「神様の言うとおり」を観て

ネタバレ含みます。



今見終わったのだが、中々面白かったのでやや興奮している。前に書いたのと同じデスゲームの話なのだが、前の作品以上に面白かった。デスゲームが好きなのかもしれない。今度デスゲームの面白さ、と言うことについても一本書けたらいいな。

この作品はキャストも豪華だ。福士蒼汰と神木隆之介という、あまり芸能人の名前を多く知らない僕でも知っている二人が出る。作中の演出もかなり繊細であったりダイナミックであったりして、相当な制作費が掛かっているのではないかと想像する。

イカゲームと同じ方式で、ラウンド毎に別のゲームが展開され、どんどん生存者が限られていく。まずは、主人公の授業を中断して行われただるまさんがころんだから始まる。

このゲームで主人公のクラスメイトの、デスゲーム恒例の知能役キャラが登場し、最後主人公と二人で協力してゲームをクリアするのだが、結局主人公だけが生き残りその知能役は死ぬことになる。この手のキャラは終盤まで生き残ると予想していたし、好きなタイプのキャラだったのでいきなり序盤で死んでしまい結構残念だった。

その後別のクラスの主人公の幼馴染の女の子と合流し、体育館でデッカい招き猫の首輪についた輪っかに鈴をシュートして入れるゲームが始まる。ここで生徒会長の仕切り屋監督官みたいなキャラが登場するのだが、こいつも死んだ。これは予想通りだった(笑)。

猫の背中をかいてあげ、猫が寝てる間に鈴を入れると言う作戦が行われた。孫の手とか猫の手も借りたいとかいう言葉が連想されるが、なんだか腑に落ちない。上の作戦は失敗するのだが、時間切れギリギリで2階の通路から神木が飛び降りてきて鈴をダンクで決め込んだ。

神木はイカれキャラだ。人の死を何とも思っていない風だし、平気で自分の手で人を殺したりする。バライティ番組とかで見る神木隆之介のキャラとはまるで違うように感じたが、不自然に見えなかったし、元々結構不思議キャラなところがあるので、もしかしたらそういうイカれた側面もどこかに持ち合わせているのかもしれないと思った。

2番目のゲームを終えた後、勝ち残り組は空に浮遊する謎の巨大な立方体の中に拉致?される。全国ニュースの描写が挿入され、主人公達と同じようなことが世界中の高校生に起こっていることが明らかになる。この物語はエンタメ性のためにそうしているのだろうが、若い年齢層を狙い撃ちにするなんて卑劣だと思う。

3番目のゲームはこけらによるはないちもんめだ。目隠しをして4体のこけらのどれが自分の後ろにいるか当てるのだが、ここで主人公は起点を利かせて録音していた音声を流し、勘違いしたこけらが発した声をもとに後ろにいるこけらを言い当てた。見ていた時はなるほど!と思ったのだが、今思えばルール違反スレスレだしだいぶ危ない橋を渡ったなと思う。ワンチャン通る確率4分の1以下じゃないだろうか。

このゲームで、中学時代の同級生の女の子とも再開する。幼なじみと中学の子で三角関係が発生するのかと思いきや、意外とそんな展開はなかった気がする。この同級生が、俺の高校時代の部活のマネージャーに似て穏やかで優しそうな子で、思い出した。もしかしたら主人公もちょっと自分に似てるタイプかもしれない。福士蒼汰ファンに怒られるだろうか(笑)。

はないちもんめの終了後に、別の部屋から来た、誰とも手を繋いでいない人間を襲うこけら、というのが登場した。自分の前で人間同士が手を繋ぐと、寂しいよぉ、、、と言いながら諦めて去っていくのだが、何だか人間味があって可愛いやつに思えた。でもこれも今思い返せば、卑怯ないじめっ子体質のやつかもしれない。

4番目のゲームはシロクマによる嘘つき当てゲームだ。シロクマがみんなに質問し、嘘をついている奴が誰かいるので投票で一人指名し、そいつをシロクマを殺す、ということだった。実は嘘つきの正体はシロクマ自身、というあまり捻りのないオチでやや残念だったが、ここで主人公の幼馴染が死んだ。

最終ゲームは缶蹴り。ここで舞台は屋外に移り、夕陽が沈む海と崖が綺麗だった。くじ引きの結果神木が鬼になり、夕陽が沈むまでにみんなを見つけ出すことになった。これは最後に主人公が活躍してみんなを助け出して終わった。

ここで物語は驚きの展開を見せる。神木が負けたのに死なないのだ。そしてマトリョーシカが言う、だから最初に言ったじゃないか、これは楽しいゲームだと、と。そんなのあるかよー、と思う展開だが、ここにひとつのメッセージのようなものを見出した気がする。

この映画のタイトルは、「神様の言うとおり」。神様、というのがキーワードになるだろう。「すずめの戸締まり」と言う映画で「気まぐれは神の本質」というセリフがあり印象的だったのだが、この映画でも同じことを表現したかったのではないだろか。

また、主人公もここで面白いことを言う。今まで退屈だと思っていた日常にも、やっと意味が見出せたよ、と。これもまた神っぽいなと思った。エニアグラムのトライタイプや今まで見てきた人のイメージなんかを総動員して考えると、俺の今の神のイメージは、「退屈で気まぐれな天才」といった感じだ。

さらに物語は二転三転する。最後にもらったアイスバーがまたくじ引きになっていて、主人公と神木以外の、幼馴染も含めた全員が死ぬ。幼馴染は今までの物語の中で主人公と本当に愛し合っていることが証明されていただけに、悲しい気持ちになった。気まぐれが神の本質とはいえ、あんまりじゃないだろうか。

総じて言えば、よく出来ている面白いデスゲームの映画だった。だるまやらはないちもんめやら、かんけりやらアイスバーやらどことなく昭和っぽい感じがして、それもよかった。また、罪のない人がどんどん死んでいくグロい話なのだが、敵役がどこかコミカルだったり、血が赤いビーズで表現されていたりとシリアスになりすぎないような工夫が施されていて、それもよかった。続編があれば(ありそう)観たいなと思える映画だった。




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