見出し画像

プロの女子サッカークラブって、どうやってつくればいいんだろう。

2020年10月、なでしこリーグに所属する「大和シルフィード」という女子サッカークラブの運営母体となる株式会社を新たに立ち上げ、クラブの『プロ化』に取り組んでいます。

起業して初めて迎えた2021シーズン。コロナの影響は大小様々でしたが、最も深刻だったのは、いつも練習で使用しているフルピッチのグラウンドがシーズンの大半に渡って使用できないということであり、つまり自前の専用グラウンドを保持していないという小さな街クラブの脆弱性を正面から突き付けられたことでした。

(コロナの影響は、それ自体が直接的なネガティブというよりは、こうした潜在的な、もしくは実はここ数年で顕在化していたであろう脆弱性がより露わになったという点にありました。)

終わってみれば、なでしこリーグ1部で最下位となる12位。その後の入替戦にも敗れ(第1戦1-0、第2戦0-2)、2部降格。オンザピッチでは散々な、受け止め難いシーズンとなりました。

もちろんサッカークラブである以上、サッカーの結果からは逃げられないですし、どんな理由を語ろうとも結果が全ての世界です。負けに不思議の負けはなし。少なくとも自分はそうした世界に身を置いて生きてきました。でも、降格が決まってからの約2ヶ月間。ほぼ毎日のようにパートナー企業を訪れ、神奈川県内の各自治体や学校をまわり、少しずつリアルな機会が回復してきた地元の各種会合にもお邪魔し、ファンの方からの声を聞き続けて、そして痛感したことは、オンザピッチの結果と同じくらい、もしくはそれ以上に、クラブを応援してくれている人たち、これからクラブを支えようとしてくださっている人たちにとっては、

「クラブはどれだけ前進したのか。」

「クラブと我々が共有しているビジョンはどこまで実現に近づいたのか。」

という部分での共感や納得感が大切だということです。

そもそもこのことは、自分自身が大和シルフィードのプロ化を目指すと決めた時に、選手や関係者に最初に語ったことでした。フットボールが強くなることはもちろん、ビジネスとして自立して稼げるようになる事業力、そして女子サッカーの力を使って社会をより良くすること、地域の社会課題と接続することで新たな価値を創出する社会連携力。どれだけクラブが小さい時期でも、今この時から、この3つにフルコミットすること。「トリプルコミットメント」が起業の、そしてプロ化の中心であると話しました。

にも関わらずこの2ヶ月間は、その自分自身が一番、フットボールの結果以外のこと、クラブが何を目指し、今その過程のどこにいるのか、を周囲に伝えることを怠ってきたのではないか。そんな反省からの第一歩として、このnoteを書き始めてみました。

固めのIR系発信以外にも、パートナー企業向けのメルマガ、サポーターズクラブ向けのメルマガ、クラブのSNSなど、今年は様々なタッチポイントで、経営トップとしての言葉をアウトプットしていく量を増やしていこうと考えています。そのほとんどを、拡散を狙うというよりは、足元にあるコミュニティ向けの、ごくごくインナー向けの内容にするつもりです。

(とはいえ、当たり前ですが多くの方にとってはフットボールをどうしていくのか、どうやって2部で優勝をしようとしているのかも極めて大事な情報であり、プロモーション要素なので、そのあたりはバランスと役割を見極めつつ。)

そして数あるツールやプラットフォームの中で、このnoteをどういった位置付けにするのが良いのかは全くこれからの試行錯誤ですが、なんとなくのコンセプトとしては、冒頭タイトルの通り、「プロの女子サッカークラブって、どうやってつくればいいんだろう。」ということにしようかと。

有益な情報も、刺激的な舞台裏も出てきませんが(たぶん)、大和シルフィードという小さな街の女子サッカークラブがプロ化していくプロセスというのは、国内外でもほとんど例を見ないことだと思うので、正解が見当たらないこのプロジェクトの、決して良いことばかりではない悩みや進捗を共有する場にしつつ、クラブに関わる全ての人が、自分が所属している、応援している、支えているクラブを理解して、小さな誇りを抱けるように。

さて。

プロの女子サッカークラブって、どうやってつくればいいんだろう。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?