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イースタン・プロミス

映画「イースタン・プロミス」

2007年のイギリス、カナダ、アメリカ合作の映画です。

監督はデビッド・クローネンバーグです。

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1981年の監督作品「スキャナーズ」では超能力の恐怖を描いていました。超能力によって頭を破裂させるシーンは鮮烈でした。

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1986年の「ザ・フライ」ではハエに変貌していく男を見事に描きました。

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細胞が破壊されていく、どこか粘質的な作品を撮る、独自の世界をもつ監督ですよね。

そのクローネンバーグ監督が2007年に撮った映画が「イースタン・プロミス」なんです。これまでの作風と違うんですね。


物語は現代のイギリス・ロンドンが舞台です。そこに巣食うロシア・マフィアの話しなんですね。日本でいうヤクザですね。

映画冒頭、床屋にひとりの男性客がいるんです。そこにロシア・マフィアがはいってきて男性客ののどをカミソリで切って店から出て行く。なんともショッキングな出だしです。

ストーリーですが、クリスマス前の夜にひとりの女の子が病院に運ばれてくるんですね。
この女の子、妊娠していた。そして女の子、赤ちゃん産んだまま息をひきとるんです。
この女の子の出産にたちあったのが、ナオミ・ワッツ演じる助産師さんだったんです。

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ウディ・アレンやデビッド・リンチ、ミヒャエル・ハネケ、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥと世界的な監督と仕事をしている女優ですね。


息をひきとった女の子は日記を持っていたんです。ナオミ・ワッツ演じる助産師は過去に流産してるんです。そんな経験からナオミ・ワッツは赤ちゃんのために、日記を頼りに息をひきとった女の子の身元を探すんです。ところが日記にはロシア・マフィアの恐ろしい実態が書かれていた。

なにかというと人身売買なんですね。

この日記を手にしたことでナオミ・ワッツはマフィアの闇に足を踏み入れることになってしまうんです。そんなナオミ・ワッツをなにかと助けてくれる男がいるんですね。でもこの男もロシア・マフィアなんです。マフィアの運転手をしている男なんですね。なぜかこの男がナオミ・ワッツを陰から助けてくれるんです。

後半、男の正体がわかるんですが、驚きますよ。


このロシア・マフィアの運転手を演じるのが、ヴィゴ・モーテンセンです。

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役者として売れる前は、デニス・ホッパーが支援者としてなにかと援助していたそうです。クローネンバーグ監督とは、この「イースタン・プロミス」を含め3本の作品で仕事をしています。アーティストに愛される役者なんですね。男臭くていい顔をしてますよね。好きな役者さんです。


クローネンバーグ監督はヴィゴ・モーテンセンに役者として男としても惚れてますね。
ヴィゴ・モーテンセンが浴場でマフィアに命を狙われるシーンがあるのですが、カメラワークが見事ですよ。浴場という締め切った場所で入浴中に襲われるんですね。入浴中なんでもちろん武器もない、素っ裸です。

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そんな絶体絶命のなか知恵と腕をつかい戦うんですね。この映画の、またヴィゴ・モーテンセンの、ひとつの見せ場です。

いい役者というのは画面にでた瞬間、その人物の職業、キャラクターが伝わりますね。


次第にナオミ・ワッツはヴィゴ・モーテンセン演じるマフィアの男に惹かれていくんですね。 

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この映画、これまでのクローネンバーグとは違う作風の映画ですよ。驚きました。

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