2月27日(月)『ひとの暖かみ』

久しぶりに母校の高校にお邪魔した。

昨日高校の友人から連絡があり、その付き添いで行くことになった。

前回いつ行ったか覚えてないが、母校に変化はなかった。と思っていたが、体育館がアリーナとして生まれ変わろうとしている瞬間をこの目でみた。老朽化に伴い建て直すことは小耳に挟んだが、まさかあそこまでとは想像をしてなかった。”体育館”ではなく”アリーナ”なのである。いかつい。

1番の目的だった当時の担任はコース長ということで忙しくしており廊下を爆走していた。時間が取れるまで友人の部活の顧問だった先生方や、他にも親しかった先生方とお話しさせていただいたり、誰もいない剣道場で木刀を振り回したり、カフェテリアであの懐かしいカラマヨ丼を食べたりと時間潰しもとても充実していた。

補足として、”食堂”ではなく”カフェテリア”であり、カラマヨ丼とはご飯にキャベツと唐揚げを乗せてソースとマヨネーズをぶっかけた猛烈に頭の悪い丼なのである。

そして当時の担任が時間を取れたので、お土産のイチゴを渡して、同級生のこととか、これからのことについて多くを喋った。

もちろんぼくは先生に芸人になることを伝えた。それを伝えるために来たと言っても過言ではない。高校時代この先生に影響を受け、この先生のために、この先生と一緒に働くために、教員になろうと思わせてくれたそんな先生にその旨を伝えた。

先生は驚いていたが、それと同時に将来を楽しみにしてくれた。正直なところ先生がどう思ったかはわからないし、お世辞を含んでいたかもしれない。それでも、はやく売れてだの、車を買って貰おうだの、笑顔で楽しそうに明るい将来について語ってくれた。ぼくは泣きそうになった。

これはこの先生に限ることではない。

高校時代の友人や、地元のオヤジ達やお姉さん方、お店の常連など、みんな決まってそう。

ぼくはマイナスな事ばかり言われると覚悟していた。無理に決まってるだろ、現実を見ろ、お前にできるわけない、夢をいつまでも見るな、などなど。でもそんなことを言われても言い返せる覚悟と自信があったから、どこからでもかかってこいと息巻いていた。

しかし帰ってくるのは、いいね!頑張れ!若いうちにいろいろやっときなさい!サイン今のうちに貰っとこうかな!などの暖かい言葉ばかり。首を傾げたのは両親と叔母などの身内のみ。

この世はぼくが思っていたよりも暖かいのかもしれない。その予想外の暖かみに多少の違和感は残りつつも、ぼくはその暖かみに改めて強く背中押された。

期待してくれた人たちが誇れるような存在に、堂々とまた凱旋できるように。今はそのための準備期間。

とりあえず研究室の希望を出さないといけないなと思うそんなある日。

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