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サッカーの定義を始めました(2020/1/26ver)

@Ryosuke T.

以前、twitterに投稿したものをアップデートして、まとめ直しました。自分の現場での指導経験もプラスされ、少しは深まったかなと思っています。まだまだ未熟で発展途上といった感じなので、様々な部分に多角的な目線で、ご意見ご感想をいただけると嬉しいです。

今回、これを書こうと思った理由は、自分がサッカーをプレーやサッカーを指導をしてきて、その正体を深く知らなかったからです。様々な講習会などの話が、サッカーのどのような部分と繋がり発展するのか、テーマに対するトレーニングがどのような根拠で行われているのか、疑問が多くでてきて考え始めました。また、サッカーのゲームをみていて、この選手はどうしてこのような立ち位置を取るのか、どうして何人もの選手が連動したプレーができるのか、逆にプレーがスムーズにできないのかなどを考えるようにもなりました。

これはサッカーの定義です。

最後まで読んでいただけたら幸いです。さらに、最後まで読んでいただき、ご意見ご感想までしていただけるとより良いものがつくれます。全文無料で読むことができます。よろしくお願い致します。

※100円についてはそれだけの価値があると思っていただけたら購入をしてください。価値があるかをなんとなく知りたい興味本位です。

1.サッカーの定義に基づいた原理原則

「原理※1は目的に関係なく決まるもの」「原則※2は目的に対して決めるもの」としてここでは話を進めていくこととする。また、今回はサッカーの定義にルール(競技規則)は含めないこととする。その理由は、ルール(競技規則)内でプレーすることが前提であるからである。また、変更することで、それに関わる部分にも影響して変化するからである。
具体的には、オフサイドのルールの変更前後やバックパスを GK がキャッチング可否の変更前後などである。最近ではゴールキックをペナルティーエリア内で受けることができるようになった前後である。したがって、ルール(競技規則)を除いて考えられるサッカーの定義を以下のように考える。 

※1原理・・・事象やそれについての認識を成り立たせる、根本となるしくみ
※2原則・・・人間の社会的活動の中で、多くの場合にあてはまる基本的な規則や法則
三省堂の大辞林 第三版より抜粋


2.サッカーの構成要素

これは基本的にルール(競技規則)が変更されたとしても、サッカーを成り立たせる普遍的なものである。ストリートサッカーがサッカーであるのは、この構成要素をすべて満たしているからである。(1)から(6)まで満たすことで、ゴール型ボールゲームになる。

(1) ボール
(2) ゴール
(3) フィールド
(4) プレーヤー(GK以外はボールを手や腕以外で扱う)
(5) 時間
(6) 競争(得点を競う)

3.プレーの構成要素

選手がサッカーをするときに、そのプレーを成り立たせるものである。これはサッカーの構成要素から決まるものであるので、サッカーの構成要素と同じく普遍的なものである。

サッカーは、
どちらのチームがボールを保持しているのか、
ゴールからどれくらいの距離にいるのか、
自分チームと相手チームがどこに立ち位置をとっているのか、
フィールドのどこにスペースがあるのかを考慮しながら、
どれくらいのゲーム時間が残っているのか、
ボールを保持している側がゴールを目指し、ボールを保持していない側がボール奪取を目指しつつゴールを守るスポーツである。

(1) ボール
(2) ゴール
(3) 自分チーム
(4) 相手チーム
(5) スペース
(6) 時間

4.プレーヤーの構成要素

サッカーというスポーツにおいて、テクニックは道具だと考える。どのような道具でも持っていれば、持っている者が集まることでゲームを楽しむことができる。持っている道具の種類やレベル、味方との組み合わせや相手の道具との噛み合わせによって、様々なゲームの楽しみ方ができる。

また、道具のレベルが低くかったとしても、味方との組み合わせ方や相手との噛み合わせ方の工夫で勝つことができる。この工夫がタクティクスだと考える。

そして、どのような道具でも工夫しようとする意識やいい道具を手に入れたいという向上心、ゲームに何度もチャレンジする気持ちなど複雑な心についてがメンタルだと考える。

フィジカルは、道具の正しい使い方を身につける方法や安定して道具を使い続ける方法、道具を同時に複数または何回も連続して使う方法だと考える。

(1) テクニック
(2) タクティクス
(3) メンタル
(4) フィジカル

5.サッカーの目的

ここまでの構成で、サッカーの目的は『自分チームが相手チームよりも1点でも多く得点すること』となる。

そうすることでサッカーは『基本的に11人で自分チームの失点を防ぎながら、11人いる相手のゴールを目指す』スポーツであると説明できる。

6.プレーの定義

これはサッカーにおいて必ず起こり得るプレーの種類のことである。上から順にゲーム中に起こる時間が長いものである。

(1) インプレー
(2) アウトオブプレー

     ①ゴールキック
     ②スローイン
     ③コーナーキック
     ④フリーキック

7.インプレーの状況

インプレー中は状況が常に変化する。これはその状況の構成のことである。どのようなサッカーにもこの状況は存在し、どのようなスタイルのチームもこの状況の中で、チームのプレーを選択することになる。例えば、バルセロナやマンチェスターシティーもカウンターをする状況があるし、ザルツブルクやリバプールもブロック守備をする状況がある。現在、プレーモデルやポジショナルプレーという言葉やその中身が話題となっているが、自分チームはどこの状況に重きを置いて試合を進めたいか、相手チームのどの状況を減らしたいかを考えることでオリジナルをつくることができる。

(1) 自分チームがボール保持
     ①ポジティブトランジション
          ・カウンター
               ショートカウンター
               ロングカウンター
          ・攻撃の仕込み(配置を整える)
          ・ボール保持の安定化
     ②オフェンス
          ・チャンスメイク
          ・ビルドアップ(組織的な攻撃)
               ポジショナルプレー
               ダイレクトプレー
           ・攻撃の再構築(攻撃方法の変更)
(2) 相手チームがボール保持(自分チームがボール非保持)
     ①ネガテイブトランジション
          ・ゲーゲンプレス
          ・組織的な守備への移行(正しい配置に戻る=リトリート)
          ・カウンター対策
     ②ディフェンス
          ・積極的なプレッシング
               超攻撃的プレッシング 
               ミドルサード(ゾーン2)からのプレッシング 
          ・組織的な守備
               ゾーンディフェンス
               マンマークディフェンス 
          ・ブロック守備
レナート・バルディ、片野道郎(著書)『モダンサッカーの教科書』を参考
https://www.amazon.co.jp/モダンサッカーの教科書-イタリア新世代コーチが教える未来のサッカー-レナート・バルディ/dp/4905349370

8.オフェンスの定義

これはサッカーを行うときのオフェンスで決まっている原理である。「相手を引きつける」または「相手の守備組織を撹乱する」「スペースを利用する」などが原則としてある。

(1) ゴールを奪う
(2) チャンスメイクする(優位性を生み出す)
(3) 前進する(ビルドアップ)
(4) ボールを保持する

9.ディフェンスの定義

これはサッカーを行うときのディフェンスで決まっている原理である。「スペースを与えない」または「相手のプレーを制限する」「相手を誘導する」「時間をかける」などが原則としてある。

(1) ボールを奪う
(2)ゴールを守る
(3) チャンスメイクさせない(優位性を生み出させない)
(4) 前進させない

10.ネガティヴトランジションの定義

これはサッカーを行うときのネガティヴトランジションで決まっている原理である。

(1) セカンドボールの回収する
(2) 1thDFがボールに素早く寄せる
(3) 適切な立ち位置まで戻る
(4) 陣形をコンパクトする

11.ポジティヴトランジションの定義

これはサッカーを行うときのポジティヴトランジションで決まっていることである。

(1) セカンドボールの回収
(2) パスコースを確保する(カウンターor安全に保持)
(3) 適切な立ち位置をとる(深さと場合によって幅をとる)
(4) 再び奪われる可能性のリスク管理

12.優位性の定義

これはサッカーにおいてオフェンス時にチャンスメイクをするために重要なことである。サッカーには以下の3つの優位性がある。

(1) 質的優位
     ・スピード 
     ・高さ
     ・技術
(2) 数的優位
     ・意図的に自分を増やす
     ・意図的に相手を減らす
     ・意図的に相手を留める
(3) 位置的優位
     ・瞬間的にプレー時間に余裕が生まれる位置
     ・相手よりも能動的にプレーできる位置

13.選手個人のプレーの状況

選手にとっての状況は、常に次の3つである。この3つは常に継続する。そしてゲーム中は、「(1) ボールにプレーする前」の状況が9割以上である。この状況で何をするかがボールへのプレーにも密接なつながりをし、最重要であると考える。

(1) ボールにプレーする前
(2) ボールへのプレー中
(3) ボールが離れた後

14.選手個人のプレーの定義

前提として、プレーは認知・判断・決断・実行の順で行われる行動である。これはプレーヤーがサッカーを原則通りにプレーするときの選択肢のことである。

■自分(個人)がボール保持時
(1) シュート
(2) パス
(3) ドリブル
(4) クリア
(5) レシーブ(コントロール)
■自分(チーム)がボール保持
(1) マークをはずす
(2) 相手ゴール方向の裏への動き
(3) ゴールに近い位置でのレシーブ(コントロール)
(4) ボール保持者を追い越す動き
(5) サポート
(6) ネガテイブトランジションの準備
■相手(個人)がボール保持(ボール保持の人に対峙)
(1) トラップの瞬間に奪う
(2) ターンの瞬間に奪う
(3) 動きを誘導または限定する
(4) パスまたはドリブル時に奪う
(5)シュートを打たせない(シュートブロック)
(6)シュートコースを減らす
■相手(チーム)がボール保持(ボール非保持の人に対峙)
(1) マークする
(2) 裏を使わせない(オフサイドラインの駆け引き)
(2) スペースを減らす
(3) パスを受けさせない
(4) インターセプトを狙う
(5) アプローチする(距離を一瞬で縮める)

15.まとめ

定義と原理原則、そしてゲームモデル
「戦略※3は試合でのチーム全体の勝利を目指すプラン」「戦術※4は戦略実行のた めのグループや個人のルール」としてここでは話を進めていくこととする。ここまで の定義と原理原則がある前提で、自分チームのゲームモデルと組み合わせて、プレー 原則を決めることができる。実際には、ゲームモデルがあっても、それを実現できる かは別であるので、選手の特徴をとらえたコンセプトが重要になる。ゲームモデルや プレー原則などはチームによって違い、百人百様である。

※3戦略・・・長期的・全体的展望に立った闘争の準備・計画・運用の方法。(戦略の具体的遂行である戦術とは区別される。)
※4戦術・・・個々の具体的な戦闘における戦闘力の使用法。(一定の目的を達成するためにとられる手段・方法。)
三省堂の大辞林第三版より抜粋

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。忌憚のないご意見をお待ちしております。また、多くの人に見てもらえると幸いです。

※100円についてはそれだけの価値があると思っていただけたら購入をしてください。価値があるかをなんとなく知りたい興味本位です。

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