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NEW GUNてどんな感じ?〜vol.33〜

高熱は出なくなったものの、微熱が続いたり、鼻水が止まらなかったり、相変わらず喉は痛かった。

喉と鼻だから、と近所の耳鼻咽喉科に行ってみるとずいぶん楽になった。

が!

この頃、口の中が胸の奥からすぅすぅするような、のどの奥から金属のような味がするような、
(あれ?今更味覚障害になっちゃった?)
と思われる症状が出始める。

抗がん剤の副作用に『味覚障害』があるのだけれど、抗がん剤中はありがたいことにこの副作用が出ることはなかった。

「(味覚障害には)亜鉛が効くよ」

と主治医に言われ、サプリを飲み始めるも効かず…。

近所の病院でレントゲンを撮ると肺が割と白かったのだけれど
「なんでだろう?」
と言われただけで、理由は分からなかった。

主治医に改善しない旨伝える。

「もしかしたら逆流性食道炎かも」

とのことで"半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)”という漢方薬を処方してもらった。そしたら、これがあっさり効いた。味覚障害ではなくて良かったと胸を撫で下ろす。

そんな調子の7月ではあったが、上旬には約1年ぶりにケータリングに復活。これには旦那から「絶対徹夜しないこと!」ときつく言われた。
そして、抗がん剤に奪われた体力を取り戻したいのと痩せたいのとで、ひと駅分自転車に乗って通勤。これは暑さに負けて半月ほどで止めたが…。
などなど、抗がん剤から解放された自分は元気になるはず!と張り切って生活していた。

振り返ってみれば、体調が悪い時にそんなことをしてはダメだろう!と思うのだけれど、男社会である料理の世界に入ってからずっと「鍛えなきゃ!」と思ってやって来たので、辛いことは出来ないと思ったら負けだし、負荷をかければ身体は慣れて動くようになるのだ…と考えがちで、病気になる前の様に生活すれば元に戻れるんだ!と思っていたのだと思う。

焦る必要はないのだけれど、がんばらないとダメになる!と不安になる。


ところで、暑い夏を迎えたが我が家にはエアコンがなかった。
旦那に付けていいよ、と言われたのだけれど、扇風機でいけるのではないか!とがんばってしまった。経済的にかなり負担もかけているので、お金を使わせたくないというのもあった。
シャワーと水風呂と扇風機で乗り越えよう!とこれまた病人のくせにがんばってしまった。

結局8月に入ってからエアコンを付けた。付けた翌日から秋の気配が漂って来た。

一番治さなくちゃいけないのはこの性格なのだ、と思う。



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