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正解は1つではない!?ブラジルとドイツの育成制度の違いが面白い!

Guten Morgen!(ドイツ語で「おはようございます!」)

南米サッカーに関するサイトではありますが、今回はドイツ語で挨拶してみました。笑


ECバイーアを離れて未所属期間を利用してドイツに滞在した時のお話を。


W杯優勝回数はブラジル5回(1位)、ドイツ4回(2位)。
2018年6月7日現在発表のFIFAランキングはドイツ1位、ブラジル2位。

ロシアW杯後には変動あるかも知れませんが、世界最強の名を2分する欧州と南米の雄と言える2カ国。

今回はその育成の違いについて書いていきたいと思います。

同じく頂点に辿り着いた2カ国ですが、その登り方は異なり面白いです。

どっちが正解とかはないですが、どちらも参考にして日本サッカーに貢献したいですね!

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バイエルンスタジアム前

🌟【子供のサッカーグラウンド事情】

筆者は1ヶ月程度のドイツ滞在なので、正直ドイツについて何でも知ってるわけではありません。
ドイツ語も話せません。
また、ドイツは地方分権型の国なので、地域によっても微妙に事情が違うそうです。
ブラジルも人種が様々ですし広過ぎて地域差があります。
そこは理解した上でお読みください。


○ドイツのグラウンド事情

ドイツでは一部のお金持ちのプロクラブだけではなく、街クラブも綺麗な天然芝や人工芝グラウンドが広く普及していました。

それは行政がお金を出して作っているのだそうです。
指導者も基本的にはボランティアやバイトで、街クラブだけでなくブンデスリーガのクラブでも育成年代のサッカー指導者だけで生活している方は部分的で、むしろ日本より少ないみたいです。


ただそのお陰か、子供達はほとんど無償でサッカーが出来る環境が広く整っていました。


グラウンドが整備されているだけではなく、ロッカールームもあったりクラブハウスも行政が建てていて、良い環境が浸透しているのはやはり社会としてスポーツを有効活用しているのだなと思います。


日本人だと普段欧州のビジネス的にも華々しいTOPチームを見る機会が多いはずなので、育成年代の仕組みは少しイメージと違う部分もあるかも知れませんね。

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街クラブグラウンド


○ブラジルのサッカーグラウンド事情

ブラジルだと行政がお金を支援してくれることもありますが、ただブラジルは広大過ぎる土地があって、国としての資金力もドイツや日本に比べて劣る事情があります。


ブラジルは日本の約23倍広く、例えば私が昨シーズンお世話になったバイーア州だけでも日本の約1.5倍の面積があります。


ドイツや日本ほど交通網も発達していなければ、家庭によっては交通費を払うお金がありません。

そうすると子供達みんながサッカーをするためのグラウンドを行き渡るように作ろうにも、限界があります。


ただその分はストリートサッカーで何処でもプレー出来るという点で、国中がグラウンドと捉える事も出来ます。


また、クラブにしてもブラジルは育成年代からプロの側面があります。
ブラジルにはプロクラブが約800クラブと圧倒的に多く、良い選手を育ててBIGクラブに移籍させる事でお金が得られるので、子供からお金を取るのではなく、むしろ投資としてクラブ側がきちんとグラウンドを用意し、自前レストランで食育もしていく、という流れがあります。


普段TOPチームだけが注目を浴びるので意外かも知れませんが、育成年代においては社会性のドイツ、ビジネス性のブラジルという側面を感じました。

面白いのは、ブラジルはやはり車に轢かれる危険性なども考えて、もう少しストリートサッカーだけでなくグラウンドが整備されて欲しいという要望も多少あるのに対し、ドイツではシステマチックなだけでなくストリートサッカーの様な遊びや自由の部分を取り入れようという意見もある事です。

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ブンデスリーガ SCフライブルクの練習場

🌟【育成年代のプレー人数の違い】

ドイツでも地域差があったりはするみたいですが、フライブルク市では
9歳まで・・5人制
11歳まで・・7人制
13歳まで・・9人制
14歳以上・・11人制

というプレー人数の分け方をしています。


また他の地域では、同じ年齢の子供でもチーム毎にレベル差があるので、1部リーグでは11人制だけど2部リーグ以下は9人制にするなどの、レベル別の分け方をする事もあるそうです。


ドイツでもここまで細かく分けたのは近年なので、ある程度テスト期間の様な所もあって、もしかするとこの制度は今後微調整が入る可能性もあるそうです。

一方南米。
南米は基本的に"サッカーは"どの年代でも11人制です。


ただしガチガチに決められているわけではありませんが、ブラジルでは5人制のフットサル、アルゼンチンでは6人制のバービーからスタートしてサッカーに移行していく事が多く、またストリートサッカーでその都度人数が変わるという感じになります。


ストリートサッカーであれば自分達のレベルに合わせて自然と最適化するという意味では1番良い制度にもなり得ますし、クラブほどキチンと連絡網があるわけではないので人数が集まらずにずっと少人数になってしまう場合もあるかも知れません。


制度としてしっかり最適解を模索して整備されているドイツと、自然に最適化されるブラジル。


協会主導で制度化するとどうしたって子供のレベル差や成長スピードの違いはあるので、かなり多くの子供にとって最適解に近くはなるけど、本当の最適解には辿り着かないという面があるかも知れません。


子供主導にすると自然に自分達の成長に合わせた最適解に近付き易くなる集団もあれば、単純に仲間が集まらなくていつまでも最適解から遠いサッカーをする事になる集団もあるかも知れません。


双方にメリット、デメリットがあるのかも知れませんね。

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冒頭でもお話ししたように、ブラジルもドイツも地域差など多様性がありますし、一概に言えない部分もあります。

また、筆者のドイツ滞在は1ヶ月程度なので、もし間違いなどあれば教えてください。


ただブラジルとドイツ、お互い違う道を登りながらも、お互い世界の頂点に辿り着いた両国。
星の掴み方の違いは面白いですね。

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