ダイエットの鍵となる食物繊維について

ダイエットをスムーズに進めていく上で、食物繊維はとても重要な働きをしています。

食物繊維が肥満をおさえる5つの特性

1. 早く満腹感を感じさせる
食べ物が小腸を通り抜ける時に、ペプチドYYと呼ばれるホルモンが放出されます。このホルモンは脳に満腹であることを知らせます。

2. 血糖値の上昇を緩やかにする
食物繊維をとると、食物と腸壁のあいだにゼラチン質のバリアができます。これにより、腸がブドウ糖を吸収するスピードが緩やかになります。
ブドウ糖の吸収が緩やかになると、血糖値の上昇も緩やかになりインスリンの過剰分泌を防ぐことができます。

3. カロリー密度が低い
食物繊維が多い食品は「エネルギー密度」が低い傾向にあるため、量を食べても摂取カロリーが低くなる傾向があります。

4. 噛む回数
食物繊維の量が多いと噛む回数が多くなります。
一方、ジュースやカップ麺などの食物繊維が取り除かれた炭水化物は噛む回数が少なくます。結果、短時間で大量のカロリーを摂取できてしまいます。

お腹がいっぱいになってから脳が満腹のシグナルを受け取るまでには、20分ほどのタイムラグがあります。
食べるスピードが早いと満腹シグナルを、受け取っていない間に食べ過ぎてしまいます。食物繊維が多い食品で、噛む回数が増えるとシグナルを受け取るまでの時間を確保できます。

5. 腸内環境の改善
食物繊維を摂ると腸内で発酵し、体によい影響を与える善玉菌が繁殖しやすい環境をになります。
また、腸内細菌は食べ物を分解するときに、脂肪の吸収を抑える短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)を作り出します。
短鎖脂肪酸が血液によって全身に運ばれると、脂肪の取り込みが抑えられます。


2種類の食物繊維

水溶性食物繊維
消化と吸収を遅らせる働きがあります。
例えば、ペクチンは水分を吸収しネバネバした物質になります。
(フルーツに含まれ、ゼリーを作るのに使われたりします)

不溶性食物繊維
緩下剤的効果があり、食べ物が腸内を移動するスピードをアップしてくれます。セルロースが例で、水に溶けません。(セロリの筋など)

肥満を抑える恩恵を受けるには、水溶性と不溶性の2つをとることがポイント
しかし残念ながら、普段私たちが口にする食べ物の多くは、水溶性にせよ不溶性にせよ、ほとんど食物繊維が含まれていません。

加工で食物繊維が台無しになる

リンゴを例に見てみましょう。

リンゴは皮付きのままだと、約4.4gの食物繊維を含みます。
皮をむくと、3gに減ります。
ジャムになると0.8g。
リンゴジューズになると0gになります。

白米、パン、パスタ、うどんは?
白米はもともと玄米です。
玄米は100gあたり、食物繊維が3gになります。
白米になると100gあたり、食物繊維は0.5g(1/6)にまで減ります。
パン、パスタ、うどんに使われる小麦に関しても同じような感じになります。

食物繊維が少ない方が食べやすく、糖質のみで美味しいと感じやすくなります。
そのため、私たちは太りやすい炭水化物をチョイスしてしまいがちです。

炭水化物について
炭水化物とは糖質と食物繊維の総称です。
最近は、糖質ダイエットの流行もあり、炭水化物は太ると誤解を招いてしまっています。

炭水化物が太る原因になるかどうかは食物繊維の量が鍵となります。

結論から言うと、炭水化物は減らすのではなく、食物繊維の多い炭水化物に「置き換える」ことがオススメになります。

白米には100gに0.6gの食物繊維しか入っていません。
日々、コンスタントにとる主食であるため、全粒穀物に変えると簡単に食物繊維の摂取量を増やすことができます

玄米、発芽玄米、大麦、もち麦、それに「五穀米」などさまざまなものが販売されています。

パン食なら、全粒粉パン、ブランパン、ライ麦パンがオススメ。

シリアルでは、オールブランや玄米シリアル、オーツ麦(オートミール)など。味も食感もさまざまな全粒穀物があり、幅広い選択肢があります。

ただし、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で定められている食物繊維目標量は、「1日あたり成人男性21g以上、成人女性18g以上」

白米を玄米に、小麦粉を全粒粉に置き換えるだけでは十分ではありません。
野菜や果物も摂取して目標を達成していきましょう。

食物繊維はサプリメントではなく、食品から
度を超えて摂りすぎると栄養素の吸収を阻害したり、下痢や便秘を起こしたりする可能性もあります。

サプリメントなどで過剰に摂り過ぎないように注意が必要です。
またサプリメントや市販の食物繊維入りドリンクなどは、2種類の食物繊維をどっちもとることが難しいです。なるべく、食品から摂取することをおすすめします。

食物繊維の多い身近な食品をリストアップしたので、ぜひ活用してみてください。

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