満天星降るカカシの下で

月夜の晩に

カカシが空を見上げました

カカシの頭上には

幾億数兆個もの満天の

星空が広がっていましたが

なにぶんカカシは

カカシでありますので

子供服のボタンでつくられた瞳には

ただひかりが反射するばかり

一向に

一筋のひかりも

さす気配がありません

カカシは

悲しくなりましたが

なにぶんカカシは

カカシでありますので

あの娘の涙のような

いくばくかの水気すら

放つことができません

水をむしろ

吸い込むことには

長けていたのですが

なにぶんカカシは

カカシでありますので

重くなったからだを

よじっていくばくかの

水気を放つことすら

できません

そんなカカシをみた旅人が

やあやあひとりぽっちで

さみしくはないのかい

と尋ねましたが

なにぶんカカシは

カカシでありますので

星月のひかりに照らされた旅人の

姿も見えませんし

喜びに打ち震えての

涙は…(いわせないでください)

旅人が新たに

かけてくれた

ハンカチも

また水気を吸って重くなるばかり

こんなとき

ため息もつけず

ただ立ち尽くす

こころの

こころのある

カカシがおりましたとさ

満天星の夜

流れ星 ながれていった

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