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【Race Report】2023全日本選手権トラック競技

大会名:第92回 全日本自転車競技選手権大会 トラックレース

開催日:2023年5月13日

会場:静岡県・伊豆ベロドローム

カテゴリー:男子エリート  スクラッチ

コース:予選  7.5km  /   決勝  15km

リザルト:予選通過  12位   /   決勝  DNF



-使用機材-

バイク:Cervelo T4

ホイール:F  Realize  /  R  Campagnolo Ghibli

タイヤ:Vittoria Pista Control

空気圧:11ber

ギア比:54-14

ウェア:Sunvolt S-Ride クロスワンピース

グローブ:Sunvolt S-Ride エアログローブ



レース動画

予選 44:00〜 /  決勝 4:34:40〜




2023シーズン1つ目の全日本選手権。初の全日本トラックで世界と渡り合っている方々と日本一を競い合えるレースに参戦することができて非常に楽しみにしていたレース。今回競技人生において貴重な経験ができた。圧倒的な力の差を見せつけられたがそれでも来年もまたこの舞台で走りたいと強く思う。

全日本トラックは様々な種目があり計4日間あり自分はスクラッチのみの参戦なので2日目だけ。大会1日目に会場入りしたが会場の雰囲気に強い衝撃を受けた。MTBやロードレース、シクロクロスの全日本選手権の雰囲気と全く違う熱気や迫力に興奮した。その時ちょうどチームパシュートの1-2位決定戦が行われていたが意味が分からないくらい速い。初っ端かな圧倒された。動画で見るのと生で見るのは全く違う。動画だけじゃ実際の雰囲気や熱気、スピード感など現地でないと分からないことは沢山ある。実際のレースを見ることの価値は非常にあるな。ローラーで脚を回しつつその後のレースも観戦。

当日の朝だけ試走だったので少ない時間の中久しぶりの250mバンクに慣れるために試走時間をフル活用。3回ほどハロンをかけてスピード感やカーブでの横Gを体に覚えさせた。疾走感が凄くやはり個人的に250mバンクが1番楽しいと思う。板バンクは滑りやすいが去年走っていたのですぐに身体に馴染んだ。ギア比を54-14か55-14かギリギリまで悩んだ結果バンクを走った感覚で54-14に決めた。


予選
あってはならないミスを当日にしてしまい、予選があると知ったのが予選スタート1時間前。自分が確認していたウェブページに記載されたもので更新されたスケジュールがあることを知らず1発決勝だと勘違い。大慌てでアップに取り掛かり15分ほどしか回せなかったが試走で刺激を入れてたため身体はいつもより動いていた。体よりメンタル面が準備できていなかったと感じる。なんとかスタートに間に合わせることができ、スタートへ。同じ組にはBS4人を始め学連でも強い人ばかり。BSの窪木選手は2022世界選手権スクラッチ準優勝していらっしゃる方を始め世界で走っている選手が勢揃い。分かってはいたことだが、全日本選手権に参戦するだけでも難しいのでみんな速いに決まってる。予選を通過するためにBSの動きには注意を払い順位を気にしつつレースを走ることを目標。

ローリング直後からBSの窪木選手がアタック。今まで体感したことないスピードがスタート直後から襲いかかった。レース序盤から全開。えっっこのスピードで行くの、、。序盤から本当もうめっちゃ速い。今までの競技人生で感じたことがないくらい速い。+250バンクの傾斜に身体が持っていかれそう。ゴールまで持つか心配だったが後先考えておられず前だけ意識して脚を回すだけ。その後1回落ち着いたがBSの今村選手のアタックで集団が分裂。直後BSが次々と逃げを追いかける展開となり集団に残されてしまった。というかスピードが速すぎて行かなければならないと分かっていても付いていくことができなかった。逃げに追いついたBSがチームパシュートを始めすぐにラップされた。そのまま逃げていく今村選手や窪木選手にジョインしようと全力で食らいついたが全くついていくことができず単独に。今までにないくらい本気で踏んでるのに余裕そうな感じで抜かれていく。後ろにつこうとしても全然ついていけなかった。結局残りの周回数も少なく単独でゴールした。

ギリッギリで予選通過
レベルの高さを痛感

正直言って予選落ちしたと思っていた。予選から異次元のスピードですでに圧倒された。改めてBSの強さ、世界までの遠さを思い知った。決勝には行きたかったなと思っていたところリザルトが発表され、ギリッギリ決勝に上がることができた。上位12人中の12位。ホッとした。しかし予選で圧倒的な力の差を実感していたので決勝で走れる自信は薄れていた。だがこんな機会はもうそうそう無いだろうと思うので出し惜しみしないで全力で走ろうと気合を入れた。


決勝
決勝までは3時間ほどあったのでゆっくり身体を休めて他の競技を観戦していた。日本記録が次々と出ていく中トラックレベルの高さはすごいなあと感じていた。予選のLive中継をYouTubeで確認したが、動画と実際ではスピードが全く違う。ほんと実際10倍くらい速い感じ。動画ではカメラが選手を追っているからかスピード感が然程感じられないが実際にそのスピードで走るともう本当に速い。速いしか言ってないがマジ速い。それに会場にいなければ分からない雰囲気や熱量を是非皆さんに体感していただきたい。

アップは1時間ほど前からスタート。予選で刺激が入ったというより、限界を超えていたのでゆっくりと乳酸が取れるくらいの程度で脚を回す。予選と違って落ち着いてアップすることができた。そして集中力も上げてスタートへ向かえた。

日本1を決めるレースに。

日本一を決めるレースの決勝はバチバチの空気の中行われた。決勝ではBSは7人に増え予選を勝ち上がった選手。距離も15kmと伸びさらにキツイレースになるなと。レースがスタートし先ほどのようなハイスピードではなかったが普段より速いスピードで進行。BSが序盤からアタックしなかったためが大きな理由だろう。成り行きでオリンピアの橋本選手の後ろについた。速いしバイクの乗り方がめっちゃきれい。自分よりも背が高いのに乗車姿勢は自分よりも低い感じがした。4.5周ほど特等席で走れじっくりと体験させて頂けた。BSの動きに細心の注意を払いつつ大きな動きなくレースは進んだ。残り42周から窪木選手のアタックでレースが活性化。スピードも一気にハイスピードへ。ここからアタック合戦がスタート。先ほどと同じようにめっちゃ速い。ついていくことで精一杯。ペースが緩むことなく巡行ペースが高い。集団後方で走ってしまうことが多かったが後ろから見て集団が生き物のように動いているのが印象に残っている。集団のペースが緩んだ際に前方に上がりたかったが中々上げることができなかった。BSが前方に固まり始めて嫌な雰囲気を感じた時集団でアタック。異次元のスピードすぎて完全に遅れてしまった。7人ほどの集団となってしまい遅れをとってしまった。その後すぐにラップされ残り15周を残しDNFとなりここで半分以上がレースを下された。レース後外から見ていたがBS祭り。ずっと誰かがアタックしていて本当に速い。学連では京産の矢萩選手が食らいついており凄かった。ラスト2周からさらにスピードが上がっておりもう意味が分からん。。人間じゃないな。まさに「強者たちの楽園」。最後はBSの練習会みたいになっていたがそれだけレベルの差があることを意味していた。

決勝は半数以上がDNF
完走すらできず、、

レース後は今までにない疲労感に負われていた。限界を超えたレースをしたからか初の全日本トラックでの緊張が解けたからか。全力を出し切れた結果であり圧倒的に力の差を見せつけられて悔いはない。来年も必ず出たいと強く思った。来年は勝負できる位置までいられるように。本当に貴重な経験ができた。このレースで自分は強くなれると確信を持てた。

レースでの反省点は先頭交代後の位置取りだと感じた。せっかく先頭だったのに中々集団に入るタイミングが分からず気づけば最後尾。その間にBSが先頭でアタックされたらついていけるはずもない。経験不足が顕になってしまったな。もっとトラック競技のレースに参加して経験を積むしかない。それだけでも大きく走りは変わるはずだろう。全日本学生トラックやインカレなど学生の全日本はあるので生かしていければと思う。

最高の機材でレースに臨めた

今回は競技人生の中でも貴重な経験ができた。日本で世界を狙える位置まで来ているトラック競技の全日本選手権を走れたことは大きな財産となった。世界レベルは本当にに異次元の強さ。レベルが違いすぎて話にならなかった。機材も何一つ文句無い最高の状態で臨めた。沢山の方々に感謝申し上げます。また来年も参戦するためにトラック競技を頑張りたいと誓う。これだけ熱くなれたのは久々。この経験をMTBやロードレースに活かせるように。

現地やLive配信での沢山の応援ありがとうございました!

立命館大学自転車競技部
高本亮太

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