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【Race Report】全日本選手権MTB

大会名:第36回 全日本自転車競技選手権大会-マウンテンバイク

開催日:2023年7月8,9日

会場:長野県・富士見パノラマリゾート

天候:曇り時々雨

コースコンディション:ウェット

カテゴリー:XCC   ME
                    XCO   MU23

コース:XCC   1.00km × 6Laps = 6.00km
              XCO   1.20km + 4.20km × 5Laps = 22.20km

リザルト:XCC  15位  XCO 7位



-使用機材-

ホイール:DT Swiss XRC 1200 Spline 30

株式会社マルイ様より

ドロッパーポスト:DT Swiss D 232 One


バイク:Canyon Lux World Cup CFR


タイヤ:XCC  Maxxis Aspen 29×2.25  1.4ber
             XCO  Maxxis Ikon, Ardent Race  1.25ber


グリップ:Ergon GXR Team


ウェア:Sunvolt S-Ride Pro パフォーマンスセパレートワンピース


グローブ:Sunvolt S-Ride エアログローブ


ボトル:Beke






1年に1回しかない全日本選手権が今年も開催された。この大会で結果を残すために計画を立てて準備してきた。選手権のタイトルは誰もが欲しいものでありそれだけ周りの熱量も大きい。簡単じゃないからこそ全力で掴みに行こうと決意し3度目の挑戦に挑んだ。

今年の全日本は富士見パノラマで開催された。富士見での全日本はジュニア以来で懐かしい気持ち。久々の富士見でのレースは楽しみだった。今年はXCOとXCCの連日開催でタフなスケジュール。XCCは出ない選択肢もあったが、近年相性の良いXCCのタイトルを狙いたかったので迷わず参戦することを決めた。

金曜日の夜移動し土曜日の朝会場入り。2日間雨予報で初日もパラパラと降っていたがレースには影響しないほどだと感じていた。まず会場に着いて驚いたことはスタート、フィニッシュ地点が芝生の場所になっていたこと。自分の記憶だと砂利がいつもの富士見というイメージだったので新鮮だった。

XCCは小学生の頃に毎年参戦していたシマノバイカーズのコースレイアウトに近い感じで圧倒的パワーコース。芝が非常に重く、雨でコーナーが滑りやすくなっておりタイトなコンディションになっていた。少しでも転がり抵抗を軽くするためにタイヤはAspenを選択。2.25サイズをチョイスしスピードに特化した仕様で挑んだ。


📷@yuki_asato

スタートは2列目の左側から。少しでも早く砂利路面に入るために左側を選択。スタートはクリートキャッチをミスし、さらに他の選手らが左側に寄ってきたことによって、ほぼ最後尾まで落ちてしまった。周りを見ると北林選手もスタートを失敗していたようで同じ位置にいることを確認。北林選手は確実に先頭に追いつける強さがあるので引っ張ってもらおうと張り付くことを意識した。

📷@kazutaka_inoue

一つのミスが命取りになるXCC。スタートでの失敗で大きな差がついてしまったことに焦っていたが悔やんでいる暇はないと前を追った。2周目に入った時のジープロードで北林選手が飛んでいったので着いていくことができず自分のペースで追うことにした。身体は動いてる感覚があり呼吸も落ち着いていた。先頭との差は大きいが離されているわけではないので集中。

📷@hawk1108

3周目に入りペースアップを図った。しかし先ほどまでは身体もついてきていたが急に心拍数が高くなり苦しくなった。ゼーゼーハーハー状態。苦しくなった時こそ呼吸を意識してリカバリーを心掛ける。しかし距離、時間も短く、スピードの速いXCCではリカバリーをしている時間なし。登りではしっかりとペダルにパワーを乗せることを意識して少しでも前にと踏んだ。

📷@ta_do

5周目に入る頃には完全にオールアウト状態。ペースダウンは明らかで踏む力も残ってなかった。このまま踏みやめてしまえば完走できないほど先頭のペースが早かったので諦めずに最後まで踏ん張る。脚よりも心拍の方が格段にキツかったので呼吸を整えつつ集中力を切らさないように走る。苦しいけど皆条件は同じと思い自分を最後まで奮い立たせた。

📷@k.kazuma

最終周回に入りなんとか完走は確定。最後はもう心拍バクバクで身体に力が入らなかった。登り後の立ち上がりで踏まないといけないのにキツくて全く踏めなかった。課題だなと思いつつもレース中なので最後まで気を緩めず。最後まで沢山の声援をいただいた中でフィニッシュを迎えた。15位でゴール。

📷@yuki_asato



ここ2年の全日本XCCの結果から振り返ると15位というのは悔しい結果。スタートのミスを悔やんだが、同じ位置にいた北林選手は先頭に追いついた後、圧勝しているので力の差を感じつつ言い訳にしかならないと思った。強い選手はどんな時でも勝てる。まだまだ実力不足だと痛感。だが明日は本命のXCO。今日の悔しさは明日にぶつける機会があると気持ちを切り替えた。今日身体に強い刺激を加えることができたので明日は身体がしっかりと動いてくれるはず。脚の疲労感は感じなかったので問題は心拍。MTBの高強度に耐えられるかが鍵になると感じた。


翌日。スッキリ目覚め、XCCの疲労感は感じることはなかった。気分も良くレースに向けての集中も良い感じだと早くレースをしたい気持ち。会場に着くと雨でタイヤの選択に悩む。もともとはIKONとARDENT RACEの2種類で行くと決めており路面の状況に応じてレースで走るタイヤを決めようと考えていた。ユースやジュニアの泥の感じを見てフロントにIKON、リアにARDENT RACEの組み合わせで走ることに。フロントは少しでも転がり抵抗を軽くするためにIKON。リアは泥のコンディションの中少しでもトラクションをかけやすくするためにARDENT RECEをチョイスした。

XCOはU23でエントリー。エリートと同時スタートでU23はまたしても最後尾スタート。スタートループで如何にエリートを抜くことが重要になってくるかがキモになると考えていた。しかし欲を言うと大事な選手権なのだからU23だけで、100歩譲って分差スタートにしてもらいたかったな。天候も雨は止んでいて落ち着いていた。集中力を上げてスタートへ。

📷@kato

スタートはXCCの反省を得て右側を選択。しかし今回これがミスでスタート直後左からのラインの方がU23の選手が駆け上がっていくのが見えた。落ち着きつつエリート選手をパスしていってスタートループを終え1周目へ。後のことを考えながらもペースを上げた。シングルトラック内では思ったよりもドロドロした感じではなかった。ライン取りを上手くすればリアもIKONで良かったかと感じたが選択したことに後悔はないので狭いシングルトラックの中でも声をかけて順位を上げていった。

📷@ta_do

2周目へ。淡々と順位を上げていけたものの昨日と同じように呼吸が苦しくなってペースアップが厳しくなった。ただやはり脚はダメージがないと感じていたので掛水やドリンクで補給して身体を落ち着かせることを意識。本当に心拍がキツく序盤から苦しい展開が続いた。余計なミスを無くしてロスを減らすことを心がけた。雨の影響で下りは滑りやすくなっていたので最適なラインと慎重性をとにかく重視。

📷@kato

3周目。心拍がずっと苦しくて中々思った通りに走れない状況が続いた。しかし思考はクリアな状態で今の現状を俯瞰して考えてることができていた。荒れた息を整えることに集中して身体が回復するのに時間を費やした。そしてペダルにはしっかりと体重を乗せてバイクを前へ前へと進めた。

📷@ta_do

4周目。身体が少し回復したのでペースアップを試みた。脚はダメージがないと感じていたので呼吸だけ整えることを意識して前との秒差を縮めていけた。アンダーの選手を1人パスしさらに前を捉えることができた。沿道からの沢山の応援が自分を奮い立たせてくれる。本当に嬉しいことでこのままでは終われないと同時にこの位置で走っている自分が悔しい。

📷@kazutaka_inoue

最終周回に入り、最後まで自分の力を出し切ることを意識していた。今日結果が出なくても次へ、来年へと繋げるために。ミスすることなくゴールラインまで全力を尽くせた。今年も7位でフィニッシュ。

📷@hawk1108


目標としてたレースで結果を残すことができなかったが、全力を尽くせた。出し惜しみのないほどに走れたのでこの結果に悔いはない。ただ優勝ためにはまだまだ実力不足だった。悔しいけれど今の現状を受け止めて来年に向けてフォーカスしていくことが大事だと思う。

・インターバルトレーニング
・バイクコントロール
・スタミナ

今回のレースで感じた課題。脚には全く問題はなく力負けしない自信はあった。しかし問題は心拍。MTBの高強度なレースには心拍が全く対応できなかった。ロードでは長時間乗る練習が多くて最近は中々インターバルトレーニングができていなかったと振り返る。自分が調子の良かったジュニア時代はインターバルトレーニングや低酸素トレーニングを取り入れていたので心拍には不安がなかった。もっとMTBに特化したトレーニングが必要だと痛感した。同じ自転車競技でも全くの別物だと。効率よくトレーニングするためにも来年に向けて入念な計画を練りたい。

今回のレースで本当に沢山の応援をいただいた。改めて沢山の方から支えてもらっていることを理解した。このままじゃダメだと、もっと強くならなければと痛切に感じた。来年はラストのアンダーカテゴリー。全日本選手権での悔しさは全日本選手権でしか払拭できないと考えるからこそ、この1年もう1度トレーニングを積んで日本の頂を目指します。

沢山の応援、サポートありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。

立命館大学自転車競技部
高本亮太



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