見出し画像

リアルとリアリティ

“ずっと聴いていたい声”というものがある。

彼の場合も、最初にその声を聴いた時から、自然と耳を傾けていた。太く、ラフで、リズミカルな関西弁。その音楽的な響きは、やわらかく鼓膜に溶けてゆく。不思議なもので、声と語りを聴けば、おおよその器の大きさは見えてくる。優れたシンガーは、サビを聴かずとも歌い出しだけで歌唱力がおおむねわかるように(二番から巧く聴こえはじめた、という試しはない)。

音響的な効果が一つ目の理由であるとすれば、二つ目は聴く姿勢だった。お話が上手だし、ユーモアも利いていて、話し相手はいつも楽しそうだった。だが、よくよく彼の対話を観察していると、聴く姿勢が豊かなのである。いつだって、わたしが惹かれるのは「話す人」ではなく「聴く人」なのだ。

聴いている。理解するまで、考えている。その“考える間”がいい。場合によっては、「ごめん、わからん。も一回言って」と言う。それも、こよなく自然と。わたしたちは、話し手の内容を受け取りつつ、聴き手である“彼”という人間に耳を傾けることになる。だから、ついついSpacesをひらいていると聴きに行きたくなるのだ。

彼の名は、TOKKUさん。経営者。時々、弾き語りもする。とにかく、TOKKUさんがおもしろい。先日、Spacesでご一緒させていただいて豊かな時間を共に過ごした。冗談とマジメが同居していて、笑いつつもハッとさせられる。その理由は、彼の冗談には真実のかけらが宿っているからだ。冗談が真実の格好をしているのではなく、冗談の格好をした真実であることをわたしたちは後になって気付かされる。

6月10日22時より、TOKKUさんをゲストに迎え、対話パーティをひらきます。テーマは「対話、声、そして、リアルとリアリティ」について。ぜひ、聴きに来てください。豊かな時間を共に過ごしましょう。

質問や感想は「#対話パーティ」にて。



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。