激流

鳥の巣が嘘としてばれる
泡が散る
すぐに消えるくせに
偉そうで

高架下に光る水滴の群
赤青に黄色がまだ来なくて
グレースケールの過去の中
引き裂いても過去　未だ過去

折れたポールの穂先に実る
能天気さを折るような
後の祭りに
点滅するヘリポート

「ここはもう埋まってしまったの」
「どういうわけで？」
「わけもなく埋まってしまったの」
「そんなことがあるはずはない」

目配せに
荒む明日に
ボタンを外していく
いつでも君はつぶらに裸

すべてが裂かれる交点を
わたる
船は見えなくなった
きみは括り付けられている

群青
わらいあうクラスメイト
女子トイレ
ささやきと後悔

群青
わらいあうクラスメイト
扉を開ける
かき氷の蒼

そういう朝に目覚めたかった
あつかった
木々は脈打っていた
ここで糸の切れる朝日が昇る

音に耳を澄ます
水の音に
捨ててきたものに
凍りつき溶ける朝日に