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アダコテック社員によるNote

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アダコテックの社員が書いたNoteを一つにまとめました!
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#プログラミング

画像解析を高速化させるためのTipsわかりやすくまとめてみた(3)

前回(第2回)は、固定小数点数の話をしました。固定小数点数を使った整数型演算で、割り算を使わない割り算の方法を説明しました。 今回は、前回説明した、割り算を使わない割り算を用いて、前々回(第1回)の整数型での四捨五入を、SIMDの整数型で計算する方法を説明します。 SIMDとはSingle Instruction, Multiple Data の略で、1つの命令で複数のデータに対して同時に並列に演算する手法です。ベクトル演算とも呼ばれます。SIMD命令があるプロセッサには

画像解析を高速化させるためのTipsわかりやすくまとめてみた(2)

前回は、整数型での四捨五入の話をしました。整数型のみで計算をすれば浮動小数点型を使うよりも(ちょっとだけ)速く計算できますよという話でした。 前回の整数型演算の話の延長で、今回は、固定小数点数の話をします。(SIMDの話は、次回以降にします。) 固定小数点数とは通常、コンピュータで小数を表現する手段として浮動小数点数(float型とか、double型とか)で表現しますが、限られたビット数で高速に計算しないといけない場合(画像って8bit整数などで表現されていますよね)など

画像解析を高速化させるためのTipsわかりやすくまとめてみた(1)

こんにちは、こんばんは、はじめまして。株式会社アダコテックの伊部です。弊社では、製造業に向けた異常検知のAIソフトウェアを開発・提供しています。私はそこで、画像処理・機械学習のソフトウェアを開発するエンジニアをしています。 画像解析で検査を自動化する上で、画像認識の処理速度がミリセックオーダーで検査を実行するのが必須で、高速に画像処理・学習・解析をおこなうため、アダコテックでは長年にかけてそこのチューニングをしてきたので、そこらへんのエッセンスをお伝えしようと思います。

並列プログラミングの原則3選

株式会社アダコテックの柿崎です。製造業に向けた異常検知のAIソフトウェアを開発する会社でクラウドサービスなどの開発をしています。会社広報活動の一環としてnoteを使っていこうということで私も技術記事を書くことにしました。 最近アダコテックで開発しているパラメータの最適化モジュールで、インターンの学生さんが書いてくれたコードを全面的に修正しました。マルチコアプロセッサを使った並列処理がなされているのですが、コードレビューをしていくにつれて学びになることが多かったのでこれを題材