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NEW GUNてどんな感じ?〜vol.24〜

いろんな副作用について、人に聞いたり、調べまくったりしたのだけれど、分かったことは傾向はあっても人によって本当に違うということだ。

vol.21で最後にちらっと書いたのだけれど、私の場合は『血管痛』と『関節痛』がほんとうに辛かった。胃腸の不快感なんかは抗がん剤点滴直後は辛くても段々楽になるのに、手足は日に日に辛くなる。

「立ち仕事の人はねー」

と看護士さんが言う。

仕事をしていて、重いものはまだ手術の影響で持てないのだけれど、手術側でない右で持つ包丁が辛いなど、あからさまに手の機能が落ちてきた。立っていることは大丈夫なのだけれど、終わるとヘトヘトで気付くと足を引きずっている。帰り道は歩くのがしんどい。

駅まで自転車でいったらどうかと考えたけれど、自転車はハンドルの操作がまだ不安定で、歩く方がましだった。

2回目の抗がん剤を打った時に先生に相談した。すると

「血管痛かな?ポート付けますか?ハーセプチンも年明けから始まるから1年くらい続くしね」

ポートというのは鎖骨の下辺りにシリコン製の針を刺すところを付け(皮下)、そのポートからカテーテルという細いチューブを心臓に近い太い血管に繋げるというもので、私を苦しめる血管痛から解放される他、腕に打つ時の大変さから色々逃れられる優れものらしい。

「それいくらですか?」

「5000円?」

「やります!」

後ろで看護士さんがごにょごにょっと耳打ちする。

「え?5万円?」

「旦那に相談してきます」

で、結局ポートを付ける手術を受けることにした。3回目の抗がん剤の前日。つまり手術の翌日にはポートはもう使えるとのことだった。

仕方がないのだけれど、身体にメスを入れると言うのがとにかく憂鬱で、大した手術じゃないと先生は言うのだけれど、またどこか不自由になるのではないかと気が気でない。職場には先生に言われた通り、大した手術じゃないし、何の支障も出ないと伝えたのだけれど、本心は不安でいっぱいだった。

手術当日、朝ちょっとだけ働いて病院へ行く。顔色が見えないと手術中は危ないので、病院で化粧を落とす。手術着に着替えて手術台へ。今回は部分麻酔だ。麻酔をしているからあまり感覚はないのだけれど、カテーテルを入れる時に喉の辺りに管をぐいっぐいっと入れているのが分かって変な感じだった。そして、手術はほんとうに簡単に終わった。


↑実物です。

鎖骨から指3本上くらいのところまで管が入っているのだけれど、異物感というのはあって、

「あれ?風邪引いた?」

と思っては、あー違ったみたいな感覚だった。リンパ腺が腫れてるような違和感なのだ。

それで、手足が楽になったかと言うとそうでもなくて、包丁を持つのは辛くなくなったけれど、やっぱり歩くのが辛かったりなんかして、それは

『関節痛』

だと言う…。でも、ポートを入れて良かったなと思っている。前はそんなことなかったのだが、抗がん剤の前には毎回血液検査をするのに腕の関節の辺りの血管が出づらくなってしまったからだ。細い血管で無理をし続けるのはどの道無理だったと思う。

それで、関節痛はというと整骨院などでマッサージしてもらうとしばらく楽になる。でも、抗がん剤の副作用では保険は利かない。これどうにかならないかなー、と真剣に思う。あらゆる関節が固まってくる感じ。動かすとみしみしいう感じ。ほんとうに辛いんだけど、高い抗がん剤打って、ポートの手術して、仕事も今までの半分以下しかしてなくて(つまり収入が半分以下で)、高いお金出してマッサージにしょっちゅういくってのはなかなか出来ない。だって、この先も辛いのは続く上に年明けにはハーセプチンも始まるから、医療費は更に跳ね上がるのだ。というわけで本気で辛い時だけ整骨院に行くことにした。


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