見出し画像

ともだち、として

大変な世の中だ。

気軽に外に出られないし、ドラッグストアにはマスクもない。咳をすれば睨まれ、タイムラインには本当か嘘かわからない情報があふれる。見たくないものは見ないようにする。今まではそれでよかった。でも、この状況ではそんな悠長なことは言っていられない。見たくないものと向き合い、信頼できそうなデータを選別していかなくてはならない。

みんなSNSで海外の友達を作るといい。今回のウイルスによる騒動や天災が起きた時、そこに友達が一人いるだけで、その国のことをとても大事に想えるから。悲しいかな僕たちは、友達がいない国のことをあまり大事に想えないんだ。

「大事じゃない」わけじゃない。ただ、どうしても遠い世界の出来事として捉え、うまく想像が働かない。人は一人ひとりが個人で、国はその集合体だという当たり前のことに実感が持てない。「個」としての友達がいるだけで、僕たちは海の向こう側の世界に対してもっと上手に気持ちを重ね合わせることができるんだ。

だからどの国にも一人ずつ友達がほしい。

今、必要なことは想像力じゃないだろうか。言葉としてただ受け入れるのではなく、その向こう側までイメージする力がほんの少しあれば、虚偽の情報に惑わされる回数も減らすことができるし、余分なパニックを回避できる。

相手の気持ちや傷の痛みを想うことができれば、つまらない争いは起きない。手を差し伸べることもできるし、誰かのリカバリーのきっかけをつくることだってできる。想像力は何も芸術家のみに与えられた能力ではない。誰もが持ち合わせていて、それを発揮すれば人を助けたり、治癒を促したりすることができる。他者に対する想像力は、あらゆる営みの生産性を高める。

「ともだち、として」

周りのことや海の向こう側のことに対して、今より少しだけそう思って向き合ってみる。それだけで、世界はいい方向に流れていくと思う。人類が大きな一歩前進したことになる。






「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。