漫才 | 特技

ツッコミ:最近物価が上がってて生活が大変なのでバイト増やそうと思ってて。
ボケ:へぇー
ツッコミ:何件も応募してるんだけど、全然受からなくて。
ボケ:まじ!おれバイトの面接落ちたことないよ。
ツッコミ:羨ましいなー。何かコツとかあるの?
ボケ:いま履歴書持ってる?
ツッコミ:持ってる持ってる。
ボケ:俺が添削してやるよ。
ツッコミ:(履歴書を渡しながら)履歴書を直したぐらいで受かるかな
ボケ:甘いな。俺が絶対に受かる履歴書の書き方を伝授してやる。あーどれどれ。これはぜんっぜんダメだわ。
ツッコミ:どこが?
ボケ:この特技の欄、なんて書いてある?
ツッコミ:「けん玉」だね。
ボケ:それだけ?
ツッコミ:それだけってどういうことよ
ボケ:けん玉でこんな難しい技できますとか、大会で優勝しましたとかないの?
ツッコミ:ないね
ボケ:(でかい声で)じゃあ受かんないね
ツッコミ:そんなに特技の欄って大事なの?
ボケ:そこでアピールすることがないような奴はうちにはいらない
ツッコミ:別にお前に雇ってもらうわけじゃねえし。お前だったら特技になんて書くの?
ボケ:例えば「ボーリングで5回連続でストライク出したことあります」とか
ツッコミ:まじかよ。めちゃくちゃボーリングうまいじゃん。今度見せてよ。
ボケ:OK、OK。今度ボーリング行ったらな。あとは「綱引きがめっちゃ得意です。3対1でも勝てます。」とか
ツッコミ:その特技は披露する機会滅多にないね。まずあの綱を用意するのが大変だわ。
ボケ:綱さえあれば見せてあげられるのになー
ツッコミ:ほかには?
ボケ:「徳川将軍全員の名前言えます」とか
ツッコミ:いま言ってみてよ
ボケ:それはほら。いまやると時間かかっちゃうから。ね。また今度のほうがいいよ。
ツッコミ:そんな時間かかんないだろ。たかだか15人の名前いうだけだろ。
ボケ:まあまあまあまあ。
(間)
ツッコミ:お前ほんとにできるんだよな?
ボケ:(食い気味に)できるよ。なに疑ってんだよ。
ツッコミ:いや、さっきから付き合いの長い俺でも知らないような特技ばっかりあげるから。
ボケ:しょうがないだろ。それが特技なんだから。
ツッコミ:怪しいな。ほかには?
ボケ:「なわとびの3重とびを5回連続で飛べます」とか
ツッコミ:あ、そういえば俺縄跳び持ってるわ
ボケ:え!!
ツッコミ:(ポケットを探って)ほら!
(しっかり間をとる)
ツッコミ:これで跳んで見せてよ。
(ここでも間をとる)
ボケ:うーーーん。これは俺の縄跳びじゃないからなぁ。
ツッコミ:失敗してもいいから見せてよ
ボケ:昨日食べ放題行ってドカ食いしちゃったからなぁ。
ツッコミ:1日でそんなに太らないでしょ
ボケ:うわ!紐の色が緑じゃん。今朝見た番組でアンラッキーカラーが緑だったんだよなー
ツッコミ:朝の番組でアンラッキーなカラーを発表してるとこ見たことないけどなあ
ボケ:いまスーツ着て・・・
ツッコミ:(食い気味に)早くやれよ(縄跳びをおしつける)
ボケ:しょうがないな。(ジャケットを脱いでツッコミに渡す)じゃあいきます。
(3重とびを5回跳ぶ)
ボケ:ほら
ツッコミ:出来るなよ。
ボケ:えっ
(間)
ツッコミ:お前はバカなのか?!ここは失敗して「やっぱりできねえじゃねぇか」で終われただろ。跳べても跳ぶなよ。
ボケ:お笑いって難しいな
ツッコミ:何年目だよ
ボケ:お笑いは特技じゃないみたいです
ツッコミ:もういいよ
二人:どうもありがとうございました

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