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勝負に強くなる、脳の部位(細胞)とは?

Frontal neurons driving competitive behaviour and ecology of social groups マウスの社会的地位に関する情報が格納されている脳内のニューロンが分かったという論文が面白かったので、今日はその内容をご紹介します。

社会的なランクの情報が格納されていて、競争的な環境での意思決定に関与する脳内の細胞とは?

動物においても社会的動物は、集団の中での地位が高いほど効率的に食料にありつけることができます。

この研究ではマウスにおける社会的な集団での振る舞いにおいて、脳の前帯状皮質の細胞が社会的な自分の地位を保持し、マウスが競争環境に直面した時の意思決定に関係していることが分かりました。

実験ではまず、マウスに競争をさせることで社会的な階層を作ります

1グループあたり7匹のマウスがいます(これが7グループある)。7匹のマウスのうち4匹を選び、4匹のうち1匹しか餌の入った報酬ゾーンに到達できないという明確な競争環境を作り、マウス同士を競争させます。この競争を何度も繰り返すことで、マウスの中で社会的階層、個々のマウスの社会的地位を形成させます。

カラダが大きくて動きが速いマウスがヒエラルキーの上位に来る?

意外なことに、競争においてより優位に立つ動物は、単にスピードが速いとか体力があるというわけでもないということが分かりました。

競争の成否は社会的地位が影響する

マウスも社会的動物なので、地位の高いマウスの方が餌の奪い合いで成功する確率が高くなります。

そして、各グループの中位にいるマウスは自分よりも地位が低いマウスと競争する際には勝つ確率が高く、逆に自分よりも上位のマウスとの競争では負ける確率が高くなります。

社会的地位に関するニューロンの動きをみると、始まる前に、これから競争に勝てそうかどうか分かる

マウスの脳の前帯状皮質という部位が社会的地位の自己認識に関わっています。

この前帯状皮質という部位のニューロンを詳しく分析することで、マウスの競争(餌を獲得する競争)が始まる前、ゲートが開く前のニューロンの活動の分析から、71.3(± 2.3%)の確率でマウスが勝つかどうかの予測ができました。

前帯状皮質を刺激することで、勝つ確率を向上させる

前帯状皮質を皮質を刺激するとマウスの勝つ確率が高くなります。

ただし、マウスが自分よりも社会的地位が上位のマウスと競争する場合にのみ、前帯状皮質の刺激によって勝つ確率が向上します。

逆に、前帯状皮質の活動を抑制した場合は勝つ確率が低下しますが、この場合は自分よりも社会的地位が低いマウスとの対戦でのみ、勝つ確率が低下しました。

【龍成メモ】

スポーツにおいて、この脳の部位を活性化することでドーピングするみたいな使われた方をしたら怖い…と思いました。

#脳科学 #前帯状皮質 #社会的地位 #勝つ確率

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