2020年まとめ(下)
年が明けてしまいましたが、2020年後半を振り返っておきたいと思います。(上)を書いていて思ったのは、「誰かに読んでもらう前提じゃないとモチベーションが続かないや」ということでした。恐縮ながら、読んでいただくことで自分をドライブしております。
7月 業界地図+αで死にかける
6月後半から引き続き、7月も業界地図の編集で大忙しです。出ました、2度目の「死にかける」。
そんな中、7月9日、株主総会で提案が通らなかったコロワイドが、大戸屋に対してTOBに乗り出しました。担当企業がTOBする/されるというのは初めての経験です。よりによってこのタイミング...。
コロナ禍でBSが痛んでいる大戸屋にかなりのプレミアムをつけましたから、のれんが大きくて危険という話です。
有志の従業員によるTOBへの反対表明なんてこともありましたが、資本市場では力及ばずでした。
7月後半になると、業界地図の編集は終盤です。
データ集である業界地図の編集は、まずは数字や事実関係などファクトチェックの嵐。現在でも紙にすべて印刷して、手でチェックをつけていくのが一番やりやすいです。弊社でも在宅勤務の人が大半の中、業界地図の編集メンバーは連日顔を合わせていました。
説明文が妥当か、わかりやすいか。その業界に載せる企業に過不足はないか、レイアウトは適切か。天気予想、オススメ情報源、グラフも1つ1つそれで本当にいいのか、確認を進めていきます。
四季報センター長が差し入れしてくれたモンスターとリポビタンDには、ほぼ毎日お世話になりました。あんなにたくさんあった栄養ドリンクを、3人でちゃんと全部飲みきったのが、過酷さを物語っています。
8月 資本論&サイゼリヤ
7月のタイトルで「業界地図+α」とつけましたが、8月のアウトプットに向けた仕込みも着々と進めておりました。とまあ、軽く振り返っていますが、マジでしんどかったです。
8月3日発売の特集「コロナ時代の新教養」にて、2ページのインタビューを担当させていただきました。弊社のベストセラー『武器としての「資本論」』の著者である白井聡先生に、現代社会の構造と資本論についてお話しを聞きました。
なぜ私が担当したかというと、私が『武器としての「資本論」』の愛読者だったから(笑)。ある先輩から唐突に社内チャットで「佐々木くん、この本読んだ?」と尋ねられ、「読みました!とても面白かったです」と即答したところ、「じゃあこんな企画あるからやって。よろしくね」と振られ...。
業界地図で死にかけていたところに、不透明な経緯で担当することになったのですが(笑)、本当に面白い仕事でした。
まず、この本がめちゃくちゃ面白い。大学で「マルクス経済学」の授業をとって、軽く『資本論』は読んだことがあったのですが、浅い理解にとどまっていました。『武器としての「資本論」』は、マルクスの『資本論』を現実社会に当てはめてわかりやすく解説してくれるとともに、社会の問題点を鋭く指摘しているすばらしい内容でした。
インタビューでも白井先生が歯に衣着せぬ物言いで話してくださり、面白い原稿になりました。
Twitterでも、『武器としての「資本論」』の編集をされた渡辺さんの投稿が伸びました。やはりみんな薄々感じている違和感や不満を、はっきり言語化してくれたのが気持ちいいようです。
現代社会をよりよく生きるために、『資本論』をもっと理解しなくては、との思いを新たにしました。
続いて8月5日には、2020年一番のヒット記事「サイゼリヤ、社長も驚く「1円値上げ」の成果」が出ました。こちらは6月から進めて、7月に取材・執筆して8月に記事がお披露目しました。
アフターコロナについて、各業界の経営者や、著名人にインタビューしていく連載の1つとして、私はサイゼリヤの堀埜社長にお時間をいただきました。
本当はもっと多くの経営者に会って、コロナ後のヒント、考え方をうかがって回りたいところでしたが、業界地図で繁忙の折、「どこか1社」と考えたときに、いつも独自の発想で興味を引くサイゼリヤにお願いしました。
Twitterでも本当に多くの反響をいただきました。ありがたい限りです。
トレンドに入るとは、恐縮しきりです。
無料の会員登録でインタビューのロング版をお読みいただけるのですが、ショート版の方が想定以上に伸びてしまい、一部だけ伝わってしまったかなと反省しています。
記事がアップされた後の反響は、事前にはまったくわからないわけですが、ロング版を含めて全部読んでいただく前提で書いた原稿でした。ショート版だけめちゃくちゃ伸びて、間違ったことは書いていないのですが、「後半も面白いから読んでよ!」という気分もありました。
業界地図は、8月半ばに無事に校了を迎えて、あとは発売を待つのみとなりました。本当によく頑張った自分。そして、私よりも質・量ともにたくさんこなしていた西澤編集長と中山副編集長はバケモノなのか。私はこの会社で生き残れるのか...。
うう、振り返るだけでまたドッと疲労が押し寄せてきた。
8月なので、四季報秋号の制作が進んでおります。立ち止まる暇もありません。地獄かここは。
そのときの心境↓↓↓
さすがに四季報編集の方は負担を軽くしてもらったのですが、自分の担当企業の取材・分析と執筆があり、後輩の指導役みたいなことも仰せつかっていましたので、心身ともに休まることはありませんでした。
8月28日には、業界地図が発売されました。コロナ禍で経済環境が大きく変化していること、就活戦線が厳しくなっていること、投資家にとってはチャンスが来ていることなどなど、いろんな要因でよく売れております。
「苦労して作ったから売れる」とは限らないこの世界で、苦労して作ったものが多くの人の手に届くことは、涙が出るほど嬉しいことです。ありがとうございます。
8月30日には25回目の誕生日を迎えました。ただ、激しい時の流れの中で歳を重ねたからか、何をしたのか、どんな誕生日だったか、まったく記憶がありません。。。おめでとう、自分(今さら)。
9月 2度目の10連休
9月に入り、四季報秋号は最終盤の追い込みになります。
四季報の校了期間は会社近隣のホテルを取ってもらえるのですが、自宅がそれほど遠くないので、これまでは帰っていました。前号で大変な思いをしたこともあり、今号ではホテル暮らしを選びました。
一方の業界地図は売れ行き好調。即重版をいただきました。
同じころ、また記事を書きました。ケンタッキーの1Q決算が好調だったことを受けて、卒論のような気持ちで書きました(その後まだ外食企業の担当が一部残っています)。
このツイートのリプに温かいコメントをいただきました。大感謝です。
iPhoneのニュース欄にもピックされ、よく読んでいただきました。2年半ケンタッキーを追いかけてきて、最後にいい形で終わることができました。
9月18日、無事に四季報秋号が発売されました。同じ日に、業界地図の宣伝も兼ねたカフェ業界の現状についての記事が出ました。
そして9月19日~28日は、この年2回目の10連休!
5月の連休明けから9月中頃まで、ずっとずーっと働きづめだったので「え、本当に休んでいいの?てか休みってなんだっけ」みたいな感覚になりました(笑)。
友人たちと夜通しゲームをしたり、入場制限が緩和されたプロ野球を見に行ったり、和歌山へ旅行したりと、失った青春を取り戻すかのように、楽しく過ごしました。
▲朝までごきぶりポーカー
▲2020年唯一の現地観戦に勝利
▲和歌山旅行でパンダを拝む
10月 チェンジ・福留社長インタビュー
連休を終えて社会復帰しました。
細々とした業務がいくつかありましたが、世に出たアウトプットといえば、四季報オンラインに書いたインタビュー「チェンジ・福留社長「期待を上回る成長目指す」」
ふるさと納税担当として子会社のトラストバンクとはよく連絡を取っていたのですが、親会社のチェンジがDX関連で株価急騰したので、気になってインタビューさせてもらいました。
個人投資家の間では少し有名ですが、福留社長はとてもエネルギッシュで熱い思いを持った方でした。あっという間の1時間でした。
よしださんと取材以外でリアルにお目にかかれたのも、すばらしい時間でした。
「読書の秋」で、小説を読む時間を取れたのも良かったです。コンテンツメイカーとして、語彙や表現、構成など学ぶことも多いように思います。
11月 簿記2級にチャレンジ&四季報編集部2周目
四季報の定期購読をうっかり更新してしまいました。
2019年の秋に、四季報の定期購読はどんな感じなのか、身銭を切って体感してみようと1年契約で始めました。コールセンターにキャンセル連絡をしないと自動更新される仕組みになっていて、連絡を忘れた結果、無事に2021年新春号も届きました。
11月15日には、簿記2級にチャレンジ。平日の日中は取材や編集で、通勤時間や夜、週末に勉強という日々を送っていました。けっこうキツかったです。商工会議所には、四季報の繁忙期とかぶりがちなのをなんとかしてほしいです。
今年上場したKIYOラーニング【7353】が提供するオンライン資格講座『スタディング』と、いくつかの書籍を使って独習しました。結果は、撃沈しました。また頑張ります。
11月24日には、四季報公式Twitterアカウントのフォロワーが1万を突破しました!
年後半にかけて、記者・編集者以外の業務も増えてきました。いろいろ経験させてもらえるのは楽しいです。
2019年10月に四季報編集部に来てから、1年分4冊の編集にかかわって、2周目となる新春号の編集をさせていただきました。異動当初はピーク時のハードワークに驚きましたが、1年経ってだいぶ慣れてきたように思います。
#2020年買ってよかったもの その② ソニーのワイヤレスイヤホン
12月 コメダがバズる
四季報新春号が終わった後も、IPOやTwitter関連など、バタバタしておりました。
12月16日には新春号が発売。突如として完全リモートに移行した時期もありましたが、それでも2020年も無事に4号発刊できたのは良かったです。数年~数十年後に資料としての価値を発揮しそうです。
12月25日には、3カ月ぶりとなる東洋経済オンラインへの出稿。一部残っている担当の外食企業の中でも、カフェチェーンで唯一黒字維持できているコメダ珈琲について取り上げました。(久しぶりすぎてちょっと書き方忘れかけていた...)
Twitterを中心によく読んでいただき、ありがとうございました。年内最後の記事、いい終わり方ができました。
1年を振り返って
コロナ禍、在宅で迎えた記者3年目でした。まとめ(上)でも書いたように、場所によって気持ちや身体を切り替えるタイプでずっとやってきたので、私は在宅勤務が苦手です。緊急事態宣言の解除後は出社することが多い方でした。
遅まきながら、2021年は場所に頼らずスイッチのオン/オフができるようになる努力を継続したいと思います。
2020年は、本業(?)である四季報編集に加えて、本誌「外食特集」の制作、書籍「四季報公式ガイドブック」の執筆、業界地図の編集、TOB関連の取材・執筆、IPOやTwitter関連の仕事など、いろいろな経験をさせていただきました。
いくつかの業務が重なってスーパーハードな日々も相当ありましたが、楽しくハイテンションに過ごして、今となってはいい思い出、いい経験になりました。(できれば2021年はもう少し穏やかに過ごしたい)
世の中的には最悪の1年と形容されるかもしれませんが、個人的にはなかなかいい1年になったように思います。
2021年は個人的取材テーマとして続けている、ふるさと納税関連の報道にもう少しリソースを割きたいです。年末に取材・執筆した記事が年明けに出る予定ですが、もっと深掘りできそうな感じがしました。
プライベートでは、26歳&ゴールド免許になる(予定)なので、年末をメドに念願のマイカー購入ができればいいなと考えています。
ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。
2020年よく読まれた記事ランキング
TwitterやiPhoneにピックしていただいたものが上位になりました。
1位 サイゼリヤ、社長も驚く「1円値上げ」の成果(8月5日)
2位 「自粛」一色に泣くサイゼリヤ、踏んばる鳥貴族(3月17日)
3位 コロナ禍でも黒字確保「コメダ珈琲」のすごみ(12月25日)
4位 テイクアウト頼みの外食が挑む新しい生活様式(5月8日)
5位 吉野家、P&G出身役員が変えた「牛丼の売り方」(2月26日)
2021年もよろしくお願いします!
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