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映画感想 『バレット・シティ 狂弾の絆』

 テンポよくコンパクトにまとまった素晴らしいクライムアクション映画でした。刑事側の主人公達のキャラも立っているし、強盗側のキャラも立っていて、それがしっかりと絡み合うことで緊張感を持続させていました。

 映画本編は1時間半程度と今の映画の中では短い時間ですが、キャラの描き方は過不足なく、展開の邪魔(テンポを乱す)もしないという様は、これが映画的な人物の演出だよなと感じました。

 ただ残念な点が二つありました。一つは最後の刑事の隊長と強盗団のボスとの一騎打ちの場面で、その場面を盛り上げるために、刑事側の副主人公的なキャラも含めて一息ついている場面を挿入していて一騎打ちの邪魔は入りませんよっていう提示になっているのですが、そんな暇あったらまだ犯人が逃げている状態なのに追い掛けろよっていうツッコミをしてしまい、映画におけるリアリティを大事にしてきた映画だと思うのにそれが見事に崩れ去ってしまう結果を招いているので、その場面自体をカットでよかったと思います。

 また、刑事側の副主人公が刑事の隊長から貰った爪切りがラストバトルへの何かフラグかなと思ったらそうじゃなかったのもズッコケたというか。ここは映画的な嘘で効果的に活用してほしかったところですね。

 二つ目ですが、これが一番あかんのですが、エンドロールで撮影場面とかが流れるんですね。当然、刑事側も強盗側も和気藹々としているのですが(笑)、本作の雰囲気からはかなりの逸脱なので必要なかったと思います。余韻が台無しです。

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