「HUNTER×HUNTER」1〜5話を観て


※ネタバレ含みます


ワンピースのように、このアニメも主人公のゴンが、まだ子供で、おばさんに村で育てられているところから始まる。ゴンの父親はハンターだったようだが長年会っておらず、ゴンはそんな父親に憧れてハンターを志す。しかし、おばさんは、そんなゴンを心配してハンターにならないようにする。

母親、子供に依存しがち。というのが、この場合にも当てはまるように見える。しかし、おばさんは冒険にワクワクするゴンの姿を見て、最後にはハンターを目指すことを許し、送り出した。もしこの時、母親が強硬に許さなかったら、ゴンはどうなっただろうか。後々おばさんのことを恨んだだろうか。

途中のゴンの回想シーンで、このおばさんが面白いうことを言う。「その人がどんな人間か知りたければ、その人が何に怒るかを知りなさい」と。大学のサークルの女の子に、割と初対面の段階でどんな時に怒るのか、と訊いてきた子がいた。その時はいまいちピンとこなくて、「邪魔されたら」と答えたが、あれは結構本質的な質問だったのだろうか。

俺は何に怒るだろう。高校時代や浪人時代、両親に自由を抑圧されたように感じて怒りを爆発させたことがあった。今までで一番誰かに怒ったと思う。俺は、とにかく自由に生きたいのかもしれない。

ハンター試験の途中でゴンは仲間を見つけ、クイズの関門に当たる。二択クイズなのだが、哲学的?な問答で正しい答えなど見つかりそうにないのだ。結局、答えないことが正解、ということで彼らは合格する。最初に見た時は子供騙しのように感じた。でも今もう一度見て、実際に人生の中で同じような状況になった時に、答えないと言うのはもっとも誠実な対応なのかもしれないな、とも思った。

このハンター試験の順番というのも、結構考えられているのかもしれない。最初の船が嵐にあった時のやつは置いといて、二択クイズにおいて「分からないことを潔く認める」ということが試され、マラソンにおいて最低限の体力・精神力が試される。ここから、もっと総合的な能力が試されていくのかもしれない。

ストーリーが進むにつれて、ゴンや仲間たちの過去が明らかになっていく。これらを観ながら、呪いについて考えた。同じハンターの父親を持つゴン、金がなく友達を救えなかったレオリオ、弾圧され仲間を殺されたクラピカ。みんな自分以外の誰かからの呪いを受け継ぎ、それを原動力に厳しいハンター試験を乗り越えていくのかもしれない。

ハンター試験の監督官のサトツという細身の品格のある男が登場する。あまり感情を見せずに、淡々とゲームを進行していく男だ。この男が、結構気になる。顔も冷淡で能面の様な顔をしている。作者はこの男がかぶるペルソナを、この顔で表現したのだろうか。

ヒソカという絶対的な強さを持った男も登場する。彼は平気でハンター試験を受ける他の奴らを殺していくのだが、ゴンとのレオリオを前にした時だけ、許し、認め、去る。非情な殺人鬼の様に見えるが、そんな彼にも何か基準?の様なものがあって、信念があるのだろうか。この謎についても、今後の展開で解き明かされていくのが楽しみだ。

このアニメは平気で人が死ぬ。現実ではそんなことはあってはならないのだが、それでもやはり、勝負に負けた人間は死ぬというのはスリルがあって見入ってしまう。人間は勝負事をやめられないのかもしれない。


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