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ニッチ戦略を少しだけ勉強してみる

ニッチ戦略を改めてきちんと理解したったので、以前買った競争しない競争戦略を読んでます。

今日はこの本にあるニッチ戦略の章を簡単にまとめたいと思います。さらに詳しい内容を知りたい方は、是非競争しない競争戦略を読んでください。

ニッチ=小さい売上ではない

Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像

『事業担当者が「当面ニッチ狙いでいきます」などと言うことがあるが、それはたまたま売れなかっただけでニッチでもなんでもなく、単なる失敗事業である』と著者は痛烈に批判しています。

差別化とニッチは別物

「差別化はリーダーと戦う戦略であり、ニッチはリーダーとは戦わない戦略である」(嶋口 2000)

同じ市場においてリーダーと戦いながらも「差別化」する戦い方と、そもそもリーダーとは全く異なる市場を取るニッチ(つまりリーダーとは直接は戦わない)とは本質的に異なるようです。

ニッチの成功をどう測るか?

ニッチの成功をどう測るか?という話では「一般名詞化してしまうほど、消費者のマインドシェアを取った商品」という尺度が出てきます。

ポリバケツ(積水化学工業)・万歩計(山佐時計計器)・プチプチ(川上産業)などが例として挙げられています。

Yahoo!知恵袋にはさらに充実した一覧があり、宅急便(クロネコヤマト)・セメダイン(セメダイン㈱)・ホッチキス(E.H. ホッチキス社)など、100個以上の一般名詞化商品が列挙されています。

リーダー企業を参入させない戦略

1. 市場規模を大きくしない

シュレッダーのリーダー企業である明光商会、サイクロン式掃除機のダイソン、そして「ルンバ」で有名なアイロボットなどが本書では登場します。

シュレッダー市場についてはバブル経済期に市場がある規模を超えたため、リコーが参入してしまいます。しかし、バブル崩壊とともにシュレッダー市場も縮小したため、リコーはその後撤退します

同じような事例が他のニッチ市場でも登場しますが「美味しくなったため大手が参入。その後、旨味が消えたため撤退」という流れは王道のようです。それにしても恐ろしい話です。

2. 単価を上げない

赤城乳業の「ガリガリ君」が例として出てきます。「単価を上げない」典型例であるという紹介がされていますが、内容を読むとどうも違う要因も含めてガリガリ君は生き残ってきたようです。

まず「アイスキャンディー」を売るということ自体のリスクです。気温が25℃を超えるとアイスクリームは売れだすそうですが、35℃を超えるとアイスクリームよりもアイスキャンディーが売れるそうです。つまり冷夏になると損益分岐点を下回る危険性があるため、大手は参入に対して二の足を踏みます。

そして、大手乳業メーカーにとっては単価の安いアイスキャンディーよりも、単価の高いアイスクリームに力を入れるほうが経営上重要とされていました。

専用のショーケースを店先に置くという大手乳業の戦略に対して、後発の赤城乳業は同じチャネルに入ることが難しかったという事情があります。それゆえ、当時黎明期にあったコンビニに対して全力投球ることになり、コンビニの成長と共に売上を伸ばすことができました(コンビニでの販売金額が10年間で約3倍)。

赤城乳業には「ラーメンアイス」「カレーアイス」「きつねうどんアイス」「イクラ丼アイス」、極めつけは「リッチコーンボタージュ」など、極めて異質な商品開発力があったこともプラスに働いたようです。

3. 利益率をあまり高くしない

利益率が高いと、固定費の高いリーダー企業も参入の余地が出てくるため、利益率を「低めに見せておく」必要があるというのがポイントです。

ナガイレーベンは調理師・美容師用の白衣を扱っていましたが大手百貨店が参入し顧客を奪われたことから、百貨店が参入していなかった医療用白衣に特化しました。

バブル時代に有名デザイナーによるDCブランド白衣を投入。メディアにも取り上げられ利益率が上がったのを見て、大手のオンワード樫山が白衣業界に参入。その後バブルがはじけ、DCブランド白衣の勢いも弱まりました。

売上高は以下のように安定はしてますが、大きく伸びてもいません。

2021年8月期:第72期決算の概要 | ナガイレーベン IR

4. 市場を急速に立ち上げない

日本企業の場合は未だに「何年後に回収できる」という回収期間法を採用している企業が圧倒的に多いそうです。従って、市場が急成長していると回収期間が短くなり、リーダー企業の参入を招きかねないというのが本書の指摘しているところです。

パイオニアのLDカラオケ」や「サウスウエスト航空」などが成功事例として挙げられています。

逆に失敗例として、急速に市場を立ち上げて大手の参入を招いた「ほけんの窓口」や、大手の参入を招いた結果なのかどうかは不明ですが「いきなり!ステーキ」の話が載っています。

【龍成メモ】

本の中ではニッチ戦略の話はこの先もまだまだ続きますが、一旦ここで切りたいと思います。

私の場合、人生で常にニッチ戦略(就職・起業・再起業の度に)を取ってきたので、このような本は共感できる点が多いですし、ビジネスの観点からもとても参考になります。

#ニッチ戦略 #ガリガリ君 #サウスウエスト航空 #いきなりステーキ

Photo by JESHOOTS.COM

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