読書感想文的な10『コロナ黙示録』海堂 尊

豪華クルーズ船で起きたパンデミックと無為無策の総理官邸。病院で起きていること。混乱する政治と感染パニックの舞台裏!世界初の新型コロナウイルス小説。桜宮市に新型コロナウイルスが襲来。その時、田口医師は、厚労省技官・白鳥は―そして“北の将軍”速水が帰ってくる!世界初の新型コロナウイルス小説!

こんなに気が滅入る本は久しぶりだった。。
悪口聞き続けるのしんどいというの改めて実感。

田口と白鳥がやんやん言いながら事件を解決したり、うまいこと官僚を打ち負かしたり(?)するのがよかったんじゃん!!!ねぇ!!!
コロナが終息してないから当たり前だけど、全っ然なんも解決してないもん。
コロナが落ち着いてから、もっとはっきり何が悪かったのかわかってから、いつもみたいに官僚を批判しつつコロナと闘うというお話ではダメだったのか。。
医療がわかってる人にはそういう物語を見せてほしかった。

桜宮シリーズ、いわゆるバチスタシリーズと聞いて喜んで読んだのに残念だったなというのが正直な感想。
べつに著者の政治思想は本が面白ければどうでもいいんだけど、今回はすごく幼稚で安直な登場人物のネーミング。小学生の悪口みたい。
嫌いでもいいと思うし、悪く言いたかったら言えばいいけど、これまで楽しく読んできた桜宮サーガの登場人物たち全員が口を揃えて政権批判するのはちょっとなぁ。自分の口でちゃんと言えば?
前政権の不祥事とかについてはすごく取材されたんだと分かるし、批判されるべき点も多くあったし、結局不透明なまま幕引きになったことが多いのも理解できる。
でもそこに外からは知りえないような部分が、(たとえば総理と夫人の会話とか)小説として、創作として描かれてて、断片的な事実に悪意を持った想像で補うとこうなるんだなってかんじ。
というか、小説にしてしまうから全体的に激しめの妄想に見えるし、こんなに調べたならフィクションじゃなくてソースを示してノンフィクションにしたらよかったんじゃない?って思う。

批判なのか悪口なのか微妙。
正直これじゃ悪口だと思う。笑


悪口を聞く(この場合は読む)って本当に体力使うことだと実感した。
だれかを嫌いっていうエネルギーすごいね。
同じテンションで政権批判をしたい人はめちゃくちゃ楽しいと思う。
わたしは物語が読みたかった。
著者の思想を知りたいわけじゃなかった。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?