『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を観て

ネタバレあります。



まず感動したのは、アニメの絵がめちゃめちゃリアルで綺麗なことだ。今までみたアニメ映画の中で一番綺麗だと思う。アメリカの映画だからだろうか。技術は進化し続けているようだ。

あまりこのようなコミカルな作品は観ないのだが、プライムビデオのランキングで1位になっていたので観てみた。日本で作られたゲームがアメリカで映画化するというのはどういう経緯なのだろうか。

配管工のマリオとルイージの兄弟が主役だ。このアニメを見て、そういえばマリオ兄弟は配管工という設定だったな、ということを思い出した。ゲームではよくわからない言葉しか発しない彼らが普通に話しているのは、最初結構違和感があった。

アメリカらしい、コミカルで軽快なタッチで描かれている。日本とはずいぶん違う文化に思えるが、純粋に自分の人生を楽しむ、という価値観を思い出させられる。

ゲームと一緒で、ピーチ姫と協力して、クッパを倒す、と言う物語だ。途中で兄弟ははぐれ、マリオはピーチの住むキノコの世界へ、ルイージはクッパの住むマグマの世界へ行くのだが、キノコの世界の平和で優しい世界と、マグマの世界の凶暴で危険そうな世界とが対照的だ。

この物語はマリオたちが主人公だし、最終的には彼らが勝利するのだが、クッパたちの世界観それ自体が悪ではないのかもしれない、とも思った。

物語の随所で、ゲームのマリオブラザーズや、マリオカートの設定が組み込まれていて面白かった。途中からおそらく3DSのソフトであろう設定も出てきたが、未プレイなのでそれはそれで面白かった。

ゲームではほとんど喋らないピーチだが、この作品の中ではよく喋るのでだいぶパーソナリティが見えた。こないだ観た『約束のネバーランド』のエマに似ているところがあるかもしれない。倫理的で、理想主義的な人物だ。このようなタイプは結構二面性がありがちなようにも思うが、どちらの作品でもそういうところはあまり描かれていなかったように思う。

ピーチはエネルギッシュだし器用だが、腕っぷしが細い。それに比べてマリオは不器用なところがあるが、バイタリティに溢れているのでお互いの短所を補い合ういいコンビなのかもしれない。

ドンキーコングの世界も描かれていた。そういえば、ドンキーコングが主役のゲームソフトもあったような気がするが、あれもやったことないな。

ドンキーコングはゴリラなので?知能が人間より低そうだ。メタ認知や想像力が弱いのかもしれない。だけど、身体はゴツい。人間を観察していても思うことだが、ある程度知能が弱いぐらいの方が、身体はゴツくなるのかもしれない。体力と知性を両立するのは中々難しいことのように思う。ゴリラについて少し興味が湧いた。

作品中ではスポットライトが当たらないが、マリオたちの戦いの中で結構な人数の無関係な人物が巻き込まれている気がする。こう言うところにスポットライトが当たらないというのが、自分の価値観と違うところだなと感じた。

途中でなんだか哲学的な発言もいくつか出てきていたような気がするのだが、よく思い出せない。最後にも、水色のスライムみたいな奴が、「暗闇だけが残った」みたいなこと言っていたけど、あれもなんだったんだろう。

総じていえば、スリリングでスピード感のある展開は、普段あまり感じないもので新鮮だった。ランキングで1位になるだけあって、ちゃんとできてるし、誰が観てもそれなりに面白い作品なんじゃないかと感じた。昔ゲームやってた人からしたら、懐かしみがあるし。



感想いただけると嬉しいです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?