見出し画像

OpenAIに挑む、フランスの超有望AIスタートアップとは?

Meet the French startup hoping to take on OpenAI というThe Economistの記事を参考に、Mistral社のウェブサイト、TechCrunchの記事、FTの記事や比較論文なども調べてnoteにしています。


フランスのMistral社が開発した生成AIはOpenAIに匹敵?

GPT-4という最強のllms(大規模言語モデル)を生み出したOpenAIが、生成AIの分野では独走しているかに思われていましたが、Alphabet(Google)でもMETA(Facebook)でもない、まさか伏兵がフランスから登場しました。

Mistral AIというフランスの新興AI企業で設立から1年経っておらず、従業員も25人しかいません。Meta PlatformsとGoogle DeepMindの社員によって設立されました。

このMistral AI社は先月2月26日にMistral Largeという最新の言語モデルをリリースしました。英語の他、フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語にネイティブレベルで対応していると主張しています。

The Economistの記事によると、推論能力ではGPT-4に匹敵するとあります。

科学問題においてはGPT-4に勝ってる面も

Image Credits: Mistral AI

実際、Mistral AI社のウェブサイトに掲載されている比較表を見ると、GPT-4に肉薄しており、特に難易度の高い科学問題に焦点を当てたARC-C(AI2 Reasoning Challenge-Complex)においては、GPT-4よりも高い成績を残しています(ARC-C(5)において)。

ただし、あくまでもMistral AIの主張であり、Mistralに有利な条件で比較が行われている可能性もあります。今後より詳細な検証が必要となります。

相対的に非常に小さなモデルで動くのも特徴

GPT-4のパラメーターが推定1.8兆個に対して、Mistralのモデルは非常に小さく、数十億個に過ぎません。そのため、巨大なデータセンターではなく、自社のコンピュータ上でMistralのモデルを実行することができます。

先日「BadGPTの時代へようこそ」というnoteをWSJの記事をもとに書きましたが、そこでも一番悪用されているAIとしてMistralの名前が挙がってました。

GPTよりもオープンなモデルで、かつ上記のように自分のコンピュータ上で動くというのも、悪用されてしまう要因なのかもしれません。

Microsoftが提携を発表

Microsoftは既にOpenAIに2兆円近く(約130億ドル)投資をしていて、AIの未来に関してはOpenAIに全てをかけていると思われてましたが、Mistral社との提携を発表しました

提携の一環として投資も行われますが、その詳細は明らかにされていません。Mistral AI社は既に600億円以上($415 million)調達しており、昨年末時点で時価総額も約3,000億円($2 Billion)です。

Microsoftが投資を行うことで時価総額が3,000億円をさらに超える可能性があります。Mistral AI社が設立してまだ1年も経ってないという事実を考えると、恐ろしい限りです。

#MistralAI #OpenAI #生成AI #GPT4

よろしければサポートお願いします。 頂いたサポートは心のエネルギーになり、さらに記事を書くモチベーションに繋がります。 ありがとうございますm(_ _)m