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子どもがいかに活動しやすい空間を創造できるか

世界中の幼稚園を繋げこどもの未来を創る建築家の藤井亮輔です。

mission
「世界中から保育園・幼稚園を選べる世界に」
vision
「世界中の子供たちが友達になれる世界」

こんにちは。
今日は、私が2020年5月に出版した「天才を創る環境」から。

引き続き「体験と体感が大事」の章を進めます。


いかに活動しやすい空間を創造できるか

私は、設計という立場で集中できる空間などたくさんのお話を聞きますが、東京の立川市にあるふじようちえんの加藤園長先生に出会って、こどもにとって必要な空間ではなく、こどもがいかに活動しやすい空間を創造できるかがキーポイントだと教えていただくことが出来ました。

また、ふじようちえんのドーナツ型の園舎で遊んでいるこどもは、端っこという概念がないため、走り出したら、延々と周り続けます。この走る距離は、幼稚園や保育園でサッカー教室を教えているこどもの3倍の距離になるそうです。

サッカーという競技でこどもたちの身体能力を向上せずとも、こどもたちの追いかけっこなどの遊びを通じて身体能力を向上させる事が出来ると覚えて頂けると嬉しいです。よく言われるので、お答えしますね。

建築物は、こどもたちにとって遊びの道具の一つだと感じて頂ける人は少ないのが現状です。内部空間をこどもたちの遊び道具として考えている方はたくさん増えてきておりますが、まだまだ建物という認識が多いのが現状です。
私もそうでしたが、アニメでもよく登場したと思いますが、屋根の上を歩いたり走ったり出来る。という事をなかなか理解できにくい。

でも、屋根の勾配を緩やかに設計すれば、こどもたちは、その上で遊ぶ事ができます。他にも、こどもの視覚、触覚などの感覚を建物から感じられることも出来るのが理解できると思います。

木造でしたら、日本家屋を体験した人と、普通の木造(最近の戸建)でしたら感じかたが全然違います。どのあたりが違うと思いますか。

まず、一番最初に出てくる言葉は、
「木の匂いを感じられてすごく、気持ちいがいいです。」これってよく聞くフレーズだと思います。でも、最近の木造(最近の戸建)では感じられる事ができても、最初だけなんです。いわゆる新築時だけ。

なぜなら、材料として使用されている木は床のフローリングだけ。というのが多いですよね。しかし、日本家屋は、柱、梁、屋根(茅葺)など、構造という言われる部分がそのまま、表現されています。

何が言いたいかと言いますと、木造は木造でも、柱、壁、梁を隠す手法が取り入れられているため、感じる事ができないのです。これって惜しいですよね。

しっかり、木造で建築されているはずなのに、感じるのは床のフローリングだけ。大半のお家がこのような状況なので、施設の方々にもよく言われるのですが、こどもを預かる側としてなるべく家庭環境の延長線という回答で、かつ温かみのある雰囲気にしたい。なので、床はなるべくフローリング。しかし、ここでいつも疑問が生じます。なぜ、フローリングなのか。

次回は、引き続き素材について。「子どもの五感を大切に扱う環境」について述べていきます。

建築家・教育者・著者・講演者
藤井亮輔

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