仕事にする」ということではなくて、noteで生まれた出会いやご縁、そこで培った説得力が本業の「仕事」で活かされるということが理想なんだと思います。そういう感覚でいると、余裕をもってnoteライフを楽しむことができます。


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一番の問題は「プレゼン」ですよね。優秀な書き手は意外とコミュニケーション下手なことが多いですから。その場合は、誰かとチームを組んでください。

つまり、ここにも需要が生まれるわけです。書き手と予測される依頼主の間を繋ぐ人間が。この人は「編集者」や「ディレクター」的な視点が求められます。世の中の欲望の発露を見抜いたり、相手の潜在的な欲求をすくい上げたり、人と人との関わりを繋ぐ。上手に「空気」をつくることができる存在です。

このチームができれば確実に仕事になります。そして、僕は「そういうチームをnoteでつくればいい」と思っています。ここでの出会いから、外で仕事をつくる仲間へと育てていく。そういうことを一緒にやっていくことでまたお互いの中でストーリーが生まれる。

noteの外にいるプロフェッショナルをnoteに呼んで価値を育てる。noteで繋がった仲間や培った価値で、外で仕事をつくる。この循環こそ、有益なプラットフォームの在り方なのではないかな、と思っています。


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僕は、決して有料記事や定期購読マガジンを否定しているわけではありません。実際、僕はいくつかの有料マガジンを定期購読しています。わりと早い段階でオンラインサロンなどのサブスクリプションを利用しました。それらのお金は「入場料」のようなものです。お金が発生することによって中の治安が守られます。そして、主催者との距離も縮まり、信頼関係が築かれます。それは100円であっても、500円であっても。実際に、有料マガジンを購入した人が「無料で外に情報を流す」といった行儀の悪い行為をする確率はかなり低いはずです。

そういう意味では「お金」は風通しの良いコミュニティをつくるためには便利なツールなんですね。




「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。