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オリーブの林をぬけて

映画「オリーブの林をぬけて」
1994年のイランの映画です。

監督はイランが誇るアッバス・キアロスタミです。

ある村に映画の撮影隊がやってきて、村を舞台に映画を撮ることになるんですね。

ひとりの村の男の子が撮影の手伝いをしてるんです。男の子、夫役に選ばれるんですね。

やがて妻役の女の子に恋していくんです。

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映画全体を流れている時間、空気感が心地いいです。なんてみずみずしい作品なんでしょうか。

男の子、初めての芝居で、芝居と現実が一緒になっちゃうんですね。

毎日会って、話して、重ねていくうちに、相手役の女の子に恋心抱くようになる。

当然ですよね。

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会話は極端に少ない映画です。
それが村の風、風にゆれる葉の緑を感じとれて、
この映画になまの生命をあたえてますね。

ラストがいいんです。

山道。

カメラは遠くから撮ってます。

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山道を歩いてる相手役の女の子。
後ろから男の子追いかけていく。

女の子立ち止まるんですね。

男の子、意を決して愛を伝えるんです。

カメラ遠くから撮ってます、ふたりの声は聞こえません。

女の子うなずいているようにも見える。

ふたりまた歩き出す。

そこで終わるんですね。

成就したのかどうかシークレットで終わります。観客にゆだねるラストですね。

クローズアップの画はほとんどなく、カメラは離れて撮っています。それが男の子の淡い恋を、僕ら観客が見守っている感じになるんですね。

みなさんイランという国のことどれだけ知ってますか。イランという遠く離れた中東の国で、こんなにみずみずしい監督がいることにうれしくなります。

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