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NEW GUNてどんな感じ?〜vol.2~

癌という言葉はとてつもない破壊力を持つ。

まだ望みはあるものの、癌なんだなー多分、癌患者になるんだなー、と訳のわからない重い気持ちになった。

まずは旦那に連絡をする。

職場でそういう訳だから来週のこの日は早くあがらせて下さい、なんて話をする。

でも、息子にだけは言えなかった。出来れば一生隠しとこうと思っていた。不幸な目に遭わせたくないと思ってしまった。


8/11マンモグラフィと組織を取り出しての検査。

私はものすごい貧乳で、マンモは大変屈辱的であった。。。

要は縦方向と横方向に挟んだおっぱいのレントゲンを撮るのだが、もう、するめ?の世界。ぎゅーっとつぶれる限りつぶされる。。結構な痛さに顔を歪めながら、胸を突き出してぎゅー。

でも、今となってはその痛さはあまり覚えていない。

その後の検査の痛さは過去最高レベルだったからだ。

マンモの結果、小さい腫瘍が2ヶ見つかる。先生がすごい悩む。2ヶかもしれないし、2ヶが繋がっているかもしれない。エコーも併用しながら。

繋がっていないならまだ小さい。どうなんだろう?

2カ所に針を刺して、細胞を診ることになった。

針の種類は色々あるらしいのだが、太い針(私の記憶では1mmくらいはあった)を刺さねばならないらしい。そのため、表面には麻酔をするが、針を刺して腫瘍を切り取る「ばちっ!」ってのがすごい痛いからがんばって!と。

その「ばちっ!」はかなり力がいるようだった。

針を刺す。「はいっ!」…「ごめんもう一度…はいっ!…ごめん」みたいなものすごい緊張感の中、「ばちっ!」と急に来る。

「んがーっ!!がっががっ!いーっ!!!!」

髪の毛むしる勢いでつかんでこらえる。組織採れたと同時に麻酔で感覚の鈍っている脇の下を汗ではないと思われる温かい液体がだらだらと流れて行く。

…これを2回。文字通り死ぬかと思った。

検査は終了で、会計に行く。検査の承諾書で既に気付いてはいたが、会計は2万を超えていた。

「すいません。今財布に一万しか無くて…」

「この後薬局にも行かなきゃだから今日は会計いいですよ。次回一緒に払ってください」

今まで病院で1万円以上使ったことなんてなかったから舐めていた。

癌だったら、莫大なお金がかかるんじゃないの?と急に不安になった。

立ち上がって、病院の向かいの薬局に向かう。立ち上がって気付く。検査で針を刺したところが尋常じゃなく痛い。薬局の人は察してくれて、すぐに処方されていた痛み止めと胃薬を飲ませてくれた。これは本当に助かった。

久我山駅までは5分くらいだけれど、歩ける状態じゃなかった。乗り換えないで済むJRの西荻窪駅までタクシーに乗ろうと手を挙げる。すぐにタクシーはつかまった。

「西荻窪までお願いします」

道が分からないと言う。携帯で調べて見せたら、見ながら運転は出来ないと言う。そこについてる立派なナビは使えないのかと言ったら、通ったことの無い道は無理だと言う。私にナビする元気はない。

「もういいから久我山で降ろしてください」

とぼとぼと胸を抑えながら歩く。ホームで親切な人がロキソニン持ってるわよ、飲む?と聞いてくれた。さっき飲んだから大丈夫です、ありがとうございます、と感謝して断る。電車は事故かなんかで遅れていて激混み。しんどいなー、と座れない電車で嘆くも、そのうち薬が効いて来た。

乳腺外科はどこも激混みだ。すぐ診てもらえただけでもラッキーなのだ。現場のお医者さんはいつだってものすごい忙しくて、出来る限りのことはしてくれている。危ないから少し休んで行ってね、と言ってくれたら良かったのに、と思ったけれど、今になって思うとおそらく現実的ではないのだ。なんて世界なんだろう!


検査結果を聞くのは10日後。


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