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弁護士業務に役立つコーチング① インタラクティブ・リスニング

弁護士業務に役立つコーチング技術について紹介していきます。


今回はインタラクティブ・リスニングです。

弁護士業をしていると、当然依頼者は相談内容についてのアドバイスを求めています。
そのため、教えるという意識が強くなりがちなのではないでしょうか。
しかし、相談内容を把握するにあたっては、きちんとした聞き取りが必要であることは言うまでもないことだと思います。
聞き取りにあたっては、表層的な言葉で理解したつもりにならないようにしないといけないと考えています。
もしかしたら依頼者本人も気が付いていないような気持ちや考え、価値観みたいなものを言語化してもらうと相談内容の把握として一歩二歩進めるのではないでしょうか。

そこで役に立つのがインタラクティブ・リスニングという手法です。
インタラクティブ・リスニングとは、分かった気にならず、徹底的に聞くという聞き方です。
具体的には、「というのは?」「具体的には?」「(やりとりで出てきた気になるワード)ってどういう意味ですか?」等のオープンクエスチョンを、相手の言葉が出尽くされるまで投げかけ続けます。

これが簡単そうに見えて難しい。
・既にアドバイスを開始できるくらい情報が集まった気がしている中で質問を続けるもどかしさ
・相手に「なんで質問ばっかりしてくるんだろ?」「もう答えているんだけど・・・」と思われていないかという不安
・相手が答えてくれるかという不安
・(時間制限がある場合)アドバイスをする時間がなくなってしまうのではないかという不安
・相手の回答が出尽くしたのかの判断の難しさ

こういった気持ちを持ちながら辛抱強く、何か自分が見落としている気持ちや聞き落としている思いがあるのではないかと丹念に質問を続けるのは骨が折れます。

しかし、きっと何回に1回かはインタラクティブ・リスニングをする前と後でアドバイス内容が大きく変わると思っています。

まずは、私の弁護士業務に一番役に立っているコーチング技術を紹介しました。
インタラクティブ・リスニング。単純だけど奥が深いです。

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