NEW GUNてどんな感じ?〜vol.21〜
抗ガン剤にいいイメージを持っている人はそんなにいないと思う。
健常な細胞も傷つけてしまう辛い治療で、なんと言っても脱毛、吐き気、骨髄抑制(白血球・好中球減少による感染、血小板減少による出血傾向、赤血球減少による貧血)は有名な副作用。それから派生する様々な副作用は人によっても違うし、日常生活の過ごし方によっても様々だ。
…アンチがいるのも分かります。
抗ガン剤投与の前に数種類の飲み薬を処方された。
・セロトーン:吐き気止め
・プリンペラン:消化管の運動を整える
・デカドロン:炎症やアレルギーを抑える副腎皮質ホルモン剤
・ツムラ十全大捕湯エキス:病後の体力低下、疲れやすく身体がだるい、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血などの症状を改善する漢方薬
・イメンド:吐き気止め(強い吐き気止めで、抗がん剤前、翌日、翌々日に飲む)
緩和ケアというのが今時は充実していて、なるべく副作用を抑えて乗り切りましょうという治療方針らしい。
EC療法は3週間に1回点滴を打ちに行く。私の場合は最初の3日は使い物にならないので仕事を休み、大体10日くらいまではしんどくて、3週目は割合元気だから出かけたりしていた。
一番恐れていた味覚障害は多分起きなかったと思う。友達は辛いものを食べると悲惨なことになると言っていたけれどそれもなかった。口の中で苦い薬の味がすることがあったけれど、味覚と区別がつくので味付けは問題なかった。これ、もしかすると職業に助けられたかもしれない。
そして、脱毛は大体10〜15日後に起こると言われているのだけれど、点滴後から髪がごわごわし始め、本当に10日後くらいから抜け毛が増える。なのでドラマで見るようなある日ブラッシングしていて
「きゃー!」
みたいなことは私はなかった。あーはいはい、くらいな感じだ。
が、激しく抜ける数日間、髪の毛をキツく縛りすぎたときのような激痛が続き、これが本当に辛かった。
そして、髪の毛というのは意外とすごい量あって、ブラシに付いて来る毛が永遠に無くならない感じで、
(どこまで抜こうかな…今日は)
とお風呂で格闘。最終的に新生児みたいにふわーっとしたのが残って終了した。すんごい病人ぽいビジュアルになったので、家ではタオルを土方巻きして過ごした。排水溝に抜け毛を残さないように気をつけていたけれど、忘れちゃったときも旦那に申し訳ないなーと思ったし、見かけも含めてあんまりショックを与えないようにしようと心がけてはいた。
そして、気付かぬうちにあんなところやこんなところの毛が抜けていってくれたのは(お手入れしないですんで、楽だわー)という感じ。
顔はスッピンだと結構間抜け。私は結構顔がむくんだので眉毛もまつげもないと面白い感じだった。
というわけで、ウィッグ&つけ睫毛生活が始まる。飲食店勤務なので抜け毛は御法度。ウィッグはネット代わりに抗ガン剤投与と一緒に始めた。
付け睫毛は睫毛が無くなって来るのと、私の場合、瞼が腫れたりして、その辺りはなかなか付けずらかった。もともと普段から目尻用の付け睫毛をしていたので慣れてはいたのだけれど…。
眉毛は私は完全に無くならなかったのだけど、完全に無くなるとやはり描くのが難しくなるみたいです。
そして、一番辛かったのは血管痛、関節痛だったのだけれど、これはまたの機会に。
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