イチャンドン監督オアシスをみる

イチャンドン監督オアシスをみる。

韓国の映画オアシスが本当にすごい。

これはペパーミントキャンディーをみた後だから、なおさらかもしれない。

ペパーミント~ではもともと純朴な青年があいつが悪い社会が悪いと人のせいにしながら、的なところがふーんとなってしまい、いまいち楽しめなかった。

そのあとでオアシスをみて、ガツンときた。
主人公の青年、ペパーミント~の青年と同じ俳優で役の振り幅大きすぎるだろ。

オアシスの主人公の青年は前科三犯。刑務所からでたところからストーリーははじまる。

真冬に半袖姿、素手で豆腐一丁を食べる、平気で兄の財布からお金を盗む、親族の会合で場違いな話でひとりバカ笑いする。と、かなり浮くタイプ。

が、こまかくみるとなけなしのお金で母への贈り物を買うとか、洗濯を手伝うとか、ピュアで自分の気持ちにバカがつくほどの正直さがある。

一方でヒロインは脳性麻痺をもつ女性。狭い部屋でひとり空想の世界でいきている。

そんなふたりのまっすぐすぎてピュアで、なラブストーリー。

まず主演俳優ふたりの演技がずば抜けてすごい。演技がうまいを超越して痛々しいほどに磨きがかかっていてみていて、怖い。

そして映画全般のテーマとして男女、なんとか社会とうまくいってる人と疎外されているひと、正義と悪みたいな対立があって、またそれらが混ざりあって善悪が正反対になったりする。

主人公のふたりは青年の犯罪行為もきっかけの一つとして、次第にひかれあっていく。

まわりの大人は二人を煙たがり、またふたりを利用していく。

ふたりは社会にでても奇異の目でみられるんだけど、ときどき女性目線のファンタジーのなかでピュアな時間を過ごしている。

みているうちに社会とうまく適合できないふたりをとおして、そんな彼らを無意識に差別している、画面を見ている僕自身の目線に気づいて、それがまた痛みをともなう。

ふたりともふたりで生きていく生活を夢みているんだろうと想像できるんだけど、現状のままではその夢はほぼ叶わないってことがわかりすぎて切ない。

みたいな感じで、みたいものみたくないものを混ぜこぜに見せつけられるって感じで、中盤からずっとドキドキしながらみていた。

90年代から2000年くらいって日本でもドラマ聖者の行進とかジョゼと虎と魚たちとか、ハンディキャップをテーマにした作品があったけど、トレンドだったのか。

とにかくオアシスは強烈なインパクトがあって20年以上まえの作品とはおもえない。

ペパーミントキャンディー単体だとふーんだけど、その後このオアシスを続けてみるのはかなりのインパクトを受けると思う。

プライムビデオのKチャンネルを2週間おためしで二作品みれたけど、この二作品みるためだけでも試聴できてほんとによかった。























うちの子ノエルにちゅ〜るをあげます。