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一番近くにいるあなたに

僕があなたと出会った時、あなたは39歳でした。

あの日から時は流れ、あなたは52歳になりました。とてもかわいい52歳です。13年前からがんばり屋さんで、忘れ物が多く、おっちょこちょいなあなたですが、それは今でも変わりません。しかし、「13年」という時間が、あなたをとてもかわいくさせました。

他の人にはわからないかもしれませんね。あなたのやることなすことすべてに現れる「かわいさ」は。ずっと一緒に同じ時間を過ごしてきた僕にだけのご褒美です。


あなたはよく笑い、よく怒り、よく泣いて、いつだってニコニコプンプン大忙しです。その豊かな感情に僕はどれだけ救われたでしょう?


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笑顔が美しいあなた。

朝のコーヒーが何よりも好きなあなた。

海が好きなあなた。

赤ん坊と小さな動物が好きなあなた。

「大嫌い」と言いながらお義父さんのことが大好きなあなた。

いばりんぼうで、おっちょこちょいのあなた。

身体の弱いあなた。



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「時間は残酷だ」と人は言います。でも、僕にとっては尊いものです。積み重ねてきた全てが愛おしい。頑丈になった部分と、衰えていった部分。そのどちらもが二人で過ごしてきた時間の中で築き上げてきたかけがえのない要素で。日々のささやかな変化を慈しみながら、今ここにいるあなたのことをベストだと思える。


二人が出会った時のあなたの年齢である「39歳」になった時、僕は何を想うのでしょうか?
その年齢に立って、はじめてこれまでのあなたの本当の気持ちがようやくわかるような気がします。あの時、「イエス」と言ったことでも、心の中では「ノー」だった、ということもあるかもしれません。その逆も然りです。いつも、あなたは自分のことよりも僕のことを考えて、遠い未来を見据えて、言葉を選んでくれました。一人の人間として尊重し、いつでも公平な眼差しを向けてくれました。

二人で過ごした18年を振り返りながら、あなたの気持ちを答え合わせをすることが楽しみです。

同じ年齢に立った時、僕は他の誰かに同じことができるでしょうか?


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良い知らせが届いた時、あなたは誰よりも喜んでくれます。悪い知らせが届いた時、あなたは誰よりも悲しんでくれます。それはそれは、自分のこと以上に。「これって、僕のことなんだけどな」ふと、そう思って可笑しくなります。

あなたはいつも、僕よりも僕の幸せを体いっぱいで祝福し、僕の不幸を体いっぱいでしょんぼりします。僕はそれを見て、笑います。僕よりも喜び、僕よりも悲しむあなたの姿を見ていると、ぎゅっと胸が締めつけられます。僕は幸せです。

僕の「夢」はいつか、あなたの「夢」となり。
あなたの「夢」はいつか、僕の「夢」となりました。


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「あなたと出会う前の私は、ひとりで生きていけたの。でも、あなたと出会ってからひとりで生きられなくなった」

『恋愛適齢期』という映画の中でダイアン・キートンがジャック・ニコルソンへ言ったセリフです。この映画を見たのは十年以上前の話ですが、なぜかずっとこの言葉が心に残っています。そして今、こう思っています。
僕はあなたがいないと生きていく自信がありません。


ずっとずっとありがとう。あなたの豊かな心を守り続けることが、僕の役割です。こよなく健やかで、清らかな心を。そして美しい笑顔を。


お誕生日、おめでとう。


19.11.09



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。