裁かるるジャンヌ
映画「裁かるるジャンヌ」
1927年のフランスの無声映画です。
フランスの英雄・ヒロインであるジャンヌ・ダルクが審判にかけられ火刑に処せられるまでに焦点をあてた作品です。
監督はデンマーク出身のカール・テオドア・ドライヤーです。
フランスとイングランドの領土争いから、フランスを勝利へと導いたのがジャンヌ・ダルクですね。
彼女はイギリス軍に捕らわれ、審判にかけられるんですね。このときジャンヌ・ダルクは19歳だったという話ですね。
彼女は裁判官に言うんですね。
「神のお告げをきいた」と。
自分は神に導かれて行動したのだと告げるんですね。
裁判官たちは「それは神ではない、悪魔だ」と言って、次々と質問を投げかけ、ジャンヌ・ダルクを追いつめていくんです。
神の是非をめぐって裁判が続くんですね。
実際の裁判記録を元に制作されたそうです。
この裁判のシーン、クローズアップが多用されています。追いつめる裁判官たちの顔のアップ、責められるジャンヌ・ダルクの顔のアップが画面を覆います。
見ていくうちに、ジャンヌ・ダルクではなく、ひとりの少女に見えてきます。
罵声をあびせる大人たちの嵐から、いまにも消えそうな心の灯を守るひとりの少女。
映画は、容赦なく裁判の様子を描いていきます。まるでドキュメンタリーを見ているかのような錯覚におちいりますよ。そう見せているのは、監督カール・テオドア・ドライヤーの演出なんですね。
ジャンヌ・ダルク役の女優は、映画出演は生涯この作品一本なんですね。この一本で精も根も尽きたのでしょうか。
ジャンヌ・ダルクの最期の一日だけに焦点をあてたこの作品は心身けずられる映画です。
無声映画というのも、この映画の怖さを演出してます。
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