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思うこと:シネマート心斎橋(映画館)の閉館について

 自分的には結構びっくりなことなのですが、2024年10月24日(水)で大阪のアメリカ村ビッグステップ内にあるミニシアター”シネマート心斎橋”が閉館することになりました。

https://www.cinemart.co.jp/theater/shinsaibashi/topics/20240724009256.html

 今まで素晴らしい映画と出会う場を提供いただきまして、ありがとうございました。私が一番大好きな映画『私の少女時代-OUR TIMES-』もシネマート心斎橋で鑑賞したことを思い出します。

 シネマート心斎橋があるアメ村は大阪のミナミのエリアに含まれていて、映画館の名前から分かるように地下鉄心斎橋駅から徒歩数分程度の交通アクセスは抜群によい場所にある映画館です。私も何度通ったことか……。大阪時代の家からは電車一本で行けましたので。

 理由としては主にコロナ禍による観客減少からの回復が遅れていることと、配信サービスとの競合というのを挙げられておられます。それはそのとおりだと思いますが、コロナ禍前からというか、ミニシアターはどこも経営は大変というのは昔から言われていました。

 ただ、日本第二の都市にある老舗のミニシアターですらそういう状況というのは映画文化の側面からも非常に厳しい現実を突きつけられているとも言えるのですが……。

 個人的にシネマート心斎橋に関わらず、この観客数でよく経営できているよなと思うミニシアターは沢山ありました。ただ、東京は別です。平日の昼間なのに普通に多数の客がいることが多いのに驚きます。(経営が順調かどうかは知りませんがw)

 私はミニシアターの最大の弱点は、シネコンにはかからない映画を上映するのはいいとして、それが通好みの「映画を分かっている人」向けの映画だと、ミニシアター側もそこに通う観客側も大いなる勘違いをしてしまっていることだったと捉えています。映画業界も映画関係者もそれに含まれるでしょう。

 選民思想というのでしょうか。それ故か新規観客(又は観客候補)に対して排他的になったりしてしまう空気感はかなりありました。簡単に言えば入りづらい感じです。そういうお店とかってあるでしょ?

 私は小さい頃から映画館で映画を観ていたからか、一般層よりかはそういう空気感に押し潰されない「慣れ」みたいなものを持っていましたが、そうじゃない人にはちょっと躊躇するよなと感じたことは多々あります。

 ただ、これって大阪というか東京以外は当てはまると思いますが、東京は別だということを最近思うようになりました。人間の多さの勝利というべきなのでしょう。

 東京の全てのミニシアターに行ったわけではありませんが(阿佐ヶ谷の奥まったコアな所とか)、シネマート心斎橋クラスで言えばテアトル新宿とかシネマート新宿とかになってくるでしょうけど、そこでは大阪ほど排他的といった空気は感じず、客層自体シネコンと変わらないよなと思うことが多々あります。

 ポレポレ東中野ですら(失礼、他意はありません)、私は二回しか行ったことはありませんが、普通の客層でしたからね。観に行ったのはドキュメンタリー映画なのに。大阪で言えば、シネ・ヌーヴォとか第七藝術劇場とかですよ、該当するのは。そこの客層と比較してみても、一般層だよなと感じたんです。(阿佐ヶ谷のコアな所は大阪で言えばシアターセブンとかでしょうかね。)

 趣味嗜好の選択肢が増えていて、更に誰もが発信者側になれる現在、コア化というか村化してしまうのは仕方がないのでしょうけど、潰れるときはあっという間という危険も隣り合わせだよなと感じます。それを解決するのは人の多さなのかなと、今回のシネマート心斎橋の閉館の知らせを読んで感じた次第です。

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