見出し画像

#6|なぜ言語化するのか

言語とはなんだろうか?なぜ人々は言語化するのだろうか?

近年、「メモの魔力」、「言語化力」、「ゼロ秒思考」など、言語化の重要性を説く書籍も多く出版され、言語化の重要性が再認識されているかのように思える。

ビジネスの現場を見てみると、自分が優秀だと思う人は総じて言語化力が高い。

自分では認識していなかった角度から事象を捉え、意見を言うことができる。そういう人は例え話や、別の話と関連性を持たせるのもうまく、話を聞いていて非常に面白く、勉強になる。知識の幅に驚愕することももちろんあるのだが、何より驚くのは、自分が知っている事象同士を関連付けても、自分にはなかった論理を展開できるところである。いわゆる、物事の「解像度」が高い状態である。

逆に、人から話を聞いている中で、ちょっと話の筋がわからないとか、別の角度からもその事象を捉えられるなと感じる場合には前提を整理した上で、自分の見方を伝えるようにしている。

ではその人たちの差はなんだろうか?

先述の書籍を見ると、自分の頭の中で考えるのではなく、紙に書いたりしてアウトプットすることが大切であると述べられている。

なぜ、わざわざ言葉に出してアウトプットしなければならないのか?読書など色々とインプットして歳を重ねれば、自然とそういった知性のある会話ができるようになるのではないか?残念ながら筆者はそうは考えない。インプットの質と物事に対する解像度には一定の相関はあると思うが、解像度をより上げていくにはアウトプットの訓練をしなければならない。

ここでは、言語化の持つ意味、重要性について述べていきたい。

人間の脳は思ったより大したスペックを持っていない

「あの人と何か話した気がするのに思い出せない」「授業でやった内容を思い出せない」皆さんにもそう感じる場面があるのではないか?

人間の脳はコンピューターと非常に似ている。ある程度容量が決まっていて、新しいことを習得するためには、不要なものを勝手に削除(頭の奥底にしまう)しているの。自分にとって重要だと感じるものほど記憶に残り、そうでないものは記憶が薄くなっていく。

ではどうしたら「これは重要な情報である」と認識させることができるのか。それは言語化することである。一度視覚、聴覚で入ってきた情報を、声や手(ペン、キーボードなど)を通してアウトプットする。そうすると、体系的に整理して発信しなければならず、自然と脳内が整理される。さらに再度視覚、聴覚から情報が入ってくるのでその重要性を再認識し、「記憶に残る」「行動に移す」ことができるようになる。また、脳内が整理されることで他の事象との関連付けをすることができ、記憶に残りやすくなるのではないか。

多くの日本人は言語化の機会が少ない

日本人は世界の中でも、言語化の訓練をする機会が少ないのではないかと考えている。皆さんも思い当たる節があるのではないだろうか?

例えば、英語学習においてである。日本人は英語に苦手意識がある。下記記事によると、日本はアジアの中で26位であり、途上国と呼ばれるような国々にも劣っている。

画像1

なぜ(小)・中・高・(大)と勉強しているのにこんなにも順位が低いのか。その大きな要因としてアウトプット不足が挙げられる。日本の英語教育の多くの時間は、「単語・文法の学習」「英文和訳」に充てられていて、インプットにとどまってしまっている。アウトプットの訓練をあまりしていないのだから使いこなすことができないのも当然である。

また、英語以外にも日本人はアウトプット主体の教育が少ない。自分で小論文を書く機会も少なければ、他者とディスカッションする機会も少ない。それでは自分の思考を整理する習慣がつかないまま、就職活動のタイミングを迎えてしまい、その瞬間初めて「自分は何がしたいかわからない」と考える人が多くなってしまうのも頷ける。今まで自分の思想について深く向き合ってこなかったにも関わらず、急に向き合えと言われても難しい。似たような志望動機、ビジョンが出てきてしまうのも仕方がないのではないか。

前述の通り、アウトプットを通して思考が整理されるので、「自分が何がしたいかわからない」と悩んでいる人は上記書籍を読んでアウトプットの訓練をすると良いと思う。かくいう自分も、自分の思考整理も含め、noteで発信している。

言語化において大切なこと

言語化をする上で大切なこと、それは思考の整理である。自分の赴くままに文章を書いたりすると、自分の気持ちはすっきりすると思うが、それでは相手には伝わらない。なぜなら人は育ってきた環境、現状置かれている背景など前提が違うためである。そうならないためにきちんと情報を整理し、状況を丁寧に共有することで、伝える相手にもスッと入るような言葉を紡ぐことができる。

自分は思考するのが苦手と感じる方は上記書籍や下記記事を読んで思考のトレーニングをすることをお勧めする。

WFH下においてはますます言語化力が大事になってくると考えている。自分もまだまだ足りていないので、これからも訓練を重ねていくことで物事の解像度を上げていきたい。


この記事が参考になったら、スキやフォローしていただけるとありがたいです。Twitterもやっているのでよろしければご覧いただき、フォローいただけると幸いです。


この記事がためになったと感じたらサポートいただけるとありがたいです。コンテンツ作成費用として使用させていただきます。