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調整の時間

前職を1月末で退職し、3月から次の職場になる合間の2月、私は大阪からフェリーで、山口にやってきた。

何も、全くあてがなくという訳ではなく、ちょうど以前から依頼されていた建設作業の手伝いがてら、コロナのリハビリ、体力回復も兼ねての慰安旅行だ。

想像はしていたものの、かなり朝は寒くて、ヘッダー画像みたいに、霜が柱状になっていた。ほんとに現地で撮った写真。

農業と養鶏をメインでやっているその場所は、キッチンの本当に目の前で野菜が収穫できる。地産地消の本当に文字通りのことができる。

建設作業を体力の具合を見ながら進めて、疲れた身体は、産地直送の野菜を使ったご飯で癒す。
コロナにかかってから、酷く落ちていた食欲は3日ほどでかなり回復した。今ではおかわりをするくらい。

本当に美味しい食材が揃っているものだから、料理を作ることも、すごく楽しめる。
何を作っても、薄味でも美味しいのだ。いや、むしろ、濃い味をつけてくれるな。とでも言わんばかりに、旨みを主張してくる。

半自給自足の生活だから、目の前に溢れる野菜も、後々のことを考えて使わねばならない。とはいえ、腐らしてしまうのも、問題外だ。まさに、今旬である食材しかない中で、数々の制約を躱して作り上げる。
献立を考えるだけでも、結構疲れるのだが、この一連が楽しくて仕方がない。

生活の中に、生と死がチラついて見えるような感覚がある。上手く生きていくにはどうするか。保存食についても考える。長く食べるにはどうしたら良いか。旬の食材があるとはいえ、ワンシーズン同じものがほとんどあるだけだから、利用方法も考えていかないとマンネリ化してしまう。

生活の知恵が豊かさに直結している。

都会にいて、お金を出せばある程度なんでも揃う生活とは一線を画すこの生活。
忘れては行けない感覚のようにも思うこれを、大阪までしっかりと抱いて帰りたい。

そして、次の職場で飛躍できるように、回復と向上に努めていきたい。
都会では忘れてしまうこと、便利な中に埋もれてしまうこと、頭に刻み込んでいこう。


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