見出し画像

セルタの成績不振について考えていること

今シーズンのセルタは Operación Retorno (帰還事業) という補強戦略のもと、カンテラーノであるデニス・スアレスとサンティ・ミナや幼少期をビーゴで過ごし、13-14シーズンにはローンで活躍したラフィーニャなどを獲得する大補強を遂行し、ファンからの期待も高まっていました。(ウルトラCの方法でシーズン中にノリートも復帰)

しかし、現在リーガでは37節終了時点で降格圏のレガネスと勝ち点1差の17位。残留したとしても、大失敗のシーズンだったと言わざるを得ないでしょう。
一見、豪華なメンバーが揃っているように見えるセルタが何故ここまで苦しんでいるのか、1ファンとして考えていることを大きく分けて書いていきたいと思います。

大成功に見えた補強の落とし穴

9番(CF)不在とボールプレイヤーばかりのチーム

これに関しては開幕時点で自分もかなり甘く考えてしまいましたので、あまり責められません。。
今夏のセルタは2シーズンの間、エースのアスパスと共にリーガ最高クラスの2トップを組んでいたマキシ・ゴメスをバレンシアへ放出しました。
この放出自体は何も問題ありませんでした。残すのは事実上不可能です。

マキシの放出によって、今シーズンのFW陣容は絶対的エースのアスパス、マキシの代役として獲得したガブリエル・フェルナンデス(通称トロ)、サンティ・ミナの3人。
個人的にはやや頭数は少ないものの、ミナはある程度こなしてくれるだろうし、実力は未知数だがトロもいて、何より3年連続でサラ賞を獲得しているエースアスパスがいる限りはある程度大丈夫だろう・・・と考えていました。フロントとしてもこのような考えは少なくとも多少はあったのではないかと思います。

しかし、実際にシーズンが始まるとそもそもウインガーだったミナは本質的に9番タイプの選手ではなく、それに加えて前半戦の間は大スランプでプレーの質も悪い。トロは背格好こそマキシに似てましたが、この選手も本質的に9番タイプの選手ではなく、特に裏抜けなどのオフボールの質が悪い。むしろウイングで使ってみた方が面白そうなタイプの選手でした。

いやいや、でもアスパスがまだいるじゃないかと多くの人は思うと思います。というか、僕もそう思ってました。
しかし、今のアスパスは想像していた以上に9.5番型の選手になっており、ライン間やサイドでボールを受け、起点になってチャンスメイクしてからゴール前に入っていくプレースタイルに変化しています。
裏抜けなどのDFとの駆け引きやポストプレーで奥行きを作って、スペースをアスパスや魅力的な中盤の選手に与えてくれるFWの不在はチームの攻撃を停滞させました。
冬にこれらを標準レベルでこなせるスモロフが加入してから、成績が向上したのは偶然ではありません。スモロフ自身が多くのゴールを決めてるわけでは無いですが、ピッチに存在していることが重要だと感じています。

また、ウイングや中盤にもオフボールの時に裏抜け or 飛び出していける選手がブライス・メンデス以外におらず、ほぼ全員がボールプレイヤーなアンバランスさも辛い部分でした。
近年のセルタにはFWにマキシ・ゴメスやグイデッティ、MFにはヴァスの様な選手がいました。
ロボツカが冬に移籍しても特に問題なかったのは、ベルトランの方がより連続性があるプレースタイルで今のチームに合っていたからだと思います。ロボツカが悪いというよりはベルトランの方が合っていたという事です。

フラン・エスクリバ監督の続投

昨シーズン、降格しそうだったセルタの監督に就任し、見事残留に導いたエスクリバ監督には今も感謝しています。

しかし、それとこれとは話が別で契約延長して来シーズンもエスクリバ監督でスタートすることは大反対でした。これは僕のツイートを当時から見ている人は知っていると思います。

そもそも、昨シーズンの残留はエスクリバというよりは就任とほぼ同時期に復帰してきたアスパスの神がかり的な力が大きく、アスパスが出場停止だった試合の内容は相変わらず酷かったですし、最終盤はアスパスがいても悪化していくばかりで来季も任せたいとは全く思えませんでした。
勘違いしてはいけないのはエスクリバ自体はそこそこ優秀な監督です。しかし、セルタのスカッドやチームカラーとは全く合うタイプの監督では無かったと思います。

ミニャンブレスSDの是非

昨シーズンと今シーズン共に最終節までギリギリの残留争いをしている理由の多くはフロント・・・ミニャンブレスSDにあるような気がしています。
特に監督選びの不味さとスカッドの不均一さはセルタのSDに就任以降、毎年の事でチームとしては全く結果が出ていません。
一方で選手の獲得に関してはマキシ・ゴメス、ロボツカ、ベルトラン、オカイなど数え切れない程の選手を500万€前後で獲得してくるなど素晴らしいの一言です。行方不明のトルコのメッシさんなんてのは知りません。
今シーズンもデニス、ミナ、ラフィーニャ等を獲得するかなど非常に優秀な部分も多くあります。

ミニャンブレスSDとは契約延長をしましたが、このようなことが続くのであれば、いくら優秀な部分があっても意味が無いので、ラストチャンスに近いのではないでしょうか。

最後に

オスカル・ガルシア監督に交代してからのチームはそれほど悪くありません。実際、後半戦の成績だけならトップ10チームの勝ち点を獲得しています。
エスクリバの契約延長時に疑問を呈していたのは、(記憶の限りでは)Marcaの1人の記者くらいでしたし、夏の補強に疑問を呈していた人も殆どいませんでした。それにも関わらず、前半戦の酷い負債を背負いながら、負傷者も多い中で今の過密日程を戦ってる現場の人達だけを酷く批判するのはナンセンスだと僕は思います。
とりあえず、終わりよければ全てよしの精神であと1試合どうにか頑張ってほしいと願っています。今は頑張ってとしか言えません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?