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大人が久しぶりに書道をやろうとした、その初日の疑問、悩みを解決!

久しぶりに書道をやりたくて、道具を揃えて、「さあ、はじめるぞ!」。

でも、
「あれ? これどうするんだっけ?」、
「なんだかうまくいかない!」。

そんな疑問、悩みにお答えします。


Q) 太筆はどこまでおろすんだっけ?

A) 根元まで全部おろします。


Q) 新品の太筆カチカチなんだけど、手でほぐして使えばいいよね?

A) 糊で固められているので、糊を洗い落としてから使った方が良いです。

【落とし方】
(1) 洗い桶にぬるま湯をはり、筆の穂(毛の部分)を浸し、外側の糊を落とすように穂の表面をなでる。
(2) 毛先の方から優しくほぐす。根元までほぐれて糊が落ちるまで行う。
(3) 流水でヌメリがなくなるまで洗う。
(流水は穂に直接あてるのではなく、筆管(軸の部分)にあてて穂に伝わらせるようにすると、毛に癖がつかなくて良い。)
(4) 穂の根元から先に向かって指で優しく押しながら水を切る。
(5)半紙で押さえて水分をとる。

【参考動画】


Q) 墨汁(※)は水で薄めるんだっけ?

A) 薄めずそのまま使います。
(薄めて使う液体墨もありますが、その場合は「濃墨」などの表記があります。)

※ちなみに、液体の墨は、「墨汁」、「墨液」、「墨滴」などと呼ばれます。
このうち「墨滴」は株式会社呉竹の商標です。「墨汁」・「墨液」は一般名称ですが、両者を同じ意味で使う人もあれば、原料の違いで使い分ける人もいます。混乱するので、このnoteでは全部まとめて「液体墨」と呼ぶことにしました。


Q) 筆の穂先が割れてまとまらない!

A) 墨は根元までしっかりつけてください。筆管に埋まっている毛の方まで墨を届かせるイメージでつけましょう。

また、おろしたての筆はまとまりが悪いようです。何度か使うとまとまるようになるので様子を見ましょう。
ただし、毛がたくさん抜ける場合は筆が悪いのかもしれません。

【参考動画】


Q) 足が痛くて正座が続かない!

A) 回数をこなすうちに慣れてきます。
正座椅子を使うのも手ですが、おへその位置が少し上がるので書きにくく感じるかもしれません。

なお、膝が痛い場合は無理をせず、テーブルと椅子にした方が良いでしょう。


Q) 書き終わって余った液体墨は戻していいの?

A) ダメです。
一度出した墨は劣化が進むので、それを戻すと容器の中の墨にまで悪影響を及ぼします。
反古紙(練習した紙)で吸い取って捨てましょう。


Q) 筆は洗うんだよね?

A) 洗います。とくに根元をしっかり洗います。

【洗い方】
(1) 反古紙で筆の墨を吸い取る。
(2) 汚れても良い、洗い桶くらいの容器にぬるま湯をはり、筆の穂を浸けて振り洗い。お湯が黒くなくなるまで2回ほど繰り返す。
(お湯がもったいないので、桶を傾けるように使ってお湯の量を減らすか、別途コップくらいの大きさの容器を用意する。)
(3) 洗い桶にぬるま湯をはり、筆の穂を浸し、根元を指先で押し洗い。お湯が濁らなくなるまで2~3回繰り返す。
(強めに押すが、筆管を割らないように。)
(4) 蛇口からぬるま湯を出して筆管にあて、伝ってきたお湯で穂の根元を洗う。左手で筆管を回しながら、右手の親指と人差し指で穂の根元をつまむようにする。黒いお湯が出なくなるまで行う。
(かなり時間がかかるが、穂の根元の墨が落ちずに固まってしまうと、穂先が割れる、毛が抜けるなどのトラブルにつながるので、しっかり洗う。)

【参考動画】


Q) 洗った筆はどうするの?

A) 穂先が下になるように吊るして乾かします。
(筆の頭に紐がついているのはそのためです。)


Q) 筆が乾いたらキャップをして片付けるの?

A) キャップはしません。筆は通気性の良い状態で保管します。
穂の部分は乾いていても、筆管に埋まった部分の毛はなかなか乾きません。
吊るしっぱなしにしておくのが一番です。


Q) 筆のキャップは捨てていいの?

A) 捨てて構いません。


Q) 液体墨を入れた容器(墨池)は洗わなくてもいいよね?

A) 洗います。
そのままだと乾いて固まります。
次に液体墨を入れたときにその固まった墨が溶けるわけではなく、固まったままです。洗わないと固まりが増えていくので、毎回洗いましょう。


Q) 下敷きは折り畳んでもいいの?

A) 折るとシワになり、次使うときにデコボコしてしまいます。
広げたままか、丸めておきましょう。


Q) 久しぶりのわりに……上手く書けたんだけど!

A) 良かったですね♪