阿波で出会った若手社長と、人を育てるということ
ねぎしこさん
ひっそりとこっそりと徳島に行ってました。徳島の路上で出会った社長…と言いたいところですが、そうではなく徳島のホテルで一人Youtube動画を観ていた時に出会った面白い方のお話を紹介します。
私が最初に観た動画では「ねぎしこさん」という方が、夜の徳島を徘徊していました。栄町・紺屋町・秋田町など、夜の繁華街をうろうろしてるだけなのですが、なぜかこのねぎしこさんという方が気になってしまい、他の動画もチェックしました。
18歳で起業
今は10店舗以上もお店を展開しているねぎしこさんですが、18歳の時に50万円で居抜きで場所を買い取って飲食店を始めます。
起業に凄いあこがれていたというよりは、どこで働いても長続きしないので、もう自分で会社をやるしかないという考えにいたり、お店を始めました。
3年間続けるも全く成功の兆し無し。そんな中テレビ番組に触発されて方向転換
原価も考えずにどんぶり勘定で店を運営していきますが、何もコンセプトが定まってないせいか店は成功せず、少しずつ借金がかさんでいきます。
そんな中テレビのニュースで「激安居酒屋」、1品料理全品280円の居酒屋を目にします。
ねぎしこさんはこのニュースを見て「これだ!」と思い、激安居酒屋を始めることにします。
メンター岩井さんからのアドバイス
ねぎしこさんが「激安居酒屋」をやろうと思った時は二十歳になっていました。その当時、岩井さんという事業家の女性に出会います。彼女はエステサロンなど様々な事業を手掛ける敏腕事業家です。
彼女にテレビで観た激安居酒屋のアイデアを話します。そうすると岩井さんは言います。
「そうなんだ。いいじゃない」
メンターである岩井さんは激安居酒屋を始めることに賛成をしますが、ねぎしこさんに対して1つ条件を要求します。
「1ヶ月間、お店を毎日満卓(=満席)にしなさい」
もしこれができないなら、あなたは自分が思っているような社長にはなれないから、これをちゃんと達成しなさいと言います。
必死で毎日満卓にするねぎしこ社長
ねぎしこさんは顔が広いこともあり、友人や先輩に協力してもらいます。また、近くにあった大学から宴会プランを取ったり、友人の誕生日会は居酒屋でやってもらったり、とにかく必死に満卓にし続けます。
中間報告を入れるたびに岩井さんは褒めてくれます。
「コウキ(=ねぎしこさん)あなたって、やっぱり凄いね」
努力を続けた結果、1ヶ月間本当に毎日満卓にして終えることができます。
メンター岩井さんへの報告
ねぎしこさんは有頂天です。これで借金を少しずつ減らして、そしてお店も増やしていこうと夢は広がります。
1ヶ月間ちゃんと満卓にした後に営業が終わると、夜中ですがすぐに岩井さんに電話で報告します。岩井さんは褒めてくれます。
「すごいじゃん、コウキやるんね」
ねぎしこさんは達成できた喜びと、岩井さんに認められた喜びで幸せの絶頂です。岩井さんは、こうも言います。
「どうだったの集計は?家賃払って、仕入れのお金を払って、パートナーにお金を払って、そしたらまた連絡ちょうだい」
驚愕の集計結果
岩井さんに言われたとおり集計をすることにします。ねぎしこさんの肌感覚では40万円ぐらいのプラスです。しかし、計算をしたところ5万円の赤字でした。
なんで毎日満卓にして、岩井さんにもちゃんと報告して、なんで???と、ねぎしこさんは半ばパニックになります。
ねぎしこさんは全く状況が理解できません。そして少し腹を立てながら岩井さんに電話をします。
岩井さんに「どうだった?」と聞かれます。5万円赤字でした、と伝えると
「そうでしょう。コウキはね、自分でまずやるって言ったことをやんなきゃ気がすまないじゃない。人に止めたほうがいいって言われても、とりあえずやるでしょ?自分でやって経験するしかないのよ。私は最初から分かってたから」
イマイチ意味が分からないねぎしこさんは岩井さんに、どういうことなのか?と聞きます。それに対して岩井さんは答えます。
「それは自分で考えなさい」
そして、この電話は終わります。
【龍成メモ】
死ぬことすら頭をよぎったねぎしこは、再び元気を取り戻す
満卓ですら赤字になる激安居酒屋をこのまま続けても借金が膨らむ一方で全く未来はありません。ねぎしこさんはそのことにとても落ち込み、死ぬことすら頭をよぎります。
しかし、その時にユニクロの柳井社長や凄い成功してる人のことを想像します。彼らも同じような失敗を何十回も繰り返して乗り越えて今がある。ねぎしこさんも、将来自分が大物になるために、このことは必要な失敗だったんだということを悟ります。そして元気を出し再び事業開発にチャレンジして行くことになります。
岩井さんのメンター力
ねぎしこさんのガッツもさることながら、岩井さんのメンター力に驚きました。成功したおじさん起業家は、若手起業家の新しいアイデアに対してダメ出しをすることが多い傾向にあります。
私はまだ成功にはほど遠いですが、たまに若手起業家に相談されることがあります。その際には極力励まし褒めてあげるようにしてますが、答えがわかりきってる、絶対に失敗すると分かってることを黙ってやらせてみるということは、したことがありません。
確かに先人がただ単に答えを教えてしまっては、その若手から学びの機会を奪ってることになります。
ねぎしこさんのメンターは失敗を経験させた後ですら、答えを教えずに「それは自分で考えなさい」と言うだけです。考える機会も与えています。
岩井さんのメンター力に脱帽しました。
表紙の写真はPR Timesから
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