見出し画像

熱を届ける才能 #オシハタ

『聞いてよ20歳!』というコンテストできゆか賞をいただいた。

21歳のきゆかさんが「20歳に伝えたい文章」を募り、集まった作品の中から彼女が選んで賞を贈る。僕が彼女に送った文章は、バックパックを背負い、インドを一人旅した時の初日の思い出。

昨夜、オンラインイベントで授賞式が行われた。事前に受賞の報告を受けていた僕は、zoomの画面をオフにして彼女たちのやりとりを見ていた。ドラムロールが鳴り、きゆかさんから僕の名前が呼ばれた。

あたたかいムードの中、画面をオンにして僕は挨拶した。受賞の感想を求められ、思っていたことを話した。驚いたこと、うれしいこと、きゆかさんの勇気、いろいろなものがないまぜになって頬が緩んだ。

そこから、きゆかさんから感想をいただいた。20歳の人みんなに読んでほしいこと。投稿されたのが深夜1時ということ。エンターテイメントであること。若い人に勇気を届ける内容であること。終わり方がカッコイイこと。そして、僕の文章を読んで、泣いたこと。

その一つひとつの言葉に熱が込められていて、僕は途中で泣きそうになった。僕の文章を選んだ理由、今でもその時の衝撃を覚えていること、どこが好きかを一生懸命に言葉にしてくれた。

あ、文章じゃ敵わないかも。

目の前で精一杯言葉を紡ぐその姿、僕に届く熱。オンラインだけど、それはしっかりと伝わっていて。あのスピーチに近いレコメンドに僕の心は激しく揺さぶられた。温度を感じさせる言葉を伝えることができる人。全ての人ができるわけじゃない。でも、きゆかさんにはそれができる。それは才能だと思った。

僕は「若い」ということで人を見下すことはしない。むしろ年を重ねた人よりも感覚や思考力は優れていると思っている。未熟な部分も当然あるけれど、それは経験が少ないだけの話。「若さ」にはかけがえのない輝きがある。生命力、躍動感、自信、儚さ、危うさ。その全てが美しい。

文章で、あのきゆかさんのスピーチのような「熱」を表現できるだろうか。

素晴らしい言葉をいただいた。同時に、大切な体験を贈っていただいた。昨夜、あの場所で、彼女の言葉を受け止めることができてよかった。あの作品を投稿してよかった。『スィートな夜を、愛で満たす』が特別なものに生まれ変わった。

あの場所には、きゆかさん、武田ヒカさん、秋月みのりさんという21歳のメンバーが集まっていて、それぞれに僕の文章に感想をくれた。その時の感情やときめきをこれからも大事にしていたいと思う。

「うんこだしね」

みんなが僕のインドの話についていろいろ話す中、司会のクニミユキさんがすかさずそう言った。みんな、そのワードを避けていたのに、ミユキさんは正面から一気に踏んだ。うんこだけに。

踏みつけたうんこは、zoomの画面に飛び散って小さな四角い枠の中でみんなを笑顔にさせた。大人になる強さを身に染みて感じた。

※真夜中のインドで牛の糞を踏んだ話のため

きゆかさん、オシハタの運営メンバーのみなさん、本当にありがとうございました。僕にとってすばらしい夜になりました。



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。