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#26 好きだったバラエティ番組が終わっていく。

多くの音楽ファンがそうであるように、僕はポップカルチャー全般をこよなく愛している。
そしてその一つがコメディ、いわゆる「お笑い」である。「お笑いを批評する」ことはウエストランド井口さんよろしく大変寒く、そしてそれ以前に非常に難しいことであり、ブログのネタとしてはあまり合っていないと思われる。なのでここは、そのフォーマットである「テレビ番組」、特に「バラエティ番組」の話をしようと思う。


このブログにもいくつか記事があるように、僕は無類の「散歩」好きである。そんなこんなで今日は好きなテレビについて書いてみたいと思ったのだが、そのテーマは「コメディ」「アイドル」「散歩」になる。



ボケの宝庫、「ドッキリロケ」番組

僕の好きな番組を色々考えると、その一つは「ドッキリロケ」だと思う。
ドッキリと言えば、「仕掛け人」がいて「仕掛けられる人」がいて、主に隠しカメラ等を使って極端に「怖い状況」等を仕掛けていくのが定番だが、このフォーマットはあまり好きではない。
ドッキリロケは、「ニセのロケ番組」「ニセ企画」という体を取り、「裏では別の目的で事情が進行する」番組である。正直かけられている側が気づいているかももはやどうでも良いような、緩い仕掛けがずっと続く。番組自体の仕掛けが「ボケ」なため、とにかくこの構造が大好きなのだ。


「そんなバカなマン」
中のコーナー、「パシフィック・ヒム」はその系譜でいう最高の番組だろう。全作品のソフト化を願う。新人だった新木優子さんを発掘した回で日村さんが披露した「超ハイテンションな"ロビンソン"歌唱」で完全に心掴まれたし、FODで見ることが出来るフレッシュな「唐田えりか」回、なぜか結構仲良くなる「桜井日奈子」回も超名作。

「そんなバカなマン」(2015–2017:フジテレビ系列)



そして、この系譜を更に「緩く」し、持続的な面白さへと昇華させたのが「トゲトゲTV」だ。仕掛られているツッコミ芸人に、欲しいツッコミワードを引き出してもらうために色々なボケをロケ中に仕込んでいくという、目的も過程も面白い最高のパターン。銀シャリ橋本に「カシューナッツみたいに言うな」というツッコミを引き出させるための様々なボケに笑い疲れた。

「トゲトゲTV」(2020 (「トゲナシトゲアリトゲトゲ」としてスタート)–2023:テレビ朝日系列)


アイドル×ロケ番組

アイドル番組も好きだ。スタジオで行われるアイドル番組も楽しいが、こよなく愛しているのが散歩やロケを通していろいろなミッションが課せられる、緩いアイドル番組。

一つ最高に好きで、ソフト化もされており大満足(やや高額だが)な番組が、「乃木坂どこへ」である。乃木坂4期生とさらば青春の光の出会いのシーンから、深夜番組ならではの「〜本撮り」の精神で進んでいき、ドキュメンタリックにその関係性や成長が描かれていくのが素晴らしい。初回、さらばの事務所である五反田のアパートに訪問した後、みんなでジョナサンに行く件など最高である。どうやってロケの許可をとるのか気になる。

「乃木坂どこへ」(2019 –2020:日本テレビ系列)



そしてその番組の終盤を見届けることができ、すっかりABC-Zのファンになってしまった素敵な番組が「ABChan Zoo」である。彼らの体当たり精神と緩めの企画がとてもよくマッチし、「スカイツリーのフードコードでロケする回」等は、特にこれと言ったことが起きないものの何度も見返してしまう名作。

「ABChanZoo」(2013 –2023:テレビ東京)


「街ブラ」がテレビの精神安定剤

これまでの「ドッキリロケ」も「アイドルロケ」も、その根幹をなしているのが「街ブラ番組」で、もちろん大好物だ。
中でもその「安心感」がMAXに達しているのが「王様のブランチ」だ。長寿番組であること、企画が乱立しても観られるバランスの良さ、「ブランチ週末トラベル」等のちょっとした非日常感も心地よい。中でも「谷原章介の卒業回」というのがあって、谷原自身がロケをしながらサプライズ的に、今までお世話になった人たちと出会っていくという構成で、これの安心感と心地よさで完全に心を持って行かれてしまった。そして絶対にソフトとして残らないこういう番組が最高。


もう一つイチオシだったのが「有吉ぃぃぃeeeee!」。街ブラで有吉とタカトシ、アンガ田中がロケをしながらお土産を調達し、ゲストの家に赴いて料理等を準備した後、みんなでゲームをするという、なんとも幸福な構成。現在このフォーマットがなくなってしまい大変残念なのだが、あんな番組は見たことがなかったため、静かな衝撃とともに、コロナ禍で失われたものとして最も大きいものの一つだと思っている。

「有吉ぃぃeeeee!〜そうだ、今からお前んチでゲームしない?」(2022–:テレビ東京)


今変わりつつある「リアリティショー」

この記事では書ききれないが、もう一つ僕が愛してやまないのが「リアリティショー」で、その契機は「TERRACE HOUSE」である。最近はNetflixオリジナル番組でリアリティショーだらけになっているが、僕が見たいのは「フィクション」と「ノンフィクション」のちょうど間のリアリティショーであり、その演出が一番好きだったのが、テレビ放送時代、「てっちゃん」が引っ張っていた頃のこの番組であった。

「TERRACE HOUSE」(2012–2014: フジテレビ系列)



いずれにしてもドキュメンタリックかつ、その裏が読み取れるようなものをテレビでは見ていたい。
「ガチ」か「ヤラセ」かなど、全く問題ではない。
とにかく今後も、面白いことを仕掛けてくれる製作者が自由にテレビ番組を作ってくれると嬉しい。




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