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1000文字の手紙〈みやのはるかさん〉

みやのはるかさん、この度は第三回教養のエチュード賞にご応募いただきましてありがとうございます。

本への慈しみ、ゆたかな愛がたくさん詰まった文章に、こころ癒されました。「本」の滋味深さをあらためて感じ入るひとときでした。

本との出会い方は様々で、書店で偶然出会う時もあれば、オンラインの広大な海で奇跡のような出会いもあり。時には誰かがすすめてくれたり、あるいは贈ってくれたり。新しい出会いだけでなく、再会もまた「出会い」に違いなく。

本の中の物語へ辿り着くまでの偶然の積み重ねもまた「物語」で。そこをロマンティックに捉えることのできる人を、こよなく愛おしく想う。

みやのはるかさんの文章を読みながら、自分自身の最良の「本との出会い」を振り返ってみました。そのお話を紹介させてください。

ぼくは、「知性の交換」というプロジェクトをしています。

お互いの本棚にある本を贈り合うコミュニケーションです。そこに手書きの手紙を添えることで、その本は「その人のための世界に一冊だけの本」となります。昨年の4月からはじまり、これまでにぼくの元に届いた本はおよそ70冊です。どの本を手に取っても、それを送ってくれた人の顔(ことば)が思い浮かびます。

その本を読むことは、「その人」を読むことです。「その人」を想うこと。その想いが本をさらに愛おしい存在へと高めてくれます。本の周りに流れる物語が、「本」というプロダクト、そして「読書」という体験を、洗練させていく。

相手が何の本を届けてくれるのかということは、小包を開くまでぼくは知りません。突然、全く知らない本が届く(時には、持っている本が届くこともある)。この出会いは、かけがえのない体験です。

「知性の交換」を通して、ぼくは以前よりずっと本を好きになったし、人との交流を愛おしいものだと想えるようになりました。そして、それはこの「教養のエチュード賞」で作品を届けてくださった人に、今のように手紙を書いていることにも同じことが言えます。

みやのはるかさんの作品と出会い、あらためてそう思いました。今、とてもあたたかい気持ちです。このようなこころをもたらしてくれる文章と出会えたことに喜びを感じています。

素敵な作品を届けてくださり、ありがとうございました。




「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。