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#22 Mr. Childrenのミックスとは田原健一の音量と位置のことだ。 1992–1995編。

23/04/10: 600 views達成!皆様ありがとうございます!
好評につき一部リニューアルしました。

僕にとってのミスチルとは5割くらいは田原さんである。
ともかく田原さんが好きなのだ。田原さんの話を人とすることはほぼないので、実際に口にしたことはほぼ無いが、とにかくミスチルの魅力は田原さんで出来ている…と言うと言い過ぎだと思うけど、田原さんで「埋まっている」こんな感覚がある。

田原ファンによるブログは結構簡単に見つかる。ギターの種類等に着目した良記事が多く、田原ファンの愛が伺える。

ライブの田原さんも良いが、音源で田原さんのギターフレーズを追うのが好きだ。前述のブログにも出てきて全く同感なのだが、田原さんのギターは常に歌に寄り添う。絶対に歌を邪魔することはなく基本的には歌のフレーズに「返事」をするように響く。テクニカルで繊細という意味ではなく、結構荒っぽくリズムもブレるのが特徴だ。ゴツゴツと骨太なのに、ささやかで愛らしいギターフレーズ。

さて、ミスチルの歴代シングルでどれが一番好きか、それを決めるのはきっと大変だろう。ファン同士で論争にもなるだろう。ここで一つ、「田原度」だけでミスチルの歴代シングルを評価するという軸を提案したい。これさえあればどの曲から聴けばいいのか、どの曲から薦めればいいのか、どの曲をカラオケで1番に入れればいいのか一目瞭然である。

今回はミスチル最初のベスト、「Mr. Children 1992-1995」に収録されているシングルを見ていこう。大ヒットシングルばかりである。


君がいた夏 ★☆☆☆☆
いかにも小林武史というアレンジで、1番からやり過ぎている感がある。ミスチルが売れるようになるまでの流れは「桜井の作曲の変遷」のように語られることが多いが、小林によるアレンジの進化がむしろ一番大きい気がする。ギターは匿名性が高く田原感はない。

抱きしめたい ★★☆☆☆
田原手法の一つ「1番はお休み」。
この曲はギターの役割が限られていて、こういう曲だと田原のオリジナリティは発揮されない。左耳フレーズはBメロに登場し、単音でハードな進行を表現する。最後のサビに入った時のハード過ぎるスライドの入りが一番の聴きどころ。


Replay ★★★☆☆

左耳から始まるAメロの単音トレモロがめちゃめちゃ良い。サビでかかる中央のパートも田原で、この頃のミックスはギターだけでも3パートに分かれるのが特徴的だ。


CROSS ROAD ★★☆☆☆

Aメロは左耳にしてはかなり存在感を放つカッティングだが、まだ音色は洗練されていないように思う。右耳からはメインギターフレーズが聴こえるが、こちらもかなりささやか。

innocent world ★★☆☆☆
田原手法の一つ「1フレーズ目はお休み」。この曲自体、Aメロ・Bメロはサビに向かうためだけにあるような部分で、ここをじっくり聴いているファンはあまりいないと思う。サビで完全に姿を決してしまうのが残念なので★2つ。1番と2番の間には流石にイントロフレーズはいらないと思う。

Tomorrow never knows ★☆☆☆☆
田原度からすると凡曲、正直駄作と言っても良いだろう。ここでも「1番はお休み」手法。お休んだ後も基本的にはリズムのバッキングのみで、田原的フレーズは聴こえてこない。

everybody goes ★★☆☆☆
ギター3トラックパターン。リフのトラックとバッキングのトラックが別で録られていて、音色も違う。ライブではずっとクリーンでバッキングし続け、リズムもちょっと緩くなり、そのバージョンなら★3つ。

[es] ~Theme of es~ ★★★★☆
これぞ田原な名曲である。コードを振り下ろす速さ(カッティングなのかじゃらららーんなのか)、これだけで表現出来るのが田原。桜井のギターフレーズの音色も素晴らしい。

シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~ ★★★☆☆
エルビス・コステロ風のカッティングフレーズは良い仕事をしているが、オリジナリティという面ではやや欠ける。


ということでヒットシングル満載の割に、低評価な曲が目立った1992-1995でした。次回は1996–2000編。こちらも「名もなき詩」や「終わりなき旅」が含まれており、期待大です。

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