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人生で最も心震えたサッカーの試合かもしれない

今日は、現在なでしこリーグ2部の首位を走るJFAアカデミー福島とのアウェイゲームでした。

JFAアカデミー福島は、ご存知の通りJFAが牽引する中高生年代のエリート育成機関で、男子だけでなく女子チームもあります。今日のスタメンの平均年齢は16歳(大和シルフィードは24歳)。
ただ先日の皇后杯でベスト4に残ったうちの2チームが中高生主体チームだったことからもわかる通り、年齢の差は女子サッカーにおいて大きな優位性にはなりません。実際、試合序盤は相手の技術の高さにボールを奪えず、拾えず、前半の早い時間帯に素晴らしいシュートを決められてしまいました。

2連敗している状況からも、そこから崩れてしまう最悪のケースも頭をよぎりましたが、ピッチに立つ選手も、ベンチの選手も、スタッフも、誰一人下を向かず、黙らず。
アンカーの選手がうまく落ちてビルドアップに加わる形から、サイドの良い位置で前を向けるようになり、大和シルフィードらしいサッカーで盛り返して行きました。そして、前半の終盤、コーナーキックからこぼれ球を押し込み同点、そのままハーフタイム。

後半は、JFAアカデミー福島の技術の高さに引き出されるように、大和シルフィードも一歩も引かずに素晴らしいパスサッカーやサイドからの崩しを展開。双方がクロスバーやポストを叩く惜しいシーンを作りながら、これまで見たことないようなスピード感、強度、戦術的展開の中で、心震える攻防が繰り広げられました。

そして迎えた後半34分。細かい崩しとダイナミックな突破が組み合わさって左サイドの最も深い位置からクロス、中で豪快に決めて勝ち越し。歓喜。
そこから優位にボールを保持しながら進めているように見えた中で、後半41分、ゴールキーパーの足元からかっさらわれ、失点、同点。落胆。
それでも諦めず、後半43分に獲得したフリーキックからヘディングが決まり再度勝ち越し。歓喜爆発。
しかし。後半44分に相手の素晴らしいシュートを決められてしまい再度の失点、同点。呆然。

そのまま試合終了となりました。

勝っていれば「人生のベストゲーム」でしたが、同点だったので、「人生で最も心震えた試合」になりました。

勝たなければいけない試合だった以上、何も肯定されることはありませんし、肯定してもいけません。優勝を目指す我々には、勝てなかったという結果以外の評価は存在しません。

それでもこの試合は、男子とか女子とか関係なく、プロとか2部とか関係なく、サッカーの試合として最高の価値があったと断言できます。
それはやはり、相手のJFAアカデミー福島のレベルの高さやクリーンさがあってこそなのですが、何よりも一歩も引かずに攻め続けた大和シルフィードの選手、スタッフを心から誇りに思いますし、このようなチームが最後に報われるべきだと本気で信じています。

女子サッカー、すごいですよ。
大和シルフィード、すごいですよ。

カンプノウで開催される女子サッカーになんで9万人も集まるのか、不思議に思う人はぜひ一度、観にきてください。

このあとは、5/15に約1年ぶりとなる我々のホームスタジアム「大和なでしこスタジアム」での試合、そして5/28には女子サッカーでは初となる「日産スタジアム」での試合開催です(その経緯はまた追ってこちらで記載します)。

いずれの試合も、招待券はほとんど発行していません。
チームがこれだけ闘っている中で、フロント(クラブ)も逃げるわけにはいかないからです。
しっかりとチケットを有料で買って頂いて、その上で金額に見合った価値のご提供ができるように運営面も全力を尽くします。

それにしても、悔しいですね。
人生のベストゲームは、今シーズンのこの先で。

(プロの女子サッカークラブって、どうやってつくればいいんだろう。)

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