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ひっそりと春ひっそりと
川の流れる ただ川の流れる
花びらをちぎってくれてやろう
どこまでもいけばいい
わたしのいけないところまで
見えない微粒子とふれあいながら
くしゅんとキスをしたのは紫色の夜
ロマンティックのその前に
半額弁当がこよなく光る
アスファルトに星光る
吐息が結晶化して
マフラーを奪う
首元に雲たなびく
ヘッドライトをかわしては
街灯の下で踊る遊び
いつも通らない道を通って
退屈な退屈なアパートに帰る
ひび割れそうなアパート
買ってきた卵が 不自然に揺れて
そのまま半熟にまで
なるわけもないのだけれど あついよ
卵の様子を確かめながら
薄明かり
慎重に戻した後に
24時間やってるニュースを
「くだらないね」
「そうだね」
毛布が笑う
ぼくのなかのよろこび
「グーテンモルゲン」
「ドイツは朝なの?」
知ったことではないが
今宵恋人たちは実用的になる えらく
川の流れる ただ川の流れる
花びらをちぎってくれてやろう
どこまでもいけばいい
わたしのいけないところまで
わたしのいけないところで
それはつみかさなる
笑った数だけちる花びらを
うかべてつくる ぼくの墓標
うん
春だね
そうだね
うん
酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。