2024年3月6日(水)『多大なる感謝を込めて』

疲れた。

終わった。

この2週間とんでもなかった。

3月5日(火)に、すぱろう卒業ライブ『メガンテ』が開催され無事終演した。

我々すぱろうが組んでいた全コンビのラストステージ。

卒業ライブという晴れ舞台にも関わらずまさかの悪天候。雨が酷く天はぼくらの門出を祝福してくれていないようだった。

そんな中でも、多くの方が足元悪い中来てくださって本当に嬉しく思います。ありがとうございました。

毎回のように来てくださっている方も、今回が初めてで来てくださった方も、推しと言ってくれる方も、いやいやと言いながらも結局は来てくれる方も、本当の初期からずっと来てくださっている方も、地元である千綿から来てくださった方も、関東から10時間かけてわざわざ来てくださった方も、そしてサークルを辞めたにも関わらずぼくらの最後を見届けに来てくれた方も。

本当に嬉しくて嬉しくて感謝してもしきれません。ありがとうございます。ぼくらはみなさんがいないと何もできません。みなさんが居てくださってこそのライブであり、お笑いであり、お笑いサークルCCCです。みなさんのおかげで卒業ライブを開催することもできました。本当に本当にありがとうございました。

ぼくらの最後のステージはどうだったでしょうか。

楽しんでいただけたのならぼくはもう満足です。

今回のライブの主役はぼくら”すぱろう”だったかもしれないですが、いってもお笑いライブ。第一なのはお客さんである皆さんです。皆さんが笑っていただけたのなら、面白いと思ってくれたのならそれ以上はありません。それが全てです。それだけでぼくらはお笑い冥利に尽きます。それがぼくがお笑いを始めたきっかけでもありますしね。

今回ぼく自身も楽しくネタをすることができました。この2年間で多くのライブでネタをやって来ましたが、今回やった4ネタが一番楽しくやれたことは間違いありません。楽しくて仕方ありませんでした。ネタ合わせの段階で腹を抱えて笑ってしまうことが多く、本当にこれ大丈夫かと少し不安になるくらい。ネタ合わせの過程は好きではあるのですが、今回は特に楽しく有意義な時間でした。

ただ本番では、4ネタとも練習通りスムーズにすることができなくて、相方がネタを飛ばしちゃったり、ぼくが信じられないくらい噛んだりと状態は最高ではなかったかもしれません。それでも本番での皆さんを前にしてのあのステージ上に立つともう全てが楽しくなって来て、そういったハプニングも「おいおいこいつやってやがる笑」「え!?ここでとんじゃうの笑!?」という風に楽しんでいました。

普段ならブチギレ案件でも今回は練習の時よりも何倍も何十倍もそれ以上に楽しくてこのネタが終わってほしくないと途中で何度も思っていました。最後までネタをやってくれた4コンビの相方にも感謝しきれないです。

原口がネタをやっている時も今回はずっと袖で見届け、大いに笑わせてもらいました。やっぱりコイツは面白いな、敵わないなと羨ましく思ってしまうくらい見てて楽しかったです。

一つだけ言えるのはこのステージを自分が客席で見れなかったことですね。しかし、ステージの袖からという普段では絶対に見れない位置で、少しプレミア感というか特等席気分も味わえたから結果的にはこっちの方が良かったかもしれませんね。すみませんぼくらだけ一番いい席で見れちゃって。

そしてあの原口の伝説のネタ「ディナー」も見れたことですしね。それだけが心残りだったので嬉しかったし大満足です。

“七対子”は最初のライブから組んでいたコンビ。正直、組んだ経緯は覚えてないが、当初は演者の数が圧倒的に少なくて組まざるを得なかったというのが正しい理由なのかもしれない。

ぼくも相方のソラも最初はライブの下位を争う間柄で、ライブ後にお客さんにちやほやされる延原、原口等を横目にずっとイライラモヤモヤしていた。特に延原には”広角打法”、”クリスタルリーフ”、”10パニパニ”という3コンビでライブを圧倒していたため、YouTubeラジオ「ちゃんぽんカステラ」で第二回単独メラの感想を嫌味たらしく2人で話した時は信じられないくらい再生回数が回って大いに喜んだ。

またサークルが公式化したくらいの時期に部室の説明会なんかもあり、その時に急遽ネタをやってくれと言われて、この七対子でスーパーアウェーの中で大爆笑を掻っ攫う。あの興奮とあの異様な雰囲気はぼくらだけが知るぼくらだけの思い出。

また第二回単独ライブの次の日にあった営業で、みんな疲れているからという理由で七対子だけが行くことになったことも。ぼくが実家勢で往復3時間かかるという記憶をみんな消していた。その営業も初めての雰囲気に呑まれて大滑りして営業の厳しさを身に染みたことも忘れることはないだろう。

毎度毎度交互にネタを書き合いやってきた七対子。意見がぶつかることも多いコンビではあったけれどそんなネタ合わせの日々がなんだかんだ楽しかった。このネタは七対子でやりたいなとか、七対子でしかできないなと思うようにもなっていった。漫才”え、彼女?”なんかは味がしなくなるくらいやったしね。そらくんと組んだのが偶然だったか必然だったのかはわからないけど、今では組んで良かったと心の底から思っている。

最後のネタもめちゃくちゃ楽しかった。パニックはあったもののそれも含めて楽しかった。本当にありがとう。


“ちわたみ”は地元の後輩であるレン君とのコンビ。小中高大全て一緒という中々ない関係だが、仲良くなったのも大学になってから。これまたあんまりない関係。やっぱり地元の先輩後輩ということで自然とコンビを組むことになっていたのだろう。”ちわたみ”も最初は”千綿民”というコンビ名だったけど、”ちわたみん”だったり”ちわたたみ”だったり全然正しく覚えられなかったから最速でひらがな表記に改名するということもあった。この「ちわたみの変」でコンビ名はシンプルに覚えやすいものにするという自分のルールが確立された。

ちわたみはなんといっても1回目のライブが酷かったね。もう思い出すだけでも痒くなってくるような。「戦」というタイトルで作ったネタだったが、もうバカ滑り。いまでも部員から弄られるようなネタ。あの時は面白いと思ってやってたが、どうやら全然だったよう。でもたぶんぼくもだけどレン君もきっと「戦」は好きなんだろうな。

その進化系として作った「一騎討ち」というコント。そしてまさかの無音で動きだけで表現するというまるでチャップリン。いろんな演者に音があった方がいいと何度も言われたが、ぼくのこだわりで無音を貫いた。怖かったと思うがレン君もそれを許してくれた。そしてそのネタも想像以上に反応が良く、ぼくらが最初に大敗した分の清算をすることができた。なんならちょっとお釣りがあるくらい。あれば嬉しかったね。

あとは営業も思い出深い。もともと準備したネタがどうやらその場の雰囲気に合ってないかもと判断して、急遽”漫才コント”だったものを”喋くり漫才”に変更して、ボケとツッコミも入れ替えるという応急処置みたいな荒技をやってみた。そしたらこれがハマりにハマって信じられないくらい嬉しかった。ただ次の単独ライブではボケとツッコミを元に戻したところ、あの日のようなウケは取れずに普通に他コンビにボコボコにされるという、いかにも”ちわたみ”らしいやらかしだった。

この時から”ちわたみ”の正解はぼくがボケで、ツッコミがレン君だったんだなと、今になってはもっと早くから気づいておけよと思わんばかり。全てはぼくがツッコミに憧れすぎていたから仕方ないけどもね。最後のネタはもちろんぼくがボケに。最初はツッコミの予定だったがネタ合わせしていく内に逆の方がいいんじゃないかと思って変更した。

そして最後のちわたみのネタは過去一でいいウケ方をしていた。嬉しかった。このコンビであれくらい出来た試しがなかったから物凄く嬉しかった。そしてこのネタはM-1対策ライブで持って行こうとして諦めたネタだったけど、「あの時のぼくは間違っていた、もっと自分を信じないと」と思うことが出来た。ありがとうレン君。また一年後待ってるからな。


“なべぶた”。ぼくの組んだコンビの中では一番新しくて唯一の男女コンビ。ぼくがプロになるに至って男女コンビも経験していたいなと思っていたところ、ちゆきに声をかけてコンビを組むことになった。確かM-1の1回戦の予選が終わった頃だった気がする。

それから3つのネタをやることになるのだが、やっぱり一つ目の衝撃は忘れられない。第五回単独ライブで初めてのステージとなったのだが、とにかくちゆきの演技力が凄すぎた。気圧される。圧倒的とはこのこと。見ている人をぐっと引き込むようなその雰囲気と表現に魅了される。お客さんだけでなく勿論ぼくもその1人。1番近いところで1番魅せられていた。

そしてもっとすごいのは本番の強さ。ネタ合わせしてる時もその演技力に驚かされているのだが、本番になると今までの演技が嘘だったかのようにもう3段階くらいギアを上げてくる。普通に驚く。その本番への調子の持っていき方、本番での爆発力、そのポテンシャルの高さに脱帽し尊敬する。すごい相方と組めたと自分が誇らしくなる。

テレビ局が主催したテレビ出演の切符をかけたオーディションイベントでは、動画審査とネタ審査でいい流れを作りつつも一位とダブルスコアをつけられて大敗したことも。この時の負けがとても悔しくて「自分等の力はこんなもんじゃないのに」や「負けてるところがわからない」など負け惜しみに明け暮れていた。この”なべぶた”というコンビの可能性を自分でも信じて、なかなか認めきれることも出来なかった。それでも”なべぶた”はライブでいい結果を出せたり、ファンがついてくれたり、1番好きなコンビといってくれることもあったりと、とても嬉しくなることが多かった。

それもここまでぼくを連れてきてくれたちゆきに感謝したい。ちゆきだったからこそ見れる景色と、ちゆきとしかできないネタを3本も出来た。最後のネタもずっとやりたかった勇者のネタができてそのコスプレして、またちゆきの演技に惚れ惚れさせられて、それでも二言目のセリフを飛ばして、オチ前のボケのところで笑いが溢れてしまったりと、ずっと楽しいネタだった。散々だったかもしれないけどなべぶた史上一番のネタだった。ちゆきありがとうな。


そして延原との”あらい”。一年前の「まつうら寄席」がきっかけで結成したこのコンビ。もともと延原とはコンビを組むことは考えていなかった。この時どっちもツッコミをメインにやっていたし、個人的感情で延原には負けたくなくてどうにか勝ちたかったため、組んでしまうとその勝敗がつけられなくなるから。それでも気がついたら組んでいた。

あらいはぼくがコントに舵を切るきっかけになったコンビでもあり、延原をボケで起用するという活路も見出したものと思っている。それまでツッコミで輝いた延原がボケの可能性を切り開いていくのだが、これはこのコンビがあったからではないのかなと思う。

そして第6回単独ライブでは卒業ライブでもやったあのコントをやったところ念願のランキング1位を取ることが出来た。ずっとずっと1位を取りたくてもがいていた頃が長かったからこそ、ほんの後少しで取り逃がすことがあったからこそ、この1位を取れたのが嬉しくて嬉しくてたまらなかった。これも延原の醸し出す雰囲気や”にん”の部分のおかげである。ボケじゃないところでも、その喋り方や抑揚で面白く感じてしまう。その天性の才でネタのレベルが上がっていたことは惑うことなき事実。あり得ないくらい助けられている。

延原はツッコミも一級品のくせに、ボケも面白い。ツッコミとボケのどちらもレベルが高い。ぼくなんてこいつの足元にも及ばない。勝っているのはコントくらいだろうか。でもコイツがコントを始めたらすぐ負けてしまうんだろう。正味コイツには勝てない。当分勝てる気がしない。驕りかもしれないが、プロの芸人にも負けてないと思うことも全然ある。しかしコイツにだけは負けていると認めざるを得ない。1番近くで見てきたからこそその力の差は自分でもよくわかる。

普通に悔しいし腹が立つ。「なんでこいつはこんなに面白いんだ」「なんでぼくはこう面白くなれないんだ」と。ライブで一位を取られる度に、M-1で一回戦を突破された時に、ライブ後のお客さんが足を止めるお見送りの度に、大きな笑いをとる度に、なにより自分が腹を抱えて笑ってしまう度に悔しくて悔して悔しくて。どれだけ妬み嫉み敬い羨ましく思っていたことか。いつもこいつがぼくの目標であり、憧れであり、1番に負かしてやりたい存在だった。

そんな奴とのネタもやっぱり楽しくて最後の最後で珍しく飛ばしてはいたものの、最高の5分間だった。卒業ライブのぼくのコンビの中では唯一の新ネタではないありネタだったけど、今では新ネタ作りたかったなと思ってしまう。現実的には無理だったろうけど、もっとこのコンビでネタやりたかったとつくづく思う。最後の最後まで楽しくネタやってくれてありがとうな延原。


そして同期であるスタッフのマサにも感謝をしきれない。

オープニング映像、ステッカー、コーナーと忙しい中とにかく奮闘してくれた。時間がギリギリになりながらもそのずば抜けたセンスから最高の作品達を作り上げてくれた。

オープニング映像は初めての実写であったものの、その完成度と素晴らしさに絵コンテの状態でも鳥肌が止まらなくて涙腺が刺激されていた。その撮影も楽しくて裏側なんかも面白いことがあってよく笑った。完成版を見た時はマサの名前を叫ぶことを避けられなかった。今までのオープニング映像も素晴らしくて最高のものだったのだが、それを優に超える出来栄えで、感動が止まらなかった。

コーナーも風船を使いたいという案からあそこまで楽しいコーナーを準備してくれた。もうコーナーは言葉がいらないくらい実際に楽しくて楽しくていつまでもやっていたかった。本当に風船の爆破は心臓が止まりそうになるくらい驚いたのだが、その鼓動が驚きだけでなく、楽しすぎることからのワクワクが大半を占めていたのは自分でもよくわかっていた。あれだけの準備をしてくれて本当にありがとう。

マサとは個人的に似ている部分が多かったのだが、マサと同じ時間を過ごせれて楽しかった。4年回の後にマサの家でパソコンのゲームを朝までずっとやってたのも、編集を教わろうとしたら途中で寝始めて1人でやっていたのも、最高の誕生日プレゼントをもらったのも全部全部素晴らしい思い出。マサが同期で居てくれて良かった。本当にありがとう。


スタッフとして動いてくれたみんなにも勿論感謝している。音響トラブルに耐えながらなんとかやり切ったことも、照明でエゴを出したくて提案が尽きなかったことも、撮影で1番笑ってくれたり最高の瞬間を写真に収めてくれたりしたことも、受付でお客さんを案内しつつ物販を回してくれたことも、最高のデザインのポスターやアンケートを作ってくれたことも、めちゃくちゃ普通のアナウンスも本当にありがとう。みんなのおかげで最高のライブになったと思う。ありがとう。


あぁ。本当に終わった。

実感はライブ中に少しづつ感じていたのだが、最後のお客さんのお見送りでこれが卒業かと思わされる。「面白かった」「楽しかった」「最高だった」と耳にする度に、今までと同じ言葉でもその重さの違いに心を震わせられる。写真をお願いされたり、プレゼントや差し入れを貰ったり、感謝の言葉や応援の言葉を貰ったり、感想や長文のメッセージを貰ったり、ぼくがどれだけ恵まれていたのか目に見えてわかった。本当にありがたい。嬉しくて嬉しすぎて堪らない。本当に本当に感謝している。

このことでどれだけぼくが救われてきたか。そのたった一言でどれだけぼくの心が明るくなっていったか。ぼくがみんなを笑顔にするとお笑いをやっていたのに、笑顔にされていたのはぼくの方だった。ありがたいことにぼくが心の支えになってくれたり、頑張る活力や原動力になったと言ってくれたり、ただシンプルにファンだと推しだと言ってくれたりする人ももいたのだが、全然逆でぼくのほうが心の支えになっていた。そう言ってくれるからまた頑張れるし、そう言ってくれる人たちを楽しませたいとずっと思ってた。ありがとう。ありがとう。

お客さんも、客席から見届けてくれた1年生も、スタッフとして動いてくれた2、3年生も、面白いネタをやってくれた原口のコンビ達も、ソラも、レン君も、ちゆきも、延原も、マサも、そして原口も。

本当の本当にありがとう。

今のぼくがあるのはみんなのおかげ。

もうみんなとライブができないのが寂しくて悲しいが、最後に相応しい最高のライブになったと思う。

これでぼくはもう満足だよ。

本当に楽しいライブだった。

みんなとライブを作り上げるってなんて楽しいんだろうね。

この日は最後まで笑顔でいたかったからどうにか堪えたけど、もう今は我慢できないや。

あーあ。

本当に終わっちゃった。

ありがとう。

この言葉は何度言っても足りない。

最後にもう一度だけ言わせてほしい。

ライブを一回でも見てくださった皆さん。

YouTubeでネタを見てくださった皆さん。

少しでも興味をもって行こうかなと考えてくださった皆さん。

そして今回のこの卒業ライブを見てくださった皆さん。

CCCの活動の幅を広げてくれた2期生。

創部してから怒涛の1年間を共にしてくれた1期生。

やめてしまったけどその期間ともに過ごしてくれた君たち。

ぼくとコンビを組んでくれたソラ、レン君、ちゆき。

ぼくにサークルを作ろうと誘ってくれた延原。

最高のライブになるように演出面で引っ張ってくれたマサ。

そしてあの時のぼくの誘いに二つ返事で答えてくれた原口。

この想いが届きますように。

皆さんに多大なる感謝を込めて。

ありがとうございました。


明日はいよいよチュンラジ最終回。

これが本当の本当の最後。

さぁ。

楽しもうか。

やり切ろうか。

準備はいいかい?


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