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ギタリスト列伝:7 ミック・テイラー

ギタリスト列伝、今回は、ストーンズからですがミック・テイラーを書いてみました。ミック・テイラーの評価は、もう、しっかり確定しているというか、言うまでもないロックの名ギタリストの一人と言ってよいと思います。

ブルース基調の音の組み立てではあるものの、まったくをもって彼自身と言えるあの流麗なフレーズと、なんといっても、妖艶ともいえるトーンが素晴らし過ぎるギタリストだなと思います。

とりあえず、今回は、ストーンズ在籍時代を中心に「ミック・テイラーにスポットを当てた選曲」という基準で各アルバムから1~2曲程選びました。
白眉の演奏はいろいろありますが、ちょっと思いついたのを貼ってみます。なので「あ、あれが抜けてる」とかもあるかもしれません(笑)。
まぁ、そこは「コメント欄」に、皆さんのお気に入りを追加で書き込んでくださいませ(笑)。

<スタジオアルバムから>

キースとの初共演(ストーンズでの初録音)は確か、Let It BleedのなかのLive With Meだったかな。
※余談ながらLet It Bleedはミック・テイラーは、2曲しかギター参加してないんですよね(多くはキースのダビング)。


Can't You Hear Me Knocking
Sticky Fingers
からになりますが、これはもうミック・テイラーの演奏の代表的なものの一つといってよいかなと。ミック・テイラーという観点で書くなら外せない一曲かなと思います。
冒頭からKeithのリフがかっこいい曲ですが、曲の後半のボビーとの掛け合いはほんとに名演ですよね。バンドサウンドもほんとにいいですしね。

「このアルバムからだとSister Morphineは?」と思われるかもしれませんが、あれはライ・クーダーなので除外しました。

All Down the Line
Exile on Main St.からになりますが、これはもうスライドギターが素晴らしいですね。曲としてもストーンズらしい曲ですよね。これはミック・テイラー・バージョン、ロニー・バージョンを聞き比べるのも面白いですね。

Ventilator Blues
Exile on Main St.からもう一曲、ミック・テイラーも作曲者にクレジットされている曲ですね。余談ながら、ボーカル、ミックにしては珍しくダブルボーカルで録音してますね。ニッキーのピアノもいいですね。

100Years Ago
Goats Head Soupから、これはギターはミック・テイラーのみで、キースはベースとのことなので、鍵盤はPianoがNicky。ClavinetがBilly。なかなかドラマチックな曲ですね。これのギターはかっこいいですね。一曲目のミスターDのスライドギターもすごく彼らしいトーンですね。
※後から追加しました。

Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)
100Years Ago
からになりますが、この曲もかっこいいですよね。
私もYouTubeでやりました。ミック・テイラーのギターの再現は難しいので、あまりうまくやれてるとは言い難いがですが(笑)。
便乗ですが、私たちのカバーのも欄外に貼っておきます!

If You Can't Rock Me
It's Only Rock'n Rollからはこれを選んでみました。この曲は、後半にかけてバンドの演奏のテンションがどんどん上がっていくのがかっこいいですね。ミック・テイラーもすぐにそれとわかるギターを弾いてます。

Time Waits For No One
これもIt's Only Rock'n Rollから。
この曲は、ストーンズにしては、少しメロディックですよね。
後半のソロはこの頃ミック・テイラーがしたかったことが、反映されていると思いますが、その分、少しストーンズらしくない部分もあったりするかなと思う部分もあったりしますね。ストーンズとしては、この路線をこれ以上拡張するのは厳しかったろうと思う面もありますが、ただ、名演であるとは思います。

Tops
Tattoo You
からはこれです。「あれ、なんでTattoo Youから?」と思われる方もいるかもしれませんが、このアルバムはいろんな時代の録音を集めているので、この曲とWaiting On A Friendはミック・テイラーが参加しています(参加というより、元曲が古い音源なので残っていたのをそのまま使ったというのが正確でしょうが)。ここでも、「らしい演奏」をしていますね。

Waiting On A Friendは曲は大好きなんですが、特に「ミックテイラーぽい演奏があるか」といわれたら、そうでもないので貼りませんでしたが、というか「友を待つ」はソニー・ロリンズのサックスかっこよすぎ(笑)。


Living In The Heart Of Love

これは、Tattoo Youのアウトトラックから2021年に正式に発売された曲ですが、これは、ソロの部分でロニーのソロに、後にミック・テイラーの元々の演奏が登場するという!
ギタリストとしては、この二人のソロが交互に入っているのは「わお」って感じでした。
ブートのでは、当然、そうはなっていなかったので、それを知ってる人にとっては「サプライズ」でもありますし、すごく嬉しかったですね(笑)。
しかし、これはお蔵入りはもったいなすぎな曲なので、正式リリースされてよかったですよね。


<ライブアルバムから>

ライブでいえば、Midnight RamblerLove In Vainあたりでしょうかね。
Get Yer Ya-Ya's Out
から選びました。

お披露目ライブであったハイドパークのやレディース&ジェントルマンなどもありますけど、今回はGet Yer Ya-Ya's Outからにしました。

Love In Vain 
ライブですが、この曲でのミック・テイラーのスライドは完璧ですね。
まぁ、このライブは、だいぶ差し替えされているようですので、どこまでがライブ演奏なのかわかりませんが、そういうことは別にしてもすごい演奏ですね。このアルバムは完成度が高いし、大好きですね。今は、色々でてますが当時としては、ミック・テイラー在籍時の唯一の公式音源でしたしね。

Midnight Rambler
これこそライブでこそ本領を発揮する一曲ですね。
ミックテイラー時代の演奏で言えば、Get Yer Ya-Ya's Outのが好きですね。
72-73年頃のもかっこいいですけど。私はこのアルバムのが好きです。

ブレイクのところで「かっちょいいー」という歓声が聞こえるのが、昔から「村八分」のちゃー坊だと言われてましたが(定番ネタですみません)。
今では、「日本語ではなく、そう聞こえるだけ」という説もでてきているようですが、「日本語ではないとしたら何語でなんといっている?」のか気になりますね。今度、アメリカの友達に聞いてみようかな(笑)

ということで、挙げればきりがありませんが、ぱっと思いついたのを並べてみました。

<脱退後とその後>
ストーンズでの終盤の頃のテイラーは、ライブの演奏では、やや音数が多くなってきて、リードとリズムが明確に分かれてきてしまったのが、バンドコンセプトやキースの好みからしても、ストーンズとの別れの時期を示し始めていると言えば、そうなのかなと、思うところはありますね。

脱退の理由は、「曲作りに関与しても作曲者としてクレジットしてもらえなかったから」とか、いろいろ言われていますが、ほんとのところはどうなんでしょうね。ちょっと音楽性の違いとか、自分でいろいろやってみたくなってきた時期だったんでしょうかね。

ただ、バンド側から観たら、この辺りの流れと時代の音楽性からしたら、ミック・テイラーの脱退は必然だったのかもしれません。
もちろん、意図してたわけではなく、結果的にですが。

ストーンズは、黒人音楽を軸にしつつも、時代に合わせたサウンドを指向する部分もありますから、抜けた時代を考えると、当初は、ストーンズとしては焦ったでしょうが、その後を見れば、結果論として、最良のタイミングで脱退しているともいえるというか。この辺りの「運の強さ」は「ストーンズがただのバンドでないところを示してるともいえるかなと」ファンとしてはそう感じざるを得ないですね。

ストーンズを抜けたときにキースがミック・テイラーに書いた電報というのが、またいいんですよね。

<ストーンズ脱退後のミック・テイラー>
ミック・テイラー自身はストーンズを抜けてからは、その前歴と実力からしたら、ほんとに残念な感じで、恵まれなかったというか、自分が主役になるタイプではないのこともあってか、それほど活躍せずに今に至っていて残念ですよね。

ボブ・ディランのアルバムやライブアルバムにも参加したりしていましたし、それはそれでいいんですが、やはりディランのアルバムでガンガン弾くわけにもいかないですし、悪くはないんですが、輝いているとまではいえないというか。

もちろん、ソロアルバムも悪いわけではないんですが、やはりストーンズ時代のようなマジックはないと思いますし。

それだけに、キースのソロのファーストなかでの演奏、I Could Have Stood You Upは「やはり、この人はキースと一緒だと輝くんだよな」と思ったのを覚えています(真ん中のソロとエンディングの合いの手フレーズがミック・テイラーで、イントロとエンディングのソロはキース)。


<ストーンズ外での名演奏>

野外活動でいえば、ぱっと思い出せるものでいえば、リトル・フィートのライブでのApolitical Bluesの参加ですかね。これは、はじめテイラーが弾いていると知らずに、「フィートにしては、これまたいつもと違った美音だなと」思っていたら、後からミックテイラーだと知って、「なるほど、そういわれたらそうだし、どうりで、どうりで」と思った記憶があります。

Apolitical Blues
これは演奏がロンドンだったようなので、それで参加したんでしょうね。これの動画もYouTubeで見れますが、そちらは、ほんの少しだけ演奏が長かった気がします。そっちのを貼ろうかと思ったんですが、音も映像も、良くはないので、アルバムのを貼っておきました。


曲紹介的なところをやっているだけで、この長さになってしまって、ギタリストしてのコメントを書く余裕がなくなってきてしまったので、それは、また別の機会を作って、もう少し深堀してみたいと思います。

<私とミック・テイラーの思い出>
これは、いつだったかな、80年代にミック・テイラーがソロで来日した時の逸話なんですが、当時、バーボンハウスで彼のライブがあり、その日、ライブにはいかなかったんですが、店の前で、ストリートミュージシャン的にストーンズの曲を(多分ジャンピンジャックだったような)弾いていたら、なんか、白人の人が、パット・メセニーのようにうなずきながら、私の演奏を観ていたんですよね。

「なんか外人が観てるな、誰この人」と、思っていたんですよね。

気にせずに、そのまま演奏していたら、そのうち、去っていったんですよ。

それで、私はまったく気づかなかったんですが、後で、それがミック・テイラーだったのだと理解したという、、、。
「気づかれなかったこと」を、ご本人がどう思ったかはわかりませんが、せっかく見てくれて、笑顔でうなずいてくれていたのに、反応しなかったんですからね。

理由は、私が慣れ親しんでいたミック・テイラーの姿とは体形が違い過ぎていてい気づかなかったんです(笑)。

いやぁ、サインをもらい損ねました。

そういえば、私は、かなりいろんなミュージシャンのサインを持っているんですが、いまのところ、ストーンズは誰も持っていない、、、。

一度、ボビーキーズも見かけたんですが、彼の時も、瞬時にそうだと理解できずにもらいそびれました(笑)。

<Heartbreaker Covererd by The Shine Light Respect>
はい、便乗です。これ、アメリカからのアクセスが多い曲のうちの一つで、ずっと、視聴が伸び続けているものの一つです。


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